PMプロジェクトマネージャ試験 午前Ⅱ

平成26年度春期 プロジェクトマネージャ 午前Ⅱ 問12

問題文と選択肢を読んで答えを考えてから、下の「正解と解説を見る」で確認しましょう。

問題

リスクマネジメントにおけるEMV(期待金額価値)の算出式はどれか。

選択肢

  1. ア
    リスク事象発生時の影響金額 × リスク事象の発生確率
  2. イ
    リスク事象発生時の影響金額 ÷ リスク事象の発生確率
  3. ウ
    リスク事象発生時の影響金額 × リスク対応に掛かるコスト
  4. エ
    リスク事象発生時の影響金額 ÷ リスク対応に掛かるコスト
解き方のヒントを見る

指標の単位と前提をそろえて考える

定量的な分析指標を扱うときは、個々の数値が何を表し、どの単位や期間を前提にしているかを先に整理することが大切です。意味を確かめずに数値を組み合わせると、もっともらしく見えても誤った結論に至りやすくなります。

この問題で問われていること

この分野で意識したいのは、扱う情報それぞれの意味と単位を正しく把握し、求める指標とどう関係づけるかという点です。本ヒントでは確認の観点を「単位と前提の整合」の一つに絞って考え方を示します。

視点

定量的なリスク分析では、性質の異なる複数の量を扱います。それぞれの量がどの単位で表され、どの期間や範囲を基準にしているのかを自分の言葉で言い換えると、量同士の関係が見通しやすくなります。まず求めたい指標がどのような単位の量なのかを確認し、検討の途中や結果がその単位と前提に合っているかを確かめる姿勢は、どのような形式で問われても役立ちます。

確認ポイント

  • 求める指標がどのような単位と期間で表される量なのかを、最初に言葉で確認したか
  • 扱う各数値が何を表す量で、どの期間や範囲を前提にしているかを区別できているか
  • 検討の結果として得られる量の単位や期間が、求める指標の前提と食い違っていないか
正解と解説を見る

正解

ア

解説

EMV(期待金額価値)は、リスク事象が発生した場合の影響金額に、そのリスク事象の発生確率を乗じて算出する。影響金額を金額単位、発生確率を0から1の割合で表すと、EMVも金額単位になる。したがって正答はアです。

理由

EMVは、発生する可能性を考慮したリスクの期待金額です。式は、EMV[円]=リスク事象発生時の影響金額[円]×リスク事象の発生確率[割合]となる。確率を掛けることで、発生可能性が低い事象の期待影響額は小さく評価される。

比較

発生確率は期待値を求めるための重みであり、除算するものではありません。また、リスク対応に掛かるコストは対策の費用であって、リスク事象そのものの発生確率を表す値ではありません。そのため、対応コストとの乗除算ではEMVの定義にならない。

選択肢ア(正解)

これは正解だよ。EMVは、リスク事象が発生した場合の影響金額[円]に、リスク事象の発生確率[割合]を掛けて求める。式はEMV[円]=影響金額[円]×発生確率[割合]であり、発生可能性を反映した期待金額を算出できる。

選択肢イ

これは不正解だよ。リスク事象発生時の影響金額[円]を発生確率[割合]で割ると、確率が小さいほど値が大きくなり、期待金額の考え方と一致しない。EMVでは、発生可能性を重みとして影響金額に反映するため、除算ではなく乗算を用いる。

選択肢ウ

これは不正解だよ。リスク事象発生時の影響金額[円]にリスク対応に掛かるコスト[円]を掛けても、発生確率を反映した期待金額にはならない。対応コストは対策に必要な費用であり、リスク事象の発生可能性を示す割合ではないため、EMVの算出式には使わない。

選択肢エ

これは不正解だよ。リスク事象発生時の影響金額[円]をリスク対応に掛かるコスト[円]で割っても、発生確率に基づく期待金額は求められない。対応コストは金額単位の対策費用であり、確率の代わりに除数として用いる条件は設問にない。

学習のポイント

影響金額と発生確率を掛け合わせる期待値の考え方を理解する。

出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)平成26年度春期 プロジェクトマネージャ試験 午前Ⅱ 問12(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例)

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