NWネットワークスペシャリスト試験 午前Ⅱ

平成24年度秋期 ネットワークスペシャリスト 午前Ⅱ 問5

問題文と選択肢を読んで答えを考えてから、下の「正解と解説を見る」で確認しましょう。

問題

ADSLの上りの伝送速度が下りよりも遅くなっていることの説明として,適切なものはどれか。

選択肢

  1. ア
    ISDNとの干渉を防止するためである。
  2. イ
    加入者宅のADSLモデムとその対向先であるADSL集合モデムとの間を流れるATMセル仕様で制限されているからである。
  3. ウ
    通信事業者やインターネットサービスプロバイダ側でセキュリティチェックを行うからである。
  4. エ
    上りの変調周波数帯域が,下りの変調周波数帯域と比べて狭いからである。
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用語の定義と説明の対応を確かめる

ネットワーク分野の用語を比べるときは、名称の印象だけで判断せず、各説明が示す対象・役割・利用場面の範囲を同じ基準で読み取り、定義の中心と周辺的な特徴を分けて整理しましょう。

この問題で問われていること

一つの観点として、用語の「役割と適用範囲」の対応に注目します。説明に含まれる主語、対象、目的、前提条件を拾い、用語の定義そのものと、状況に応じて変わる補足的な説明を区別して確認してください。

視点

用語と説明を照合する際は、まず説明を対象・役割・目的・条件に分解し、用語が一般概念を指すのか、特定の仕組みや場面を指すのかを整理します。そのうえで、説明の範囲が広すぎたり狭すぎたりしないかを確認し、似た語の境界を丁寧に見比べます。

確認ポイント

  • 説明の主語と対象が何を指しているかを確認する
  • 用語が示す役割と利用場面の範囲を整理する
  • 定義の中心と補足的な特徴を分けて読む
正解と解説を見る

正解

エ

解説

ADSLは利用者から通信事業者側へ送る上りより、通信事業者側から利用者へ送る下りを重視した周波数帯域設計になっている。上りに割り当てられた変調周波数帯域が狭いため、上りの伝送速度は下りより遅くなる。

理由

ADSLでは、電話音声や上り通信、下り通信に異なる周波数帯域を割り当てる。一般に下り通信を大容量にする設計のため、上りの変調に利用できる帯域は下りより狭くなり、その結果として上りの伝送速度が低くなる。

比較

この速度差は、ISDNとの干渉回避そのもの、ATMセル仕様、通信事業者やプロバイダのセキュリティチェックによって生じるものではありません。ADSLの伝送方式における周波数帯域の割当てが直接の理由です。

選択肢ア

これは不正解だよ。ADSLではISDNとの干渉を考慮した周波数配置が行われるが、上りの伝送速度が下りより遅い直接の理由を、ISDNとの干渉防止だけで説明することはできない。速度差の主因は、上りと下りに割り当てられた変調周波数帯域の広さの違いである。

選択肢イ

これは不正解だよ。加入者宅のADSLモデムとADSL集合モデムの間ではATMセルが伝送されるが、ATMセル仕様が上りと下りの速度差を決めているわけではない。ADSLでは、方向ごとに異なる周波数帯域を割り当てる物理的な設計によって伝送速度が異なる。

選択肢ウ

これは不正解だよ。通信事業者やインターネットサービスプロバイダ側のセキュリティチェックは、通信内容の確認や防御に関する処理であり、ADSLの上り信号に割り当てられた伝送帯域を狭くする仕組みではない。速度差はセキュリティ処理ではなく、変調方式の帯域設計による。

選択肢エ(正解)

これは正解だよ。ADSLは下り通信を大容量にするため、上りと下りで異なる周波数帯域を割り当てている。上りの変調に利用できる周波数帯域が下りより狭いので、同じ時間に伝送できる情報量も少なくなり、上りの伝送速度が遅くなる。

学習のポイント

ADSLの速度差を、上り下りの周波数帯域割当てと伝送速度の関係から理解する。

出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)平成24年度秋期 ネットワークスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問5(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例)

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