NWネットワークスペシャリスト試験 午前Ⅰ
令和6年度春期 ネットワークスペシャリスト 午前Ⅰ 問1
問題文と選択肢を読んで答えを考えてから、下の「正解と解説を見る」で確認しましょう。
問題
選択肢
- アρ/(1−ρ)×Tₛ
- イρ/(1−2ρ)×Tₛ
- ウ2ρ/(1−ρ)×Tₛ
- エ2ρ/(1−2ρ)×Tₛ
解き方のヒントを見る
統合前後の待ち時間を考える視点
統合前後の平均待ち時間を比べるときは、個別の数値や結論を先に決めず、対象となる待ちの範囲と比較する条件をそろえたうえで、変化の理由を落ち着いて整理します。
この問題で問われていること
確認する観点は、統合によって待ち時間を測る対象と条件が同じ基準で扱われているかです。対象、単位、平均の取り方を照らし合わせ、比較の前提が崩れていないかを見ます。
視点
待ち行列を比較する際は、計算結果だけでなく、どの利用者を対象にし、どの期間や条件で平均を取っているかを確認します。統合前後で比較の土台が変わると、数値の大小だけでは意味を判断できません。
確認ポイント
- 待ち時間の対象範囲を統合前後で同じ基準にそろえているか確認する
- 平均値が同じ単位・期間・条件から求められているかを確認する
- 数値の変化を判断する前に、比較対象の定義が変わっていないか確認する
正解と解説を見る
正解
エ
解説
M/M/1の平均待ち時間は、利用率をρとするとρ/(1−ρ)×Tsで表されます。統合後は利用者数が2倍になるため到着率と利用率も2倍となり、平均待ち時間は2ρ/(1−2ρ)×Tsです。
理由
統合前の各ATMの利用率がρで、平均サービス時間がTsなので、統合前の到着率は各支店でρ/Tsです。統合後は両支店の利用者数を合計するため到着率は2ρ/Tsとなり、サービス率は1/Tsのままです。したがって統合後の利用率は2ρです。M/M/1の平均待ち時間は、サービス時間を含めない場合、Wq=利用率/(1−利用率)×Tsです。よってWq=2ρ/(1−2ρ)×Ts[時間]となります。
比較
分子は統合後の利用率が2ρであることを表し、分母の1−2ρは一台に統合した後の空き容量を表します。二つのATMの利用者を一台で処理するため、統合前と同じρを使うことはできません。また、分子だけ、または分母だけを2倍する式も、到着率と利用率の変化を同時に反映していないため条件と一致しません。
選択肢ア
これは不正解だよ。ρ/(1−ρ)×Tsは、統合後もATMの利用率がρのままであるとみなした式です。しかし実際には、二つの支店の利用者数を一台のATMで処理するため到着率が合計され、サービス時間Tsが変わらない条件では利用率も2ρになります。そのため、統合後の待ち時間を表していません。
選択肢イ
これは不正解だよ。ρ/(1−2ρ)×Tsは、分母には統合後の利用率2ρを反映していますが、分子には元の利用率ρしか使っていません。M/M/1の平均待ち時間では、分子と分母の両方が同じ統合後利用率に基づく必要があるため、利用者数を合計した条件と一致しません。
選択肢ウ
これは不正解だよ。2ρ/(1−ρ)×Tsは、分子だけを二つの支店の合計に合わせ、分母は統合前の利用率ρのままにした式です。統合後は一台に利用者が集中するので、待ち行列の空き容量を表す分母も2ρに基づいて変化します。この式では混雑の増加を正しく表せません。
選択肢エ(正解)
これは正解だよ。統合前の各ATMの利用率がρで、サービス時間がTsなら各支店の到着率はρ/Tsです。利用者数を合計すると統合後の到着率は2ρ/Ts、利用率は2ρになります。M/M/1の平均待ち時間はWq=ρ/(1−ρ)×Tsなので、統合後はWq=2ρ/(1−2ρ)×Ts[時間]です。
学習のポイント
利用者数の合計から到着率と利用率の変化を導く方法を学びます。
出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)令和6年度春期 ネットワークスペシャリスト試験 午前Ⅰ 問1(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例)
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