PMプロジェクトマネージャ試験 午前Ⅰ
平成27年度春期 プロジェクトマネージャ 午前Ⅰ 問30
問題文と選択肢を読んで答えを考えてから、下の「正解と解説を見る」で確認しましょう。
問題
選択肢
- アA社
- イB社
- ウC社
- エD社員
解き方のヒントを見る
多段階委託の関係整理に着目する
発注元から複数の事業者へ作業が引き継がれる場面では、各当事者の立場と取り決めの有無を段階ごとに書き出して整理することが検討の出発点になります。条文や原則を当てはめる前に、状況そのものを正確に把握しましょう。
この問題で問われていること
問われているのは、関係する当事者が複数いる状況で権利がどこに属するかという判断です。どの当事者間にどんな約束が存在し、どの当事者間には存在しないのかを区別して読み取れているかが要になります。
視点
著作権の帰属を考える場面には、依頼した側、作業した側、当事者どうしの合意内容など、複数の要素が登場します。これらを混同せずに当事者ごとに線を引いて関係図を描くと、学習した考え方をどの部分に当てはめるべきかを落ち着いて照らし合わせやすくなります。
確認ポイント
- 登場する当事者を全員挙げ、依頼の流れを順番に並べて整理できたか
- 各当事者間の取り決めについて、記述されている内容と記述されていない内容を区別できたか
- 自分が学んだ帰属の考え方を、整理した関係図のどの部分に当てはめるかを確認したか
正解と解説を見る
正解
ウ
解説
取決めがない請負型の委託では、著作権は発注者に移りません。実際に開発したC社では、D社員が職務として作ったので職務著作が成り立ち、著作権は法人のC社に帰属します。
理由
著作権は著作物を作った人(著作者)に生じ、開発を委託しただけでは委託元に移りません。この問題ではA社→B社→C社と委託が続いていますが、設計・プログラミング・テストはC社が行いました。C社ではD社員が職務として作業しており、法人の発意に基づき従業員が職務上作ったプログラムで、勤務規則などに別の定めがなければ、職務著作として法人のC社が著作者になります。著作権の帰属について特段の取決めもないので、権利はC社に残ります。
比較
A社とB社は発注・委託した側です。B社は要件定義を行いましたが、仕様やアイデアを決めることはプログラムの表現を作ることとは違い、どちらも著作者にはなりません。D社員は実際に作業した個人ですが、職務著作が成り立つため、個人ではなくC社が著作者になります。もし契約で譲渡の取決めがあれば結論は変わりますが、この問題ではそれを否定する条件が付いています。
選択肢ア
これは不正解だよ。A社は開発をB社に委託した最初の発注者で、プログラムを自分で作ってはいないよ。代金を払って開発を依頼しただけでは著作権は移らず、移すには譲渡などの取決めが必要なんだ。この問題では特段の取決めがないので、A社には帰属しないよ。
選択肢イ
これは不正解だよ。B社は要件定義を行ったけれど、設計・プログラミング・テストはC社に再委託しているよ。要件定義は仕様やアイデアを決める作業で、プログラムの表現を作ることとは違うんだ。C社から権利を移す取決めもないので、B社には帰属しないよ。
選択肢ウ(正解)
これは正解だよ。C社はB社から設計・プログラミング・テストを請け負い、自社のD社員に職務として作業させたよ。法人の発意に基づき従業員が職務上作ったプログラムで、別の定めがなければ職務著作となり、C社が著作者になるんだ。委託元へ移す取決めもないので、著作権はC社に帰属するよ。
選択肢エ
これは不正解だよ。D社員は実際に作業した個人だけれど、C社の従業員として職務上プログラムを作っているよ。このような場合、勤務規則などで別の定めがなければ職務著作が成り立ち、著作者は個人ではなく法人のC社になるんだ。だからD社員には帰属しないよ。
学習のポイント
委託開発で権利が発注者に移らないことと、従業員が作った場合の職務著作を組み合わせて判断することです。
出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)平成27年度春期 プロジェクトマネージャ試験 午前Ⅰ 問30(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例)
関連する過去問一覧
IPA Advancedは非公式の学習サイトです。解説にはAIによる補助生成を含む場合があります。公式の問題冊子・解答例・採点講評を優先し、誤りは確認後に訂正します。運営・編集方針