PMプロジェクトマネージャ試験 午前Ⅱ

平成22年度春期 プロジェクトマネージャ 午前Ⅱ 問11

問題文と選択肢を読んで答えを考えてから、下の「正解と解説を見る」で確認しましょう。

問題

品質の定量評価の指標のうち,ソフトウェアの保守性の評価指標になるものはどれか。

選択肢

  1. ア
    (最終成果物に含まれる誤りの件数)÷(最終成果物の量)
  2. イ
    (修正時間の合計)÷(修正件数)
  3. ウ
    (変更が必要となるソースコードの行数)÷(移植するソースコードの行数)
  4. エ
    (利用者からの改良要求件数)÷(出荷後の経過月数)
解き方のヒントを見る

指標が測る対象を言葉にする

品質特性と評価指標の対応を考えるときは、名称の印象で結び付けず、その指標が何を数え、何を基準に比べているのかを自分の言葉で説明できるかを確かめることが大切です。観点を一つに絞って検討しましょう。

この問題で問われていること

各品質特性がどのような立場や関心から品質を捉えているかと、指標が数えている対象や計測の単位が表す事柄とを照らし合わせ、両者の関心が本当に同じ方向を向いているかを確かめる視点が問われます。

視点

定量評価指標は、何かを数えたり比べたりした結果です。品質特性は、品質をどの関心から見るかという切り口です。指標の名前や語感だけで結び付けると取り違えが起きやすくなります。まず指標を『何を・どんな条件で・何と比べて測っているか』という平易な文に言い直します。そのうえで、その文がどの関心に答える情報なのかを考えると、対応関係を自分の理解で判断しやすくなります。

確認ポイント

  • 登場する指標について、何を数えて何と比べているのかを一文で言い換えられるか確かめる
  • 言い換えた文が、利用者・運用者・開発者など誰のどんな関心に答える情報なのかを考える
  • 用語の語感や名称の似ている部分に頼らず、測定している事柄そのもので対応を判断しているか見直す
正解と解説を見る

正解

イ

解説

ソフトウェアの保守性は、修正や改良をどれだけ容易かつ効率的に実施できるかを示す品質特性です。修正に要した時間を修正件数で割ると、1件当たりの平均修正時間となり、保守作業の負担を定量的に評価できる。

理由

修正時間の合計を修正件数で割った値は、修正1件当たりに必要な平均時間を示します。修正に時間がかかるほど保守作業の負担が大きいと考えられるため、ソフトウェアの保守性を評価する指標になる。

比較

誤りの件数を成果物の量で割る指標は品質の欠陥密度、変更行数を移植行数で割る指標は移植性、改良要求件数を経過月数で割る指標は利用者要求の発生頻度を表します。

選択肢ア

これは不正解だよ。最終成果物に含まれる誤りの件数を成果物の量で割る値は、一定量当たりの誤りの多さを示す欠陥密度に相当する。これは成果物の品質を評価する指標であり、修正作業のしやすさや所要時間を直接表す保守性の指標ではない。

選択肢イ(正解)

これは正解だよ。修正時間の合計を修正件数で割る値は、修正1件当たりの平均修正時間を表す。修正作業に必要な時間が短いかどうかを定量的に把握できるため、ソフトウェアを修正・改良する容易さに関係する保守性の評価指標になる。

選択肢ウ

これは不正解だよ。変更が必要となるソースコードの行数を移植するソースコードの行数で割る値は、移植時に変更を要する割合を表す。これは別環境への移しやすさに関する移植性の指標であり、通常の修正作業の効率を測る保守性の指標ではない。

選択肢エ

これは不正解だよ。利用者からの改良要求件数を出荷後の経過月数で割る値は、一定期間当たりに発生した改良要求の頻度を示す。利用状況や要求の発生状況を把握する指標であり、1件の修正に必要な作業時間や保守の容易さを直接評価するものではない。

学習のポイント

品質指標は、分子と分母の意味から対象となる品質特性を判別する。

出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)平成22年度春期 プロジェクトマネージャ試験 午前Ⅱ 問11(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例)

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