NWネットワークスペシャリスト試験 午後Ⅰ
令和6年度春期 ネットワークスペシャリスト 午後Ⅰ 問3
事例を読んで設問の答えを考えてから、解説のポイントとIPA公式の解答例・採点講評で確認しましょう。
問題




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通信経路を整理する観点
接続制御と通信経路を考えるときは、通信の目的、通過する境界、設定が適用される位置の関係に注目し、用語の印象だけで判断せず全体の流れを順序立てて確認することが大切です。
この問題で問われていること
通信が開始されてから相手に届くまでの流れを頭の中で描き、どの設定がどの区間や境界に関係するのかを対応づけて考える点に絞って確認しましょう。
視点
通信の流れを区間ごとに分け、接続を成立させる条件と、経路上で関係する設定の位置を整理して考えます。
確認ポイント
- 通信の開始から到達までを区間に分けているか
- 各設定が関係する場所を対応づけているか
- 用語ではなく通信全体の流れを基準に確認しているか
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解説
本問は、各支社からSaaS通信を直接インターネットへ出すローカルブレイクアウトを題材に、IPsec VPN、PAC、WPADの基本知識と通信負荷・セキュリティへの影響を問う。
問題の全体像
A社は本社をハブ、各支社をスポークとするVPNで接続し、従来は本社のプロキシサーバでインターネット通信を中継している。C社SaaSへの通信だけを各支社から直接インターネットへ出すことで、本社側の通信負荷を軽減しようとしている。本問では、その前提となるIPsec VPNの構成・暗号化・インタフェース設定、PACによるプロキシ選択、WPADの仕組みと脅威を確認する。
設問1(1)
本社を中心に各支社が接続する構成と本文に明記されているため、VPNの形はハブアンドスポークとなる。公式解答例も「ハブアンドスポーク」としている。
設問1(2)
本社UTMと各支社UTMのペアが、IPsecで暗号化するために同じ鍵を共有している。このような事前に共有しておく鍵を、公式解答例では「事前共有鍵」としている。
設問1(3)
鍵をペアごとに異なる値にすると、あるペアの鍵が漏えいしても、その鍵を使う通信関係に影響が限定される。したがって、25字以内では「鍵が漏えいした際の影響範囲を小さくできる。」という効果を押さえる。
設問1(4)
図2では、トンネルモードの外側に新しいIPヘッダーが付き、元のIPパケット全体とESPトレーラが暗号化対象になる。図中の字句で、公式解答例は「IPヘッダー,元のIPパケット,ESPトレーラ」としている。
設問1(5)
IP Unnumberedは、トンネル用インタフェース自体に独立したIPアドレスを割り当てずに運用する設定です。指定された字句を用い、公式解答例の「インタフェースにIPアドレスの割当てを行わない設定」に相当する内容を30字以内で書く。
設問1(6)
IPフラグメント処理はUTMが分割されたパケットを処理する負荷を増やす。したがって、10字以内では公式解答例の「転送負荷の増大」を答える。
設問2(1)
DMZのWebサーバはA社内部のサーバであり、図4の(b)の条件ではプライベートIPアドレスや社内利用ドメイン名への通信をDIRECTとしている。そのためプロキシサーバは「利用しない」。
設問2(2)
www.example.comはインターネット上の宛先で、C社SaaSのドメインにも該当しない。図4の(c)に該当しない通信は(d)で本社プロキシへ送られるため、公式解答例は「proxy.a-sha.jp」としている。
設問2(3)
172.16.0.0にマスク255.240.0.0を適用すると、先頭オクテット172、次のオクテットは16から31までの範囲になる。したがって最初は172.16.0.0、最後は172.31.255.255です。
設問2(4)
プライベートIPアドレスの宛先は社内やVPN内の通信であり、これを本社プロキシへ送らずDIRECTにすると、本社プロキシを経由する通信量を減らせる。公式解答例は「本社のプロキシサーバの負荷軽減」としている。
設問2(5)
PACの(c)では支社ごとのUTMプロキシサーバを指定する。支社ごとにUTMプロキシサーバのFQDNが異なるため、同じPACファイルを共用できず、支社ごとに用意する必要がある。
設問3(1)(イ)
WPADがPACファイルの場所を配布する際、PCのネットワーク設定を提供するDHCPの機能を利用できる。公式解答例は「DHCP」としている。
設問3(1)(ウ)
WPADでは、ホスト名に対応する情報からPACファイルの場所を知らせるため、DNSの機能も利用する。公式解答例は「DNS」としている。
設問3(1)(エ)
PCやブラウザがPACファイルをサーバから取得する際に使うアプリケーションレイヤープロトコルはHTTPです。公式解答例は「HTTP」としている。
設問3(1)(オ)
WPADを利用せず、PACファイルの場所をPCやWebブラウザへ直接設定する。設定する対象はPACファイルのURLであり、公式解答例は「URL」としている。
設問3(2)
WPADの自動検出で悪意のあるDHCPサーバやDNSサーバを参照すると、攻撃者が用意したPACファイルを取得する可能性がある。その結果、通信が不正なプロキシサーバへ中継される。公式解答例は「不正なプロキシサーバに中継される。」としている。
学習のポイント
IPsecの構造とPAC・WPADによるプロキシ制御を、図と本文の通信経路に結び付けて理解する。
出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)令和6年度春期 ネットワークスペシャリスト試験 午後Ⅰ 問3(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例 / 採点講評)
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