NWネットワークスペシャリスト試験 午前Ⅱ

令和7年度春期 ネットワークスペシャリスト 午前Ⅱ 問17

問題文と選択肢を読んで答えを考えてから、下の「正解と解説を見る」で確認しましょう。

問題

テンペスト攻撃の説明とその対策として,適切なものはどれか。

選択肢

  1. ア
    通信路の途中でパケットの内容を改ざんする攻撃であり,その対策としては,デジタル署名を利用して改ざんを検知する。
  2. イ
    ディスプレイなどから放射される電磁波を傍受し,表示内容を解析する攻撃であり,その対策としては,電磁波を遮蔽する。
  3. ウ
    マクロマルウェアを使う攻撃であり,その対策としては,マルウェア対策ソフトを導入し,最新のマルウェア定義ファイルを適用する。
  4. エ
    無線LANの信号を傍受し,通信内容を解析する攻撃であり,その対策としては,通信パケットを暗号化する。
解き方のヒントを見る

攻撃の狙いと対策の効く場所を結ぶ

攻撃手法と対策の対応を考えるときは、名称の印象ではなく、その攻撃が何を足掛かりに成立するのかを先に整理し、対策がその足掛かりを実際に断つものかどうかを一つずつ照らし合わせることが大切です。

この問題で問われていること

問われているのは用語の暗記よりも、攻撃側がどの弱点や前提条件を利用しているかと、防御側の対策がどの時点・どの要素に作用するかの対応関係を、自分の言葉で説明できるかどうかという点です。

視点

どの攻撃も、何かの前提が満たされたときに初めて成立します。前提には、利用者の行動、仕組みの設計上の隙、設定や運用の不備などがあります。一方、対策にはそれぞれ効く範囲があります。攻撃の前提を崩す対策もあれば、被害を小さくするだけの対策もあります。そのため、一般に有効とされる対策でも、別の前提で成り立つ攻撃には効かないことがあります。名前が似ている、印象が近いといった理由で結び付けず、『この攻撃はどこを突くか』と『この対策はどこを守るか』が重なるかを基準に判断してください。

確認ポイント

  • その攻撃が成立するために必要な前提や弱点が何かを、自分の言葉で一文にまとめられるか
  • 検討している対策が、攻撃の前提そのものを断つのか、成立後の影響を抑えるだけなのかを区別できているか
  • 名称や言葉の響きの近さではなく、攻撃が突く箇所と対策が守る箇所が一致しているかで対応を判断しているか
正解と解説を見る

正解

イ

解説

テンペスト攻撃は,ディスプレイなどの機器から意図せず放射される電磁波を傍受し,表示内容を推測・解析する攻撃です。対策として電磁波の遮蔽が有効です。

理由

テンペスト攻撃では,ディスプレイなどから放射される電磁波を外部から傍受し,画面に表示された情報を解析する。したがって,電磁波を遮蔽して放射や傍受を抑える対策が対応する。

比較

通信路上の改ざん,マクロマルウェア,無線LAN通信の傍受はそれぞれ別の攻撃です。デジタル署名,マルウェア対策ソフト,通信の暗号化は各攻撃への対策だが,テンペスト攻撃そのものの説明にはならない。

選択肢ア

これは不正解だよ。通信路の途中でパケット内容を改ざんする攻撃は,通信経路上で情報を書き換える攻撃である。デジタル署名による改ざん検知という対策との対応は妥当だが,機器から放射される電磁波を利用するテンペスト攻撃の説明ではない。

選択肢イ(正解)

これは正解だよ。テンペスト攻撃は,ディスプレイなどから放射される電磁波を傍受し,表示内容を解析する攻撃である。通信パケットそのものではなく,機器から漏れる電磁波が対象なので,電磁波を遮蔽する対策が適切である。

選択肢ウ

これは不正解だよ。マクロマルウェアを使う攻撃は,文書などに含まれるマクロを悪用して端末上で不正な処理を実行させる攻撃である。マルウェア対策ソフトや定義ファイル更新はその対策だが,電磁波の傍受を利用する攻撃ではない。

選択肢エ

これは不正解だよ。無線LANの信号を傍受して通信内容を解析する攻撃は,無線通信を盗聴する攻撃である。通信パケットの暗号化はその対策として適切だが,テンペスト攻撃が対象とする機器からの電磁波放射とは異なる。

学習のポイント

通信データへの攻撃と,機器から漏れる電磁波を利用する攻撃を区別して覚える。

出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)令和7年度春期 ネットワークスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問17(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例)

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