DBデータベーススペシャリスト試験 午前Ⅰ
平成21年度春期 データベーススペシャリスト 午前Ⅰ 問17
問題文と選択肢を読んで答えを考えてから、下の「正解と解説を見る」で確認しましょう。
問題
選択肢
- ア各種のソフトウェア設計・開発技法を使って開発作業を自動化し,ソフトウェア開発の生産性の向上を図る。
- イ製品やサービスについて,組織が開発と保守のプロセスを改善するのを助ける。
- ウソフトウェアライフサイクルを,主,支援及び組織に関する三つのライフサイクルプロセスに分けてアクティビティを定め,ソフトウェアプロセスの標準化を図る。
- エ特定の購入者と製作者の間で授受されるソフトウェア製品の品質保証を行い,顧客満足度の向上を図る。
解き方のヒントを見る
成熟度モデルの目的を見極める
開発に関するモデルや規格は数多くあり、名称が似ていても何を対象に何を達成しようとするかが異なります。用語の響きではなく、そのモデルが本来何のために作られたのかという目的の観点で整理しながら検討しましょう。
この問題で問われていること
問われているのは、プロセスの成熟度という考え方を持つモデルが何を狙いとしているかです。「誰の・何を」取り扱いの対象にしているのか、その結果として何を得ようとしているのかを、自分の言葉で説明できるか確かめてください。
視点
開発に関わるモデルや規格は、それぞれ主に扱う対象(人・組織・製品・作業手順など)と、利用して得たい成果とが結び付いています。名称に含まれる語だけで判断すると、別の枠組みの目的と混同しやすくなります。「対象」と「得たい成果」の組合せとして捉え直すと、目的を整理しやすくなります。
確認ポイント
- このモデルが主に取り扱う対象が何かを、名称からの連想ではなく自分の理解で言えるか
- その対象について、利用者が最終的に何を得ようとしているのかを説明できるか
- 検討中の内容が、別のモデルや規格の目的と混同していないかを見直したか
正解と解説を見る
正解
イ
解説
CMMIは組織のプロセス能力や成熟度を段階的に捉えるモデルで、開発モデルは製品やサービスについて組織が開発と保守のプロセスを改善するのを助けることを目的とする。したがって正答はイです。
正答の理由
CMMI(Capability Maturity Model Integration)は、組織の開発や保守の進め方(プロセス)がどの程度成熟しているかを段階的に捉え、改善の道筋を示すモデルです。開発モデル(CMMI for Development)は、製品やサービスについて組織が開発と保守のプロセスを改善するのを助けることを目的としています。そのため、選択肢イが適切です。
他の選択肢との比較
アは設計・開発技法を用いた作業の自動化で、CASEツールなどの開発支援環境に近い考え方です。ウの主、支援及び組織に関するライフサイクルプロセスによる標準化は、ISO/IEC 12207(JIS X 0160)などのライフサイクルプロセス規格の考え方です。エは購入者と製作者の間で受け渡されるソフトウェア製品の品質保証に焦点を当てています。いずれも「組織のプロセス改善を助ける」というCMMIの目的とは違います。
選択肢ア
これは不正解だよ。設計・開発技法を使って開発作業を自動化し、生産性を高めるという説明は、CASEツールなどの開発支援環境の目的に近い内容だよ。CMMIは作業を自動化する道具ではなく、組織の開発・保守プロセスがどの程度成熟しているかを捉えて、その改善を支援するためのモデルなんだ。だから目的としては合わないよ。
選択肢イ(正解)
これは正解だよ。CMMI(Capability Maturity Model Integration)は、組織のプロセス能力や成熟度を段階的に捉えて、改善の道筋を示すモデルだよ。開発モデル(CMMI for Development)は、製品やサービスについて組織が開発と保守のプロセスを改善するのを助けることを目的にしていて、この選択肢の記述と一致するよ。
選択肢ウ
これは不正解だよ。ライフサイクルを主、支援及び組織に関する三つのライフサイクルプロセスに分けてアクティビティを定め、プロセスの標準化を図るのは、ISO/IEC 12207(JIS X 0160)などのライフサイクルプロセス規格の考え方だよ。これは作業項目や用語を共通化するための枠組みで、組織の成熟度を捉えて改善を助けるCMMIの目的とは違うよ。
選択肢エ
これは不正解だよ。特定の購入者と製作者の間で受け渡されるソフトウェア製品の品質保証を行い、顧客満足度を高めるという説明は、取引で受け渡す製品の品質保証に焦点を当てた考え方だよ。CMMIは個々の製品の品質保証そのものを目的とするのではなく、組織の開発・保守プロセスの改善を支援するモデルなので、目的が合わないよ。
学習のポイント
CMMIの目的と、ライフサイクル規格やCASEツール、品質保証の考え方との違いを区別する。
出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)平成21年度春期 データベーススペシャリスト試験 午前Ⅰ 問17(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例)
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