SAシステムアーキテクト試験 午前Ⅰ
平成23年度秋期 システムアーキテクト 午前Ⅰ 問20
問題文と選択肢を読んで答えを考えてから、下の「正解と解説を見る」で確認しましょう。
問題
選択肢
- ア考えられる全ての項目に対し,サービスレベルを設定する。
- イ顧客の要望とコストとの兼ね合いで,サービスレベルを設定する。
- ウサービスレベルを設定する全ての項目に対し,ペナルティとしての補償を設定する。
- エ将来にわたって変更が不要なサービスレベルを設定する。
解き方のヒントを見る
合意の目的と方針の整合を確かめる
サービスレベル合意の策定方針を判断するときは、個々の方針が合意そのものの目的や関係者の立場と矛盾していないかを一つの軸として検討します。表面的な印象ではなく、目的との整合で判断する姿勢が大切です。
この問題で問われていること
この問題で問われているのは、策定の進め方に関する方針が妥当かどうかです。問題に示された前提や状況を踏まえ、その方針が合意を結ぶ目的の達成に寄与するのか、それとも目的から外れるのかを見極める観点で考えます。
視点
サービスレベル合意は、サービスの提供者と利用者の間で、提供されるサービスの水準について共通の理解を持つための取り決めです。策定の方針を考える際は、まず『なぜ合意を結ぶのか』という目的を自分の言葉で整理します。そのうえで、検討対象の方針がその目的に照らして筋が通るかを確かめると、判断の根拠が明確になります。
確認ポイント
- 合意を結ぶ目的を自分の言葉で一文にまとめてから検討を始めたか
- 問題に示された前提や状況のうち、方針の妥当性に関わるものを把握したか
- 検討対象の方針について、目的との整合を理由付きで説明できるか
正解と解説を見る
正解
イ
解説
SLAのサービスレベルは、顧客が求める品質と、それを実現するためのコストとのバランスを取って合意するのが適切です。全項目への設定、全項目への補償、変更不要な固定値は、どれも現実的ではありません。
理由
サービスレベルを高くするほど、冗長構成や運用体制の強化などで提供側のコストが増え、顧客が払う料金にも影響します。そのためSLAでは、顧客の業務上の要望と、それを実現するコストとの兼ね合いを考えて、双方が納得できる現実的な目標値を設定します。したがって正答はイです。
比較
アは項目を網羅しようとして、測定や管理の負荷とコストが過大になります。ウは補償(ペナルティ)を全項目に一律で付けるため、柔軟さに欠けます。エは、業務や環境の変化に合わせてSLAを定期的に見直すという考え方に反します。いずれも、SLA策定の方針としては適切ではありません。
選択肢ア
これは不正解だよ。考えられる全ての項目にサービスレベルを設定すると、測定・報告・管理の負荷とコストが大きくなりすぎるし、重要度の低い項目まで合意の対象になってしまうよ。SLAでは、顧客の業務にとって重要で測定できる項目を選んで目標値を合意するのが基本だから、「全ての項目」とする方針は適切ではないんだ。
選択肢イ(正解)
これは正解だよ。サービスレベルを高くするほど、冗長化や体制強化などで提供側のコストが増えて、料金にも跳ね返るよ。だからSLAでは、顧客が求める水準と、それを実現するためのコストのバランスを取って、双方が納得できる現実的な目標値を合意して設定するのが適切な方針なんだ。
選択肢ウ
これは不正解だよ。SLAで未達時のペナルティ(料金の減額などの補償)を決めることはあるけれど、サービスレベルを設定した全ての項目に必ず補償を付ける必要はないよ。項目の重要度によっては、報告や改善対応で扱うものもあるんだ。「全ての項目に補償を設定する」という方針は一律すぎて、適切ではないよ。
選択肢エ
これは不正解だよ。顧客の業務内容や環境、技術、コストは時間とともに変わるから、将来にわたって変更不要なサービスレベルを最初から決めるのは現実的ではないよ。SLAは定期的なレビューで見直して、必要に応じて改訂していく継続的改善の対象だから、この方針は適切ではないんだ。
学習のポイント
SLAは顧客の要望とコストのバランスで合意し、定期的に見直すものだと理解する。
出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)平成23年度秋期 システムアーキテクト試験 午前Ⅰ 問20(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例)
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