DBデータベーススペシャリスト試験 午前Ⅱ

平成31年度春期 データベーススペシャリスト 午前Ⅱ 問1

問題文と選択肢を読んで答えを考えてから、下の「正解と解説を見る」で確認しましょう。

問題

分散型データベースシステムにおいては,一貫性・可用性・分断耐性の三つの特性のうち,同時には最大二つまでしか満たすことができないとする理論はどれか。

選択肢

  1. ア
    BASE特性
  2. イ
    CAP定理
  3. ウ
    アムダールの法則
  4. エ
    ベイズの定理
解き方のヒントを見る

分散型DBを考える一つの視点

分散型データベースの説明を読むときは、個別の用語や印象だけで判断せず、情報や処理を分ける目的と、その結果として生じる調整上の論点との対応に注目し、主張の前提を丁寧に確認します。

この問題で問われていること

確認する観点は、説明が想定している利用目的と、分散によって必要になる管理・調整の考え方が同じ前提で結び付いているかです。用語の暗記より、主張同士の関係を読み取ります。

視点

分散化を評価するときは、利点だけ、または負担だけを切り離して考えず、前提・目的・制約・運用上の影響を同じ枠組みで整理します。説明の対象範囲が揃っているかを確かめると、表面的な言い換えに流されにくくなります。

確認ポイント

  • その説明が想定する利用目的は何か
  • 主張の前提と対象範囲は揃っているか
  • 目的と管理上の論点が結び付いているか
正解と解説を見る

正解

イ

解説

分散型データベースにおける一貫性、可用性、分断耐性の三特性について、同時に全てを満たすことはできず、最大二つまでとする考え方はCAP定理です。

理由

CAP定理は、分散システムにおけるConsistency(一貫性)、Availability(可用性)、Partition tolerance(分断耐性)の関係を示します。ネットワーク分断が発生した状況では、可用性と一貫性を同時に完全には維持できないため、三つのうち最大二つまでしか満たせないと説明される。

比較

BASE特性は結果整合性などを重視する分散データベースの考え方であり、アムダールの法則は並列化による性能向上の限界、ベイズの定理は条件付き確率の関係を扱う。いずれも設問の三特性の同時実現制約を直接示す理論ではありません。

選択肢ア

これは不正解だよ。BASE特性は、基本的に利用可能で、状態が一時的に不定でも、最終的には整合するという分散データベースの設計方針を表す。設問のように、一貫性・可用性・分断耐性の三つを同時に満たせる数を制限する理論名ではない。

選択肢イ(正解)

これは正解だよ。CAP定理は、分散システムの一貫性、可用性、分断耐性を対象とし、ネットワーク分断がある状況では三つを同時に満たせず、最大二つまでとなる関係を示す。設問の説明と直接一致する。

選択肢ウ

これは不正解だよ。アムダールの法則は、処理の一部を並列化したとき、逐次処理部分が性能向上の限界に与える影響を扱う。分散データベースの一貫性・可用性・分断耐性の組合せを説明する理論ではない。

選択肢エ

これは不正解だよ。ベイズの定理は、ある条件の下での事象の確率を、別の条件で得た情報から更新する関係を扱う確率論の定理である。分散システムの三特性や、ネットワーク分断時の選択制約を説明するものではない。

学習のポイント

CAP定理の三要素と、他分野の法則・定理との用語上の違いを整理する。

出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)平成31年度春期 データベーススペシャリスト試験 午前Ⅱ 問1(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例)

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