DBデータベーススペシャリスト試験 午前Ⅱ

令和2年度10月 データベーススペシャリスト 午前Ⅱ 問20

問題文と選択肢を読んで答えを考えてから、下の「正解と解説を見る」で確認しましょう。

問題

ディジタル証明書に関する記述のうち,適切なものはどれか。

選択肢

  1. ア
    S/MIMEやTLSで利用するディジタル証明書の規格は,ITU-T X.400で標準化されている。
  2. イ
    TLSにおいて,ディジタル証明書は,通信データの暗号化のための鍵交換や通信相手の認証に利用されている。
  3. ウ
    認証局が発行するディジタル証明書は,申請者の秘密鍵に対して認証局がディジタル署名したものである。
  4. エ
    ルート認証局は,下位の認証局の公開鍵にルート認証局の公開鍵でディジタル署名したディジタル証明書を発行する。
解き方のヒントを見る

記述が成り立つ前提に着目する

ディジタル証明書の話題を学ぶときは、扱われている内容がどのような前提の下で成り立つのかに着目しましょう。用語から結論を急がず、与えられた条件と自分で補った想定を区別することが、考えを整理する出発点になります。

この問題で問われていること

この問題では、知っている用語に反応して判断する前に、与えられた条件がどこまでの話を支えているかを意識してください。条件として明示されていることと、普段の経験から当然だと思っていることを分けて捉えましょう。

視点

考えを整理するときは、まず前提として与えられた情報を押さえます。自分の知識や経験で補った想定があれば、与えられた条件とは分けて扱い、どの前提に基づいて考えているかを確かめましょう。

確認ポイント

  • 明示されている前提を確認したか
  • 自分で補った想定が混ざっていないか
  • 考えている範囲が与えられた条件を超えていないか
正解と解説を見る

正解

イ

解説

正解はイです。TLSでは、ディジタル証明書が通信相手の認証や安全な鍵交換を支えます。証明書には公開鍵などが記載され、認証局の秘密鍵で署名されます。その署名の検証には認証局の公開鍵を使います。

理由

TLSでは、ディジタル証明書を使って通信相手の公開鍵の正当性を確認し、相手の認証や鍵交換を支えます。通信データ自体は通常、鍵交換で確立した共通鍵で暗号化します。このため、鍵交換や通信相手の認証に利用されるとするイが適切です。

比較

アの規格はX.400ではなくX.509です。ウでは、認証局が署名する対象を申請者の秘密鍵としている点が誤りです。署名対象は申請者の公開鍵などを含む証明書の情報です。エでは、ルート認証局が署名に使う鍵を公開鍵としている点が誤りです。秘密鍵による署名と公開鍵による署名検証を混同しないことが重要です。

選択肢ア

これは不正解だよ。S/MIMEやTLSで利用するディジタル証明書の規格は、ITU-T X.509です。X.400は電子メールなどのメッセージ処理システムに関する規格です。証明書を利用する用途と、証明書の形式を定める規格を区別しましょう。

選択肢イ(正解)

これは正解だよ。TLSでは、ディジタル証明書によって通信相手の公開鍵の正当性を確認し、鍵交換や相手の認証を支えます。通信データ自体は通常、鍵交換で確立した共通鍵で暗号化します。証明書は、その鍵を安全に確立する過程で利用されます。

選択肢ウ

これは不正解だよ。認証局が署名するのは、申請者の公開鍵や名義などを含む証明書の情報です。申請者の秘密鍵に署名するわけではありません。秘密鍵は申請者が厳重に管理し、認証局は自身の秘密鍵で証明書に署名して、記載情報の正当性を保証します。

選択肢エ

これは不正解だよ。下位の認証局の公開鍵を含む証明書を発行する際、ルート認証局は自身の秘密鍵でディジタル署名します。選択肢の「ルート認証局の公開鍵で」という点が誤りです。ルート認証局の公開鍵は、その署名が正しいかを検証するために使います。

学習のポイント

証明書の規格とTLSでの役割を押さえ、秘密鍵による署名と公開鍵による署名検証を区別しましょう。

出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)令和2年度10月 データベーススペシャリスト試験 午前Ⅱ 問20(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例)

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