SAシステムアーキテクト試験 午前Ⅱ

平成21年度秋期 システムアーキテクト 午前Ⅱ 問6

問題文と選択肢を読んで答えを考えてから、下の「正解と解説を見る」で確認しましょう。

問題

モジュール設計書を基にモジュール強度を評価した。適切な評価はどれか。 〔モジュール設計書(抜粋)〕 上位モジュールから渡される処理コードに対応した処理をする。処理コードが“I”のときは挿入処理,処理コードが“U”のときは更新処理,処理コードが“D”のときは削除処理である。

選択肢

  1. ア
    これは“暗合的強度”のモジュールである。モジュール内の機能間に特別な関係はなく,むしろほかのモジュールとの強い関係性をもつ可能性が高いので,モジュール分割をやり直した方がよい。
  2. イ
    これは“情報的強度”のモジュールである。同一の情報を扱う複数の機能を,一つのモジュールにまとめている。モジュール内に各処理の入口点を設けているので,制御の結びつきがなく,これ以上のモジュール分割は不要である。
  3. ウ
    これは“連絡的強度”のモジュールである。モジュール内でデータの受け渡し又は参照を行いながら,複数の機能を逐次的に実行している。再度見直しを図り,必要に応じて更にモジュール分割を行った方がよい。
  4. エ
    これは“論理的強度”のモジュールである。関連した幾つかの機能を含み,パラメタによっていずれかの機能を選択して実行している。現状では大きな問題となっていないとしても,仕様変更に伴うパラメタの変更による影響を最小限に抑えるために,機能ごとにモジュールを分割するか入口点を設ける方がよい。
解き方のヒントを見る

モジュール内部のまとまりを見極める

設計書の記述から、そのモジュールに含まれる処理同士がどのような理由で一つにまとめられているのかを読み取ることが検討の出発点です。個々の処理内容よりも、処理同士の関係に注目して整理しましょう。

この問題で問われていること

問われているのは、モジュール内部の結び付きの性質です。記述の中から、処理同士をまとめている根拠がどこに書かれているかを探し、その根拠が何に基づくものかを自分の言葉で言い直せるかを確認してください。

視点

モジュール強度は、一つのモジュールの内部要素がどれだけ密接に関連しているかを表す考え方で、モジュール同士の関係を扱う概念とは区別されます。判定では、記述に現れる語句の印象に引きずられず、要素をまとめた理由そのものに着目します。まずその理由を一文で要約し、その後で学習した分類の定義と照らし合わせる手順が有効です。

確認ポイント

  • 記述の中で、処理同士を一つのモジュールにまとめた理由が読み取れる箇所はどこか
  • その理由を、記述中の特定の語句に頼らず自分の言葉で一文に要約できるか
  • 要約した理由を、学習した各分類の定義と自分で照らし合わせて確認したか
正解と解説を見る

正解

エ

解説

このモジュールは、上位モジュールから渡された処理コードによって、挿入・更新・削除のいずれか一つを選んで実行します。このように関連する複数機能を条件で選択する構成は論理的強度に該当し、機能単位の分割や入口点の設置が望まれます。

理由

処理コード“I”“U”“D”は、挿入・更新・削除という関連した処理のうち、実行するものを選ぶために使われています。複数の機能を条件によって選択して実行する構成は論理的強度です。

比較

暗合的強度は機能間の関係がほとんどない場合、情報的強度は同じデータを扱う機能をまとめる場合、連絡的強度はデータを受け渡しながら複数機能を順次実行する場合です。本問はこれらではありません。

選択肢ア

これは不正解だよ。暗合的強度は、同じモジュール内に特別な関係のない機能を偶然まとめた状態を指します。本問では、挿入・更新・削除という関連した処理を処理コードで選択しているため、機能間に明確な関係があります。

選択肢イ

これは不正解だよ。情報的強度は、同じ情報やデータを扱う複数の機能を一つにまとめた場合です。本問の中心は共通情報ではなく、処理コードによって挿入・更新・削除の処理を選ぶことなので、この説明は適切ではありません。

選択肢ウ

これは不正解だよ。連絡的強度は、モジュール内でデータを受け渡したり参照したりしながら、複数の機能を逐次的に実行する構成です。本問では処理コードに応じていずれか一つを選ぶため、複数処理を順番に実行する説明とは異なります。

選択肢エ(正解)

これは正解だよ。関連する挿入・更新・削除の機能を一つのモジュールに含め、処理コードによって実行する機能を選択しているため、論理的強度に該当します。仕様変更の影響を抑えるには、機能ごとの分割や入口点の設置が有効です。

学習のポイント

モジュール強度では、機能間の関係と実行方式を対応付けて判断します。

出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)平成21年度秋期 システムアーキテクト試験 午前Ⅱ 問6(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例)

関連する過去問一覧

IPA Advancedは非公式の学習サイトです。解説にはAIによる補助生成を含む場合があります。公式の問題冊子・解答例・採点講評を優先し、誤りは確認後に訂正します。運営・編集方針