NWネットワークスペシャリスト試験 午前Ⅱ
平成23年度秋期 ネットワークスペシャリスト 午前Ⅱ 問21
問題文と選択肢を読んで答えを考えてから、下の「正解と解説を見る」で確認しましょう。
問題
選択肢
- アIPパケットを暗号化する対象部分によって,トランスポートモード,トンネルモードの方式がある。
- イ暗号化アルゴリズムや暗号化鍵のライフタイムが設定される管理テーブルで,期間を過ぎると新しいデータに更新される。
- ウ暗号化アルゴリズムを決定し,暗号化鍵を動的に生成する鍵交換プロトコルで,暗号化通信を行う。
- エデータの暗号化は行わず,SPI,シーケンス番号,認証データを用い,完全性の確保と認証を行う。
解き方のヒントを見る
用語の役割と前提を整理する視点
ネットワーク用語を読むときは、名称の印象だけで判断せず、対象となる機能、適用される範囲、前提条件、他の用語との関係を順に整理し、説明全体の整合性を丁寧に確認します。
この問題で問われていること
焦点は、各選択肢が説明している対象と、そこで成立すると想定された条件の対応関係です。用語の定義だけでなく、誰が何を行う説明なのかを切り分けて、記述の前提を読み取ります。
視点
用語の説明は、目的・対象・働く位置・前提条件という観点に分けると比較しやすくなります。まず説明の主語と対象を捉え、次に条件が変わっても成り立つ一般的な記述かを見ます。
確認ポイント
- 説明の主語と対象が対応しているか
- 機能が働く範囲や位置を混同していないか
- 前提条件と説明内容に無理がないか
正解と解説を見る
正解
エ
解説
IPsecのAHは、IPパケットの完全性や送信元認証を実現するためのプロトコルです。暗号化による内容の秘匿ではなく、SPI、シーケンス番号、認証データなどを利用して通信データの改ざん検知や認証を行います。
理由
AH(Authentication Header)は、IPパケットの完全性確認と送信元認証を目的とします。認証データによって改ざんを検出し、SPIやシーケンス番号によって通信の識別や再送攻撃への対策を行います。
比較
トランスポートモードとトンネルモードはIPsecの適用形態、暗号化鍵の管理はセキュリティアソシエーション、鍵交換と暗号化通信の確立はIKEなどの役割です。これらをAH自体の説明と混同しないことが重要です。
選択肢ア
これは不正解だよ。トランスポートモードとトンネルモードはIPsecでの保護対象やパケット構成に関する適用形態であり、AH固有の主目的を説明したものではない。さらに、選択肢はIPパケットの暗号化を前提としており、AHの完全性確認・認証の説明としては不適切である。
選択肢イ
これは不正解だよ。暗号化アルゴリズムや暗号化鍵のライフタイムを管理し、期限に応じて更新する説明は、セキュリティアソシエーションなどの管理機能に該当する。AHが担うパケットの完全性確認や認証そのものを説明していないため、適切ではない。
選択肢ウ
これは不正解だよ。暗号化アルゴリズムの決定や暗号化鍵の動的生成を行い、暗号化通信を確立するのは、主にIKEなどの鍵交換・通信確立の機能である。AHは鍵交換プロトコルではなく、この選択肢は担当する機能を取り違えている。
選択肢エ(正解)
これは正解だよ。AHはデータの暗号化による秘匿を目的とせず、SPI、シーケンス番号、認証データなどを用いて、IPパケットの完全性確保と送信元認証を行う。したがって、AHの主要な機能を正しく説明している。
学習のポイント
AH、ESP、IKE、セキュリティアソシエーションの役割を区別して覚えましょう。
出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)平成23年度秋期 ネットワークスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問21(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例)
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