PMプロジェクトマネージャ試験 午後Ⅱ
平成24年度春期 プロジェクトマネージャ 午後Ⅱ 問2
事例を読んで設問の答えを考えてから、解説のポイントとIPA公式の解答例・採点講評で確認しましょう。
問題
解き方のヒントを見る
スコープ変更を考える視点
スコープ変更を検討するときは、追加や削除そのものだけでなく、関係する作業や合意、期限、品質、費用への波及を同じ基準で整理し、判断の前提と未確認の点を明確にします。
この問題で問われていること
変更内容を受け入れるか判断する前に、当初の計画との差分がどの関係領域へ影響し、その影響を誰が確認し、どの時点で合意として扱うのか、確認の順序と記録のつながりに注目します。
視点
変更の妥当性を直接決めつけず、要求の差分、影響範囲、関係者間の認識、記録と承認のつながりを順に照合して、判断材料の抜けを探します。
確認ポイント
- 変更前後で対象範囲の差分を同じ粒度で比較できているか
- 影響を受ける計画や関係者と、確認すべき前提が整理されているか
- 判断の根拠と合意の状態を後から追える形で記録できているか
正解と解説を見る
解説
本問は、システム開発中に生じたスコープ変更を題材に、変更原因、予算・納期・品質への影響、変更要否の判断、関係者との協議、成果物と作業範囲の再定義を一貫して論述する問題です。
問題の全体像
PMには、成果物の範囲と作業の範囲を定義し、予算・納期・品質というプロジェクト目標を達成するために管理することが求められる。問題文は、業務要件やシステム要件の変更によってスコープ変更が必要になる状況を示している。変更時には、目標への影響を把握し、対策を検討した上で、発注者を含む関係者と変更の要否を決定する。その後、成果物と作業の範囲を再定義し、不整合や特定担当者への作業集中を防ぎながら周知することが重要です。公式の出題趣旨では、これらを具体的に論述させ、スコープ管理の知識、実践能力、関係者との折衝力を評価すると説明されている。採点講評では、設問アでプロジェクトの特徴と変更原因、設問イで原因・影響・変更要否の決定、設問ウで再定義時の留意点を具体的に書くことが重視されている。
設問ア
まず、自分が携わったシステム開発プロジェクトについて、単なるシステム名ではなく、目的、利用者、規模、関係システム、納期など、プロジェクトとしての特徴を示します。その上で、遂行中に発生したスコープ変更を一つ選び、業務要件の変更、連携対象の追加、法制度や事業環境の変化など、変更に至った具体的な原因を説明する。原因は、変更後に何が追加・削除・変更されるのかと結び付ける必要がある。800字以内なので、プロジェクトの背景、変更前の範囲、変更原因、変更が目標達成に影響する理由を簡潔に押さえる。採点講評では、プロジェクトの特徴や変更原因を明確にせず、結果だけを述べる答案が問題とされている。公式の出題趣旨は具体的な模範事例を示していないため、公式解答例にない特定の事例を正答と断定するのではなく、自身の経験に基づき、後続の設問イ・ウにつながる事例を選ぶことが重要です。
設問イ
設問アの原因でスコープを変更した場合、予算、納期、品質の各目標にどのような影響が出るかを、変更内容と対応付けて記述する。例えば、追加開発による費用増、試験期間の圧迫による納期遅延、既存機能との不整合による品質低下など、正負両面を含めて影響を整理する。その上で、変更しない場合の業務上の損失や目標未達リスクと、変更する場合の追加費用・期間・品質リスクを比較し、代替案、優先順位、段階導入、機能削減、要員追加などを検討した過程を書く。さらに、発注者、利用部門、開発責任者、運用担当者、関連システム担当者など、協議に関わった関係者を明示し、それぞれの利害や主張、協議で確認した事項、最終的に変更を採用または見送った理由を述べる。800字以上1、600字以内なので、影響、検討、関係者、協議結果をそれぞれ具体的に配分する。採点講評では、変更原因を明確にせず結果だけを書くことや、影響・変更要否の判断を具体化しないことが問題とされている。
設問ウ
設問イで決定した変更を実施するため、変更後の成果物の範囲と作業の範囲を分けて再定義する。成果物については、追加・変更・削除する機能、画面、帳票、データ、連携仕様、マニュアルなどを明示する。作業については、要件定義、設計、製造、移行、試験、教育、運用準備、関連システムとの調整など、追加・変更・不要となる作業を整理する。さらに、変更された成果物同士の整合性、既存成果物とのインタフェース、責任分担、担当者の負荷、納期と品質の確認方法に留意し、WBS、計画、体制、課題・リスク一覧、レビュー基準などを更新して関係者へ周知する。600字以上1、200字以内なので、変更点を成果物と作業の双方で示した上で、円滑な実施のための管理上の留意点を書く。採点講評では、成果物の範囲と作業の範囲の変更点が不明確な答案が見られたとされている。公式の出題趣旨は具体的な解答事例を示していないため、特定の方法を唯一の正解とせず、設問イの決定内容と矛盾しない再定義として説明する。
学習のポイント
スコープ変更を、原因・影響・判断・再定義の流れで具体化する力を身につける。
出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)平成24年度春期 プロジェクトマネージャ試験 午後Ⅱ 問2(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例 / 採点講評)
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