NWネットワークスペシャリスト試験 午後Ⅰ
令和元年度秋期 ネットワークスペシャリスト 午後Ⅰ 問2
事例を読んで設問の答えを考えてから、解説のポイントとIPA公式の解答例・採点講評で確認しましょう。
問題




解き方のヒントを見る
構成要素の役割を切り分ける視点
各選択肢を読むときは、名称や配置の印象で判断せず、利用者から要求が届いて結果が返るまでのどの責任範囲を説明しているかに注目し、役割の境界を整理しましょう。通信そのものと処理の担当を混同しないことが重要です。
この問題で問われていること
確認する観点を「要求の受け渡しに関わる責任の境界」に絞り、各記述が示す対象・担当する仕事・次に連携する相手を同じ基準で見比べて、説明の対応関係を整理してください。
視点
システムを読む際は、構成要素を単独の用語として覚えるのではなく、全体の流れの中でどの責任を受け持つ単位として置かれているかを捉えます。通信に関する記述も、処理内容との境界を分けて整理すると、説明同士の対応を比較しやすくなります。
確認ポイント
- 要求から結果までを、担当の切り替わりごとに区切って読む
- 各記述の主語と責任範囲が一致しているか確認する
- 通信の経路と処理の担当を同じ意味として扱っていないか見直す
正解と解説を見る
解説
本問は、既存WebシステムへSaaS型WAFとLBを導入する際の通信経路を題材に、DNS、FW、HTTPヘッダ、負荷分散、障害時切替を問う問題です。
問題の全体像
A社は、アクセス増加への対応としてWebサーバを増設し、LBで負荷分散する。また、WebAP攻撃対策として、利用者とWebシステムの間にT社のWAFサービスを配置する。WAFはHTTPSを復号して検査し、許可した要求をXFFヘッダ付きでWebシステムへ転送するため、DNS、FW、WebAP、LBの設定を通信経路に合わせて変更する必要がある。さらに、WAF停止時には直接接続へ切り替えられる設計も求められている。
設問1
CNAME方式では、A社DNSサーバのshopレコードがT社WAFサービスのFQDNを参照する。したがって、T社がWAFの接続先IPアドレスであるIP-w1を変更しても、A社はDNSレコードのRDATAを変更する必要がない。公式解答例も、このDNS管理作業が不要になる点を利点としている。45字以内なので、IP-w1の変更とA社DNSサーバの変更不要という二つの要素に絞る。
設問2(1)(ア)
ラウンドロビン方式は、複数のWebサーバへ要求を順番に割り当てる方式です。したがって、空欄は「順番」となる。
設問2(1)(イ)
LBとWebサーバ間ではHTTPを使用するため、表1のHTTPリクエストの宛先ポートはHTTPのウェルノウンポート番号である80となる。
設問2(1)(ウ)
レイヤ7方式の死活監視では、指定したパスへのHTTP要求に対する成功応答を確認する。HTTPの成功を示すステータスコードとして、公式解答例は200としている。
設問2(1)(エ)
LBがHTTPレスポンスにセッションIDを設定し、ブラウザへCookieとして保存させるため、使用するレスポンスヘッダはSet-Cookieです。
設問2(1)(オ)
ブラウザが次回のHTTPリクエストで保存済みのセッションIDを送る際に用いるリクエストヘッダはCookieです。
設問2(2)
WAFを経由すると、LBが受け取るHTTPリクエストの送信元IPアドレスは利用者のIPアドレスではなく、WAFのIP-w2になる。送信元IPアドレス方式でセッション維持を行うと、同じWAF経由の要求が特定のWebサーバに偏るため、公式解答例は「負荷が偏る」としている。
設問2(3)
TLSアクセラレーションによってLBでHTTPSを終端し、LBとWebサーバ間をHTTPにする。これにより、LBは暗号化されたままでは扱いにくいHTTPヘッダを編集できる。したがって、③の処理は「HTTPヘッダを編集する処理」です。
設問3(1)(カ)
WAF停止時には、利用者からWebシステムへ直接HTTPS通信させる必要がある。その通信の入口で許可・遮断を行う機器はFWであり、図3のDNSサーバ以外という条件にも合う。
設問3(1)(変更内容)
通常時はFWがWAFからの通信だけを許可するが、WAF停止時には利用者からの直接通信を許可する必要がある。公式解答例は、送信元を限定せず、任意のIPアドレスからWebシステムへのHTTPS通信を許可する内容としている。
設問3(2)
WAFを経由しない場合、shop名をWAFのFQDNへ向けるCNAMEから、Webシステム側のグローバルIPアドレスへ向けるAレコードに変更する。したがって、公式解答例の資源レコードは「shop IN A 199.α.β.2」です。
設問3(3)
WAF経由時はWAFがXFFヘッダへ利用者の送信元IPアドレスを追加するが、直接接続時はその処理がない。WAFの有無にかかわらず同じ形式でログを記録するため、LBにXFFヘッダへ送信元IPアドレスを追加する設定を行う。
学習のポイント
通信経路を図と本文から復元し、各機器の設定変更理由まで説明する力を養う。
出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)令和元年度秋期 ネットワークスペシャリスト試験 午後Ⅰ 問2(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例 / 採点講評)
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