PMプロジェクトマネージャ試験 午前Ⅱ

平成21年度春期 プロジェクトマネージャ 午前Ⅱ 問11

問題文と選択肢を読んで答えを考えてから、下の「正解と解説を見る」で確認しましょう。

問題

要求仕様が明確になっていない場合,納入者側のリスクが最も高くなる契約形態はどれか。

選択肢

  1. ア
    実費償還契約
  2. イ
    タイムアンドマテリアル契約
  3. ウ
    単価契約
  4. エ
    定額契約
解き方のヒントを見る

契約形態とリスク負担の見極め方

要求仕様がどの程度固まっているかによって、代金の決め方と費用超過時の負担者の関係が変わります。個々の契約形態を暗記するより、代金がいつ・何を基準に確定するかを手がかりに、納入者側が抱える不確実性を自分で整理してみましょう。

この問題で問われていること

確認すべき観点は一つ、「作業量や費用が見込みと食い違ったとき、その差額を誰が吸収する仕組みになっているか」です。代金の確定時期と要求仕様の確定度合いを結び付け、各契約形態の性質をこの一点から照らし合わせてください。

視点

システム開発の契約では、成果物の範囲や代金を契約時点でどこまで確定できるかが、要求仕様の明確さに左右されます。代金の決め方によって、見積りの誤差や仕様変更で追加コストが生じた際の扱いが変わります。どの契約形態がどう扱うかを結論として覚えるのではなく、「価格がいつ確定するか」と「費用がどれだけ変動し得るか」の関係を、発注者側・納入者側それぞれの立場から自分で追ってみることが大切です。

確認ポイント

  • 代金が確定するのは契約時点か、作業の実績が判明した後かを確認する
  • 見込みより費用が膨らんだ場合、その超過分が誰の損益に影響するかを考える
  • 要求仕様の確定度合いと代金の確定時期の組合せが、納入者側にとってどのような不確実性を生むかを検討する
正解と解説を見る

正解

エ

解説

要求仕様が明確でないと、必要な作業量や費用を事前に正確に見積もることが難しくなります。定額契約では契約金額が固定されるため、追加作業や費用増加の影響を納入者が負担しやすく、納入者側のリスクが最も高くなります。

理由

定額契約は、契約時に合意した金額で成果物を納入する契約です。要求仕様が不明確な場合、後から必要な作業や修正が増えても、契約金額を増額できないことがあります。そのため、納入者が追加の工数や費用を負担する可能性が高くなります。

比較

実費償還契約、タイムアンドマテリアル契約、単価契約は、実費、作業時間・材料、作業量当たりの単価などに応じて支払額が変動しやすい契約形態です。仕様が曖昧でも、発生した費用や作業量を反映しやすいため、納入者の負担リスクは定額契約より抑えられます。

選択肢ア

これは不正解だよ。実費償還契約は、納入者が実際に支出した費用を基準に発注者が支払う契約形態です。要求仕様が不明確で作業量や費用が増加しても、その実費が契約上の支払額に反映されやすいため、納入者が増加分を全面的に負担する形ではありません。

選択肢イ

これは不正解だよ。タイムアンドマテリアル契約は、作業時間などの労務費と、使用した材料費などを基準に支払額を算定します。仕様が変化して作業時間や材料が増えた場合も、一定の範囲でその分が金額に反映されるため、納入者側の費用リスクは相対的に小さくなります。

選択肢ウ

これは不正解だよ。単価契約は、作業量や数量などの単位当たりの価格を定め、実際の数量に応じて契約金額を計算する契約形態です。要求仕様が明確でなく作業数量が変動しても、数量に応じて支払額が変わるため、納入者が増加費用をすべて負担するとは限りません。

選択肢エ(正解)

これは正解だよ。定額契約は、作業に必要な実際の工数や費用が変動しても、原則として契約時に定めた金額で納入する契約形態です。要求仕様が明確でないと追加作業や費用増加が発生しやすく、その増加分を契約金額へ反映できない場合に納入者が負担するため、リスクが最も高くなります。

学習のポイント

契約金額の固定性と、仕様不明確による追加費用の負担者を結び付けて覚えましょう。

出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)平成21年度春期 プロジェクトマネージャ試験 午前Ⅱ 問11(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例)

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