NWネットワークスペシャリスト試験 午前Ⅱ

平成25年度秋期 ネットワークスペシャリスト 午前Ⅱ 問24

問題文と選択肢を読んで答えを考えてから、下の「正解と解説を見る」で確認しましょう。

問題

1台のCPUの性能を1とするとき,そのCPUをn台用いたマルチプロセッサの性能Pが,P=n/{1+(n-1)a}で表されるとする。ここで,aはオーバヘッドを表す定数である。例えば,a=0.1,n=4とすると,P≒3なので,4台のCPUから成るマルチプロセッサの性能は約3になる。この式で表されるマルチプロセッサの性能には上限があり,nを幾ら大きくしてもPはある値以上には大きくならない。a=0.1の場合,Pの上限は幾らか。
マルチプロセッサの性能式P=n/{1+(n-1)a}。
マルチプロセッサの性能式P=n/{1+(n-1)a}。

選択肢

  1. ア
    5
  2. イ
    10
  3. ウ
    15
  4. エ
    20
解き方のヒントを見る

性能上限と負荷の見方の整理

並列化による改善を考えるときは、処理を分担できる部分だけでなく、分担の準備や調整に伴う負担も同じ視点で確認します。理想化した伸びと実際の伸びを分けて捉えることが大切です。

この問題で問われていること

この問題では、並列に動かせる割合そのものよりも、処理規模や並列度が変わったときに、共有・同期・分割などの負担が性能全体へどう影響し得るかという関係に注目してください。条件を一つずつ切り分けて考えましょう。

視点

性能評価では、作業を複数へ分けられる部分、分けにくい部分、分担を成立させるための追加作業を区別して整理します。条件が変化した際に、どの要素が支配的になり得るかを考えると、上限と実効性の関係を捉えやすくなります。

確認ポイント

  • 並列化できない処理が全体の伸びに与える制約を確認する
  • 分割・同期・通信などの追加負担が条件で変わるかを見る
  • 理想的な性能向上と実際に得られる向上を区別して考える
正解と解説を見る

正解

イ

解説

nを限りなく大きくすると、式の分子と分母に含まれるnの増加分を比較できる。分子と分母をnで割ると、1/nの項は0に近づき、分母にはオーバヘッド定数aだけが残る。したがって上限は1/aであり、a=0.1では10となる。

理由

P=n/{1+(n-1)a}において、分子と分母をnで割ると、P=1/{1/n+(1-1/n)a}と変形できる。nを限りなく大きくすると1/nは0に近づくため、Pの上限は1/aになる。a=0.1なので、1/0.1=10です。単位は1台のCPUの性能を1とした相対性能です。

比較

選択肢の数値は、与えられたオーバヘッドa=0.1の条件で得られる上限と比較する。上限の式は1/aであり、CPU台数nをどれだけ増やしても、この条件ではその値を超えない。したがって、10だけが問題文の条件と一致する。

選択肢ア

これは不正解だよ。性能の上限は、与えられた式から1/aとして求められるため、a=0.1では相対性能10になる。5はこの条件から得られる上限ではなく、もし同じ形の上限式だけに対応させればa=0.2の場合の値であり、問題文のオーバヘッド条件と一致しない。

選択肢イ(正解)

これは正解だよ。式をnで割ると、nを限りなく大きくしたときの上限は1/aになる。a=0.1を代入すると、1/0.1=10となる。これは1台のCPUの性能を1とした相対性能であり、問題文の条件と単位にも一致している。

選択肢ウ

これは不正解だよ。問題文の条件では、nを大きくした場合の上限は1/a=1/0.1=10である。15はその上限と一致しない。上限の関係だけから逆算するとa=1/15の場合に対応する値だが、そのようなオーバヘッド条件は問題文に示されていない。

選択肢エ

これは不正解だよ。与えられた性能式の上限は1/aであり、a=0.1では相対性能10になる。20は公式の条件から得られる値ではない。上限の関係に対応するオーバヘッドを逆算すればa=0.05だが、問題文のa=0.1とは異なるため選べない。

学習のポイント

性能式の極限を求め、オーバヘッドによる上限を理解する。

出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)平成25年度秋期 ネットワークスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問24(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例)

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