NWネットワークスペシャリスト試験 午後Ⅰ
平成24年度秋期 ネットワークスペシャリスト 午後Ⅰ 問1
事例を読んで設問の答えを考えてから、解説のポイントとIPA公式の解答例・採点講評で確認しましょう。
問題


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DNS分散構成を考える視点
DNSを使ったWebアクセス分散と冗長化を考えるときは、利用者から見た名前解決後の経路と、障害時にどの構成要素へ到達できるかを一つの流れとして整理しましょう。
この問題で問われていること
確認する観点は、通常時と一部障害時で、名前解決の結果から実際の接続先までの経路がどう変わるかです。役割の重なりや前提条件も同じ図で見比べます。
視点
構成を読む際は、名前解決、接続先の選択、サービス提供箇所、障害時の切替という役割を分け、各段階の関係を時系列に並べて整理します。個別方式の細部より、経路全体の一貫性に注目しましょう。
確認ポイント
- 通常時に、利用者の要求がどの段階を経てサービスへ届く想定かを確認する。
- 一部の構成要素が利用できない場合、残る経路が成立する前提を確認する。
- 分散と冗長化の役割が混同されていないか、構成図の各要素を照合する。
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解説
複数データセンタにWebサーバを分散し、DNSとSLB-Mを連携させて、負荷状況に応じたアクセス分散と障害時のサービス継続を実現する問題です。
問題の全体像
J社はWebサーバをDC-Cだけで運用していたが、利用者増加への対応と事業継続のため、DC-Dにも設備を配置する。単純なDNSラウンドロビンでは、サーバ負荷に応じた分散や故障時の切替ができないため、負荷情報・セッション情報を収集するSLB-MをDNSとして動作させる新方式を検討している。設問では、DNSの基本用語、ラウンドロビン方式の限界、SLB-Mによる動的な振分けと冗長化が問われている。
設問1(ア)
DNS-PからDNS-Sへリソースレコードを転送して同期するとある。これはDNSゾーンの転送なので、公式解答例は「ゾーン」としている。単なる一般的なデータ転送ではなく、DNSの同期対象を表す用語に着目する。
設問1(イ)
長期間または復旧不能なサービス停止による利益損失を防ぐ目的で、別データセンタにもサーバを設置している。この目的は事業を継続できるようにすることなので、公式解答例は「事業継続」としている。
設問1(ウ)
FQDNに対応する複数のIPアドレスをDNS-Pに登録する記述です。ホスト名からIPv4アドレスを対応付けるDNSレコードはAレコードなので、公式解答例は「A」としている。
設問1(エ)
DNS-PまたはDNS-Sが、WebサイトのドメインについてDC-CとDC-DのSLB-Mを応答するとある。ドメインの正式な情報を管理するDNSサーバは権威DNSサーバなので、公式解答例は「権威」としている。
設問2(1)(a)
DC-Cの処理能力は約70、000セッション/秒で、全体の7割に対応する。したがって、10個のIPアドレスのうち7個を設定するSLBはDC-Cであり、公式解答例も「DC-C」としている。
設問2(1)(b)
DC-Dの処理能力は約30、000セッション/秒で、全体の3割に対応する。したがって、残り3個のIPアドレスを設定するSLBはDC-Dであり、公式解答例も「DC-D」としている。
設問2(2)
要件には、一方のデータセンタにアクセスできない場合、他方へ切り替えるとある。DNS-SをDC-Dに置けば、DC-Cが障害になってもDNS-Sを利用してDC-Dでサービスを提供できる。この目的を40字以内で、DC-C障害時・DNS-S利用・DC-Dでのサービス継続という要素に絞って書く。
設問2(3)
DNSラウンドロビンは、登録されたIPアドレスを順番に返してWebアクセス数を分散する方式です。一方、Webアクセス数と各Webサーバの負荷は比例するとは限らないため、アクセス数を均等にしても負荷に応じた分散にはならない。公式解答例はこの非比例関係を理由としている。
設問2(4)
故障したデータセンタのIPアドレスをDNSが返し続けると、アクセスが継続してしまう。したがって故障時には、故障データセンタの仮想サーバIPアドレスに対応するAレコードをDNSから削除する。40字以内では、対象が故障データセンタの仮想サーバであることとAレコード削除を明記する。
設問3(1)
新方式ではSLB-MをWebサイトのドメインのDNSサーバとして動作させる。本文のDNS-P設定変更とは、サブドメインの名前解決をSLB-Mへ任せる設定であり、公式解答例は「SLB-MにWebサイトのドメインの権限を委譲する」としている。
設問3(2)(a)
SLB-M間で負荷情報やセッション情報を共有する設計なので、情報量の多い通信がデータセンタ間のインターネット接続回線を流れる。その結果として懸念される事象は回線の帯域圧迫であり、20字以内ではこの因果関係を簡潔に示す。
設問3(2)(b)
SLB-M間の情報共有によって回線帯域が圧迫されると、WebブラウザとWebサーバ間の通信にも影響が及ぶ。公式解答例では、Webサーバへのアクセス遅延を挙げているため、結果として通信が遅くなる事象を書く。
設問3(3)
処理手順(4)では、SLB-MがWebサーバの負荷情報とセッション情報を基に最適なIPアドレスを選ぶ。負荷情報の具体例として、公式解答例はWebサーバの応答時間とWebサーバのデータ通信量を挙げている。設問は二つなので、これらをそのまま具体的に示す。
設問3(4)
既存セッションがある場合は、別のサーバへ振り分けるとセッションを維持できない。したがって、接続先はそのWebブラウザのセッションを既に保持しているWebサーバです。公式解答例もこのセッション維持を条件としている。
学習のポイント
DNSの基本用語と、負荷分散・冗長化を要件に対応付けて説明する力を身につける。
出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)平成24年度秋期 ネットワークスペシャリスト試験 午後Ⅰ 問1(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例 / 採点講評)
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