PMプロジェクトマネージャ試験 午前Ⅱ
平成28年度春期 プロジェクトマネージャ 午前Ⅱ 問17
問題文と選択肢を読んで答えを考えてから、下の「正解と解説を見る」で確認しましょう。
問題
選択肢
- ア乾電池のプラスとマイナスを逆にすると,乾電池が装填できないようにする。
- イ交通管制システムが故障したときには,信号機に赤色が点灯するようにする。
- ウネットワークカードのコントローラを二重化しておき,故障したコントローラの方を切り離しても運用できるようにする。
- エハードディスクにRAID1を採用して,MTBFで示される信頼性が向上するようにする。
解き方のヒントを見る
設計の狙いと想定事象を対応づける
信頼性設計に関する事例を検討するときは、方式名の印象で判断しないことが大切です。その設計が何を想定して採り入れられたか、想定した事象が起きたときにシステムや利用者をどのような状態に導こうとしているかという設計の狙いに着目して整理します。
この問題で問われていること
問われているのは、個々の事例がどの考え方に当てはまるかを見分ける力です。事例の表面的な仕組みや部品の構成ではなく、その工夫が働く前提となる出来事と、工夫によって得ようとしている結果の組を読み取り、考え方の目的と照らし合わせます。
視点
信頼性設計の考え方は、それぞれ『どのような事象を想定するか』と『その事象に対して何を実現しようとするか』の組合せで目的が定まっています。学習するときは、各考え方についてこの二点を自分の言葉で書き出しておきましょう。そうすると、事例の記述を目的の側から読み直せます。見た目が似た仕組みでも、狙いが異なれば別の考え方に属する点に注意してください。
確認ポイント
- 事例の中で、工夫が働くきっかけとして想定されている事象は何かを特定したか
- その事象が起きた後に、設計が何を優先した結果を目指しているかを読み取れたか
- 読み取った『想定事象と狙い』の組が、自分が当てはめた考え方の目的と一致しているかを確かめたか
正解と解説を見る
正解
イ
解説
フェールセーフとは、故障が発生したときに危険な動作を続けるのではなく、安全を確保できる状態へ移行させる設計思想です。故障時に信号機を赤色点灯にする設計は、交通を停止させて事故の発生を抑えるため、この考え方に該当します。
理由
交通管制システムが故障した場合に信号機を赤色点灯にすると、車両や歩行者の通行を安全側に制限できます。故障によって危険な制御が続くことを防ぎ、事故の拡大を抑える具体例です。
比較
乾電池の向きを誤って装填できないようにするのは誤操作防止、コントローラの二重化は故障後も運用を続けるための冗長化、RAID1はデータや記憶装置の可用性・信頼性を高める設計です。いずれもフェールセーフそのものではありません。
選択肢ア
これは不正解だよ。乾電池のプラスとマイナスを逆にすると装填できないようにするのは、利用者の誤操作を防止する設計です。故障が起きたときに危険を避けるため安全側へ移行させるフェールセーフの説明ではありません。
選択肢イ(正解)
これは正解だよ。交通管制システムが故障した際に信号機を赤色点灯にすると、交通を停止させて危険な通行を抑制できます。故障時に安全側の状態へ移行し、事故の発生や拡大を防ぐ設計なので、フェールセーフに該当します。
選択肢ウ
これは不正解だよ。ネットワークカードのコントローラを二重化し、片方が故障しても運用できるようにするのは、予備系によってサービスを継続する冗長化の考え方です。故障時に安全側へ移行させるフェールセーフとは目的が異なります。
選択肢エ
これは不正解だよ。RAID1は複数のハードディスクへ同じデータを保持し、片方に障害が起きてもデータ利用を継続しやすくする方式です。MTBFで示される信頼性の向上を狙う説明であり、故障時に安全側へ移行するフェールセーフではありません。
学習のポイント
フェールセーフと、故障しても機能を維持する設計や信頼性を高める設計との違いを整理しましょう。
出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)平成28年度春期 プロジェクトマネージャ試験 午前Ⅱ 問17(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例)
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