SAシステムアーキテクト試験 午前Ⅰ
平成23年度秋期 システムアーキテクト 午前Ⅰ 問21
問題文と選択肢を読んで答えを考えてから、下の「正解と解説を見る」で確認しましょう。
問題
選択肢
- ア緊急の変更要求に対応するために,変更による影響範囲などについてのアセスメントを実施せずに実装した。
- イ顧客からの変更要求だったので,他の変更要求より無条件に優先して実装した。
- ウ変更要求を漏れなく管理するために,承認されなかった変更要求も記録した。
- エ法改正への対応だったので,変更に要するコストは見積もらずに実装した。
解き方のヒントを見る
プロセスの目的に立ち返って考える
変更要求の扱いを判断するときは、個々の手順を暗記で当てはめるのではなく、そのプロセスが何を守るために存在するのかという目的に照らして考えることが大切です。目的との整合を一つの物差しとして使いましょう。
この問題で問われていること
問われているのは、変更要求を受けてから結論が出るまでの扱いについての判断です。示されている対応が、そのプロセスの目的と矛盾していないかという一つの観点から検討してください。
視点
サービスマネジメントの各プロセスには、それぞれ達成したい目的があります。ある対応が適切かどうかは、手順の名称や順序を覚えているかよりも、その対応がプロセスの目的の達成に役立つのか、それとも目的を損なうのかで判断すると整理しやすくなります。まず自分の言葉で、変更管理が組織やサービスにとって何を実現するための仕組みなのかを一文で言い表してみてください。そのうえで、示されている対応をその一文と照らし合わせて考えます。
確認ポイント
- 変更管理というプロセスの目的を、自分の言葉で一文にまとめられるか
- 示されている対応が、その目的の達成に寄与するのか、それとも損なうのかを考えたか
- 判断の根拠を、用語の印象ではなく目的との整合という一つの物差しで説明できるか
正解と解説を見る
正解
ウ
解説
変更管理では、承認の有無にかかわらず全ての変更要求を記録して追跡できるようにします。緊急の要求、顧客からの要求、法改正への対応であっても、評価・優先度付け・コスト見積りは省略しません。そのため、ウが適切です。
理由
変更管理プロセスでは、提出された変更要求を全て記録し、評価、承認または却下、実装、レビューまでの状況を追跡します。承認されなかった変更要求も却下の理由と一緒に記録しておけば、同じ要求が再び出されたときの判断材料になり、監査や傾向分析にも使えます。変更要求を漏れなく管理するために却下分も記録するウが適切です。
比較
アは緊急を理由に影響範囲のアセスメントを省いています。イは顧客からの要求というだけで無条件に優先しています。エは法改正への対応を理由にコストを見積もっていません。いずれも、変更要求の評価や優先度付けという変更管理の基本手順を省いています。緊急変更や必須の変更でも、手続を速めることはあっても、評価そのものは行います。
選択肢ア
これは不正解だよ。緊急の変更要求であっても、変更管理では影響範囲やリスクの評価を省略しない。緊急時は緊急変更の手続で評価や承認を速めるのであって、アセスメントを実施しないまま実装すると、想定外の障害やサービス停止を招くおそれがあるので適切ではない。
選択肢イ
これは不正解だよ。変更要求の優先度は、要求元が顧客かどうかではなく、ビジネスへの影響度、緊急度、リスクなどを評価して決める。顧客からの要求というだけで他の変更要求より無条件に優先して実装すると、より重要な変更が後回しになったり、評価の手順を飛ばしたりすることになるので適切ではない。
選択肢ウ(正解)
これは正解だよ。変更管理では、提出された変更要求を承認・却下の結果にかかわらず記録し、状況を追跡できるようにする。承認されなかった要求も却下の理由と一緒に残しておけば、同じ要求が再び出されたときの判断材料や監査・傾向分析に使える。変更要求を漏れなく管理するという目的に合っている。
選択肢エ
これは不正解だよ。法改正への対応のように実施が必須の変更であっても、変更に要するコスト、資源、影響を見積もって評価する必要がある。実施すること自体が決まっていても、コストを見積もらなければ予算や要員の確保、実施計画の妥当性を判断できず、変更を統制された形で進められないので適切ではない。
学習のポイント
変更要求の記録、影響の評価、優先度付け、コスト見積りを、要求の種類を理由に省略しないという変更管理の基本
出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)平成23年度秋期 システムアーキテクト試験 午前Ⅰ 問21(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例)
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