SAシステムアーキテクト試験 午前Ⅱ
平成21年度秋期 システムアーキテクト 午前Ⅱ 問14
問題文と選択肢を読んで答えを考えてから、下の「正解と解説を見る」で確認しましょう。
問題
選択肢
- ア顧客から注文を受け付けるとき,与信残金額を計算し,結果がマイナスになった場合は,入力画面に警告メッセージを表示すること
- イ受注管理システムの稼働率を決められた水準に維持するために,障害発生時は半日以内に回復できること
- ウ受注を処理するとき,倉庫に在庫がある商品はリアルタイムで自動的に在庫引当を行うこと
- エ出荷できる商品は,顧客から受注した情報を受注担当者がシステムに入力し,営業管理者が受注承認入力を行ったものに限ること
解き方のヒントを見る
要件の分類は記述の対象から考える
業務システムの例に含まれる各記述が、システムに対して何を決めようとしているのかを自分の言葉で言い換え、学習した要件の区分の定義と一つずつ照らし合わせることが検討の出発点になります。
この問題で問われていること
問われているのは、具体的な業務の場面に現れる要求の記述を、その記述が何を定めているかという観点で読み取り、要件の区分の定義に当てはめて判断できるかどうかです。見た目の言葉に引きずられない読み方が鍵です。
視点
要件の区分は、記述に含まれる単語ではなく、その要求がシステムについて何を決めているかという性質に基づいて整理されます。業務の例は文脈が具体的なため、業務用語の印象に目を奪われやすくなります。定義の文言そのものに立ち返り、記述の中身と照らし合わせて判断する姿勢が大切です。
確認ポイント
- 各記述を「このシステムについて何を決めているか」という一文に言い換えられるか
- 言い換えた内容を、学習した各区分の定義の文言と照らし合わせたか
- 業務特有の用語や表現の印象だけで区分を決めていないか
正解と解説を見る
正解
イ
解説
非機能要件は、システムが提供する業務機能ではなく、稼働率や障害発生時の復旧時間など、システム運用に関する品質やサービス水準を定める要件です。したがって、障害発生時の回復時間を定めたイが該当します。
理由
障害発生時に半日以内で回復できることは、受注処理の具体的な手順や計算内容ではありません。稼働率を維持するための復旧時間という、可用性や運用サービスの水準を定めているため、非機能要件に該当します。
比較
与信残高の判定、在庫の自動引当、受注承認の手順はいずれも、システムが実行する業務処理や業務ルールを具体化したものです。これらは機能要件であり、稼働率や復旧時間のような品質条件とは区別します。
選択肢ア
これは不正解だよ。与信残金額を計算し、結果がマイナスの場合に警告を表示することは、注文受付時にシステムが実行する具体的な業務処理です。処理内容と画面への出力を定めた機能要件であり、稼働率や復旧時間などの非機能要件ではありません。
選択肢イ(正解)
これは正解だよ。障害が発生したとき半日以内に回復できることは、システムがどの業務を処理するかではなく、サービスをどの程度継続・復旧できるかを定めています。稼働率の維持に関わる可用性・運用上の品質条件なので、非機能要件です。
選択肢ウ
これは不正解だよ。在庫がある商品についてリアルタイムで自動的に在庫引当を行うことは、受注処理の中でシステムが実施する業務機能を示しています。リアルタイムという性質は含まれますが、中心となる内容は在庫引当という機能要件です。
選択肢エ
これは不正解だよ。受注担当者が情報を入力し、営業管理者が承認入力を行ったものに限るという記述は、出荷可能な受注を決める業務手順と承認ルールです。システムに必要な業務機能や業務上の制約を定めており、非機能要件には当たりません。
学習のポイント
機能要件と非機能要件を、業務処理と品質・運用条件の違いで分類する。
出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)平成21年度秋期 システムアーキテクト試験 午前Ⅱ 問14(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例)
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