SAシステムアーキテクト試験 午前Ⅰ

平成28年度秋期 システムアーキテクト 午前Ⅰ 問25

問題文と選択肢を読んで答えを考えてから、下の「正解と解説を見る」で確認しましょう。

問題

“情報システム・モデル取引・契約書”によれば,要件定義工程を実施する際に,ユーザ企業がベンダと締結する契約の形態について適切なものはどれか。

選択肢

  1. ア
    構築するシステムがどのような機能となるか明確になっていないので準委任契約にした。
  2. イ
    仕様の決定権はユーザ側ではなくベンダ側にあるので準委任契約にした。
  3. ウ
    ベンダに委託する作業の成果物が具体的に想定できないので請負契約にした。
  4. エ
    ユーザ内のステークホルダとの調整を行う責任が曖昧にならないように請負契約にした。
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契約条件を整理する基本視点

契約形態を考えるときは、名称や印象だけで判断せず、工程の目的、責任の分担、成果の確認方法、変更時の扱いを同じ基準で見比べ、問題文の条件に照らして整理しましょう。

この問題で問われていること

この問題では、契約の呼び方を暗記するよりも、誰が何を担い、どの時点で成果や作業を確認し、条件変更の影響を誰が受ける設計なのかという責任分界に焦点を当てて検討します。

視点

契約形態を比較する際は、作業範囲と期待成果を分けて読み、関係者ごとの役割、確認の基準、費用や納期に影響する条件を対応づけます。そのうえで、問題文が示す前提と各選択肢の説明が同じ観点で整合しているかを確認します。

確認ポイント

  • 関係者ごとの役割と責任の境界が、問題文の前提と対応しているか確認する。
  • 成果の確認時点や評価基準が、記述の中で一貫しているか確認する。
  • 変更・不確実性・追加作業が生じた場合の影響先を、条件に沿って確認する。
正解と解説を見る

正解

ア

解説

要件定義では、構築するシステムの機能や仕様がまだ明確に定まっていないことがあります。そのため、完成した成果物の引渡しを目的とする契約より、専門的な作業の遂行を目的とする契約が適切です。

理由

要件定義工程では、ユーザの要求を整理し、必要な機能や仕様を検討していくため、開始時点で完成成果物を具体的に確定できない場合があります。このような作業には、業務の遂行を目的とする準委任契約が適します。

比較

請負契約は、仕事の完成と成果物の引渡しを目的とする契約です。したがって、成果物や仕様が具体的に定まっていない要件定義工程について、請負契約を選ぶ説明は適切ではありません。

選択肢ア(正解)

これは正解だよ。要件定義では、構築するシステムの機能や仕様が作業開始時点で明確になっていないことがある。そのため、特定の成果物の完成を約束するより、要求整理や検討などの作業遂行を目的とする準委任契約が適切である。

選択肢イ

これは不正解だよ。仕様の決定権が誰にあるかは、この契約形態を直接決める根拠ではない。要件定義ではユーザ企業が要求を示し、ベンダと協議しながら仕様を整理するため、ベンダ側に決定権があることを理由に準委任契約とする説明は適切でない。

選択肢ウ

これは不正解だよ。委託する作業の成果物を具体的に想定できない場合は、完成物の引渡しを目的とする請負契約より、作業の遂行を目的とする契約を検討する。成果物が不明確であることと請負契約を結ぶことは整合しない。

選択肢エ

これは不正解だよ。ユーザ内のステークホルダとの調整は、要件定義を進めるための作業や役割分担に関わる事項である。それを理由に、成果物の完成を目的とする請負契約を選ぶことはできない。契約形態は責任の曖昧さではなく、作業と成果の性質で判断する。

学習のポイント

準委任契約と請負契約の違いを、成果物と作業遂行の観点で整理する。

出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)平成28年度秋期 システムアーキテクト試験 午前Ⅰ 問25(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例)

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