NWネットワークスペシャリスト試験 午後Ⅰ
平成27年度秋期 ネットワークスペシャリスト 午後Ⅰ 問1
事例を読んで設問の答えを考えてから、解説のポイントとIPA公式の解答例・採点講評で確認しましょう。
問題



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認証処理と負荷分散の着眼点
選択肢を比べるときは、認証を成立させるための役割分担と、複数の処理先へ要求を振り分ける設計を混同せず、両者の関係を一つの観点から整理して丁寧に見ます。
この問題で問われていること
焦点は、利用者の認証要求がどの構成要素を経由し、負荷分散の対象と対象外がどこに分かれるかを、処理の責務と要求の流れに沿って確認することです。この視点を保ちます。
視点
認証に関わる役割、要求の流れ、処理を受け持つ単位を切り分け、構成要素同士の依存関係と、負荷を分散する対象の範囲を同じ基準で照らし合わせます。
確認ポイント
- 認証要求の開始点と到達先を、構成要素の役割に沿って追う
- 負荷分散の対象が、認証処理そのものか周辺処理かを区別する
- 説明に現れる前提条件と処理の順序が、全体の構成と矛盾しないか確かめる
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解説
本問は、Cookieを利用したエージェント方式のSSO認証と、DSR方式によるSSOサーバの負荷分散を題材に、HTTP通信、DNS、Cookie属性、VIP、ARPの知識を総合的に確認する問題です。
問題の全体像
A社は複数のWebアプリケーションで個別に行っていた認証を共通化するため、営業システムと広告システムにSSOを試験導入する。本文では、エージェント方式の認証処理、Cookieの共有範囲と漏えい対策、さらにLBによるSSOサーバのDSR方式負荷分散を扱っている。出題の狙いは、アプリケーション層のSSOと、パケットレベルの負荷分散・VIP・ARPを一連の通信として理解しているかを確認することです。
設問1(ア)
エージェント方式は各Webサーバにソフトウェアを導入する方式であり、対比されるのはSSOサーバが通信を中継する方式です。本文の「SSOサーバにおいて全ての通信の中継を行う」という説明から、公式解答例の「リバースプロキシ」が入る。
設問1(イ)
アクセスチケットがない場合、Webアプリケーションサーバが認証処理へ利用者を送り、認証後は元のサービス要求へ戻す。HTTPでこのように別のURLへ誘導する操作は「リダイレクト」であるため、両方の空欄に同じ語が入る。
設問1(ウ)
SSOサーバは認証後、アクセスチケットをCookieに含めてPCへ返す。HTTP応答でCookieを設定するヘッダフィールドは「Set-Cookie」なので、本文のヘッダ名としてこれを答える。
設問1(エ)
PCからsso.a-sha.example.jpへの名前解決結果をLBのVIPアドレスにする必要がある。図1には内部DNSサーバがあり、社内利用の名前解決を担うため、設定先は「内部DNS」サーバとなる。
設問1(オ)
DSRでは転送されたパケットの宛先がVIPアドレスのままなので、SSOサーバ自身がVIP宛てのパケットを受信できる必要がある。サーバにVIPを設定するインタフェースとして、公式解答例の「ループバック」が入る。
設問2
図2の⑤では、SSOサーバが認証成功後にアクセスチケットをCookieへ含めてPCへ返している。この時点でPCがチケットを取得し、その後の⑥でWebアプリケーションサーバがチケットをSSOサーバに確認させるため、答えは⑤です。
設問3(1)
営業サーバと広告サーバの両方で同じCookieを利用するには、個別のホスト名ではなく共通の上位ドメインをDomain属性に指定する。表1のホスト名はいずれもa-sha.example.jp配下なので、設定値は「a-sha.example.jp」となる。
設問3(2)
全ページをSSL/TLS化しても、Cookie自体がHTTP通信で送信される可能性が残る。Cookie発行時にSecure属性を付ければ、ブラウザはHTTPS通信時だけCookieを送信するため、公式解答例の「CookieにSecure属性を付ける」となる。25字以内では、この属性名と付与する対策を簡潔に書く。
設問4(1)
DSRの振り分け先はTCPコネクション確立のためのSYNパケット到着時に決定される。SYNはTCP接続開始用で、Cookieのようなレイヤ7情報を含まないため、Cookieなどを基準に選定できない。30字以内では「SYNパケットにはレイヤ7情報が含まれていないから」という因果を押さえる。
設問4(2)
LB再起動時などにIPアドレスの重複を検知するため、IPアドレスの所有を周囲へ通知するARPが用いられる。公式解答例では名称を「Gratuitous ARP」とし、「GARP」も示されている。
設問4(3)
VIPはLBが使用する仮想アドレスであり、SSOサーバがARP応答するとLBとの重複が発生する。そのため、SSOサーバではVIPアドレスに対するARPリクエストへ応答しないよう設定する。40字以内では、VIP宛てARPへの非応答という対処を明記する。
学習のポイント
SSOの認証シーケンスと、DSRでVIPを扱うためのARP設定を重点的に学ぶ。
出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)平成27年度秋期 ネットワークスペシャリスト試験 午後Ⅰ 問1(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例 / 採点講評)
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