DBデータベーススペシャリスト試験 午前Ⅰ

令和2年度10月 データベーススペシャリスト 午前Ⅰ 問27

問題文と選択肢を読んで答えを考えてから、下の「正解と解説を見る」で確認しましょう。

問題

CPS(サイバーフィジカルシステム)を活用している事例はどれか。

選択肢

  1. ア
    仮想化された標準的なシステム資源を用意しておき,業務内容に合わせてシステムの規模や構成をソフトウェアによって設定する。
  2. イ
    機器を販売するのではなく貸し出し,その機器に組み込まれたセンサで使用状況を検知し,その情報を元に利用者から利用料金を徴収する。
  3. ウ
    業務処理機能やデータ蓄積機能をサーバにもたせ,クライアント側はネットワーク接続と最小限の入出力機能だけをもたせてデスクトップの仮想化を行う。
  4. エ
    現実世界の都市の構造や活動状況のデータによって仮想世界を構築し,災害の発生や時間軸を自由に操作して,現実世界では実現できないシミュレーションを行う。
解き方のヒントを見る

技術の本質と事例の目的を結ぶ

新しい技術と活用事例の対応を考えるときは、名称や流行の印象ではなく、その技術が何を実現するための仕組みなのかという中核の役割を自分の言葉で言い表し、事例の中で本当に要となっている働きと照らし合わせることが検討の出発点になります。

この問題で問われていること

確認する観点は一つ、「その事例で技術が担っている中心的な役割は何か」です。事例に付随する周辺的な要素や、複数の技術に共通しそうな言葉に引きずられず、その技術がなければ成り立たない部分がどこかを見極めてから対応を判断してください。

視点

新技術に関する用語は、報道や宣伝の中で広い意味で使われることが多く、一つの事例に複数の技術が同時に関わっていることも珍しくありません。そのため、事例に出てくる言葉の一部が似ているというだけで対応を決めると、判断を誤りやすくなります。学習の際は、それぞれの技術について『何を入力として受け取り、何を生み出し、それによってどんな課題を解決するのか』を短い一文で説明できるよう整理しておくと、事例の中心的な働きと比べやすくなります。

確認ポイント

  • その技術の中核的な役割を、用語をそのまま繰り返さずに自分の言葉で一文にまとめられるか
  • 事例の中で、その技術がなければ成り立たない中心的な働きがどこにあるかを見極めたか
  • 表面的に似た言葉や、別の技術と共通しうる周辺的な要素だけを根拠にして対応を決めていないか
正解と解説を見る

正解

エ

解説

正解はエだよ。現実世界の都市の構造や活動状況のデータで仮想世界を構築し、現実世界ではできないシミュレーションを行うのは、フィジカル空間のデータをサイバー空間で分析・活用するCPSの典型例だよ。ア・ウはITシステムの構成方式、イはセンサを使った課金型ビジネスモデルの説明だよ。

理由

エでは、現実の都市から集めたデータで仮想世界を構築し、災害の発生や時間軸を自由に操作してシミュレーションしているよ。現実(フィジカル)空間のデータをサイバー空間に取り込んで分析・予測する流れがはっきりしているので、CPSを活用した事例に当たるよ。

比較

アは仮想化した資源をソフトウェアで構成するSDIやクラウドの考え方、ウはシンクライアントによるデスクトップ仮想化で、どちらもITシステム内部の構成の話だよ。イはセンサで使用状況を検知するものの、その目的は利用料金の徴収という課金方式で、現実世界を仮想空間に再現して分析するCPSの中心となる仕組みまでは述べられていないよ。

選択肢ア

これは不正解だよ。仮想化した標準的なシステム資源を用意しておき、業務に合わせて規模や構成をソフトウェアで設定するのは、SDI(ソフトウェア定義インフラ)やクラウドのリソース構成の考え方だよ。ITシステム内部の資源管理の話なので、現実世界の物理的な状況をデータとして取り込み、仮想空間で分析して現実に生かすCPSの仕組みは含まれていないよ。

選択肢イ

これは不正解だよ。機器を販売せずに貸し出し、組み込まれたセンサで使用状況を検知して利用料金を徴収するのは、IoTを使った従量課金型のビジネスモデルの事例だよ。センサで現実のデータを集めてはいるけど、目的は課金だよ。現実世界を仮想空間に再現して分析・シミュレーションし、その結果を現実世界に生かすというCPSの中心となる仕組みまでは述べられていないよ。

選択肢ウ

これは不正解だよ。業務処理機能やデータ蓄積機能をサーバ側にもたせ、クライアント側にはネットワーク接続と最小限の入出力機能だけをもたせるのは、シンクライアントによるデスクトップ仮想化(VDI)の説明だよ。これもITシステムの構成方式の話なので、現実世界の物理的なデータを仮想空間で扱って現実に生かすCPSの活用事例には当たらないよ。

選択肢エ(正解)

これは正解だよ。現実世界の都市の構造や活動状況のデータで仮想世界を構築し、災害の発生や時間軸を自由に操作してシミュレーションするのは、現実(フィジカル)空間のデータをサイバー空間に取り込んで分析・予測するCPSの典型例だよ。現実では試せない状況を仮想空間で検証でき、その結果を防災計画など現実世界に生かせる点がCPSの考え方に合っているよ。

学習のポイント

CPSは、現実世界のデータをサイバー空間で再現・分析し、その結果を現実世界に生かす仕組みだと押さえよう。

出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)令和2年度10月 データベーススペシャリスト試験 午前Ⅰ 問27(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例)

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