PMプロジェクトマネージャ試験 午後Ⅱ

平成25年度春期 プロジェクトマネージャ 午後Ⅱ 問2

事例を読んで設問の答えを考えてから、解説のポイントとIPA公式の解答例・採点講評で確認しましょう。

問題

システム開発プロジェクトにおけるトレードオフの解消について プロジェクトマネージャには、プロジェクトの遂行中に発生する様々な問題を解決することによって、プロジェクト目標を達成することが求められる。 プロジェクトの制約条件としては、納期、予算、要員などがある。プロジェクトの遂行中に発生する問題の中には、解決に際し、複数の制約条件を同時に満足させることができない場合がある。このように、一つの制約条件を満足させようとすると、別の制約条件を満足させられない状態をトレードオフと呼ぶ。 プロジェクトの遂行中に、例えば、プロジェクトの納期を守れなくなる問題が発生したとき、この問題の解決に際し、制約条件である納期を満足させようとすれば予算超過となり、もう一つの制約条件である予算を満足させようとすれば納期遅延となる場合、納期と予算のトレードオフとなる。この場合、制約条件である納期と予算について分析したり、その他の条件も考慮に入れたりしながら調整し、トレードオフになった納期と予算が同時に受け入れられる状態を探すこと、すなわちトレードオフを解消することが必要になる。 あなたの経験と考えに基づいて、設問ア〜ウに従って論述せよ。 設問ア あなたが携わったシステム開発プロジェクトにおけるプロジェクトの概要とプロジェクトの制約条件について、800字以内で述べよ。 設問イ 設問アで述べたプロジェクトの遂行中に発生した問題の中で、トレードオフの解消が必要になった問題とそのトレードオフはどのようなものであったか。また、このトレードオフをどのように解消したかについて、工夫した点を含めて、800字以上1、600字以内で具体的に述べよ。 設問ウ 設問イのトレードオフの解消策に対する評価、残された問題、その解決方針について、600字以上1、200字以内で具体的に述べよ。
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制約の関係を見極める観点

システム開発では、複数の制約が互いに影響し合うため、個別の条件だけで判断せず、変更が他の条件や成果物、関係者の合意に及ぼす影響を一つの流れとして整理して考えます。

この問題で問われていること

この問題では、ある制約への対応を選ぶ前に、その変更がプロジェクト全体の優先順位や実現可能性にどう波及するかを確認し、条件同士の関係を捉える視点に集中してください。

視点

制約を単独の数字や要望として扱わず、変更の影響範囲、優先順位、関係者間の合意形成を順に見渡します。局所的に有利な対応でも、別の条件へ負担を移していないかを確認し、全体の整合性を基準に考えるのがポイントです。

確認ポイント

  • 変更による影響範囲を全体で確認する
  • 条件同士の優先順位と関係を整理する
  • 関係者の合意や実行可能性を照合する
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解説

本問は、システム開発中に生じた制約条件のトレードオフを具体的に示し、解消策、その評価、残された問題と解決方針を論述する問題です。

問題の全体像

プロジェクトマネージャには、遂行中に発生する問題を解決し、納期・予算・要員などの制約の下でプロジェクト目標を達成することが求められる。本問では、一つの制約を満たそうとすると別の制約を満たせなくなるトレードオフを取り上げ、その状態を具体的に示すことが出発点になる。そのうえで、関係する制約やその他の条件を分析し、複数の関係者を調整して、納期と予算などが同時に受け入れられる状態を探した過程を述べる。公式解答例の出題趣旨では、トレードオフの状態、解消策、解消策の評価、残された問題とその解決策を具体的に論述することが求められている。

設問ア

まず、設問イ・ウで扱う問題を説明できるように、実際に携わった一つのシステム開発プロジェクトを選ぶ。800字以内なので、システムの目的・概要、開発規模や期間、担当範囲などを簡潔に示したうえで、納期、予算、要員、品質、機能などの主要な制約条件を整理する。単なるシステム紹介ではなく、後続設問で扱う問題がどの制約条件と関係するのか分かるように、目標と制約の関係を明確にすることが重要です。

設問イ

設問アのプロジェクトで発生した問題のうち、複数の制約条件を同時に満たせなくなった問題を選び、何が起き、どの制約を優先すると別の制約にどの影響が出たのかを明確にする。例えば、納期を守るために追加要員や外注を投入すれば予算超過となり、予算を守れば納期遅延となる、というようにトレードオフの両側を具体化する。その後、原因、関係者、選択肢、影響を分析し、納期・予算だけでなく品質、機能、要員、リスクなども考慮して、どのように調整・合意形成したかを述べる。工夫した点として、優先順位の設定、段階的な機能投入、作業分割、関係者との合意形成、実績に基づく再計画など、実際の判断と行動を示します。800字以上1、600字以内なので、問題の発生状況、トレードオフ、解消策、工夫の順に配分すると、出題趣旨にある要素を漏らしにくい。

設問ウ

設問イで実施した解消策について、当初の目標や制約条件に照らして、何が改善され、何が犠牲になったかを評価する。評価は「成功した」と結論だけを書くのではなく、納期、予算、品質、機能、関係者の受入れなどの観点と、可能なら実績や比較の基準を示して具体化する。また、解消策を実施しても残った問題を、技術面、運用面、体制面、将来の保守や拡張などに分けて整理し、優先度や期限、担当、必要な対策を含む解決方針を述べる。公式解答例の出題趣旨が示す「解消策に対する評価、残された問題、その解決策」までを一続きで書くことが重要であり、設問イの再説明に終わらせない。600字以上1、200字以内のため、評価、残課題、解決方針をそれぞれ具体的に記述する。

学習のポイント

複数制約の衝突を構造化し、PMとしての調整・判断・評価を一貫して書く力を養う。

出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)平成25年度春期 プロジェクトマネージャ試験 午後Ⅱ 問2(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例 / 採点講評)

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