AUシステム監査技術者試験 午前Ⅰ

令和5年度秋期 システム監査技術者 午前Ⅰ 問21

問題文と選択肢を読んで答えを考えてから、下の「正解と解説を見る」で確認しましょう。

問題

フルバックアップ方式と差分バックアップ方式とを用いた運用に関する記述のうち、適切なものはどれか。

選択肢

  1. ア
    障害からの復旧時に差分バックアップのデータだけ処理すればよいので、フルバックアップ方式に比べ、差分バックアップ方式は復旧時間が短い。
  2. イ
    フルバックアップのデータで復元した後に、差分バックアップのデータを反映させて復旧する。
  3. ウ
    フルバックアップ方式と差分バックアップ方式とを併用して運用することはできない。
  4. エ
    フルバックアップ方式に比べ、差分バックアップ方式はバックアップに要する時間が長い。
解き方のヒントを見る

バックアップ運用は基準点から考える

複数のバックアップ方式を組み合わせた運用では、各回の取得がどの時点を基準にしているかを整理することが検討の出発点になります。用語の印象で判断せず、自分で時系列を描いて確かめてみましょう。

この問題で問われていること

この問題で確認したいのは、方式ごとの取得範囲を知識として覚えているかよりも、それらを並べたときに運用全体でどのような差が生じるかを筋道立てて考えられるかという点です。基準時点の整理を軸に検討しましょう。

視点

バックアップを検討するときは、各方式を「いつの状態を基準に、どの範囲を取得するか」という視点で捉えると整理しやすくなります。組み合わせた運用では、取得にかかる手間と、復元時に必要になるものが時間の経過とともにどう変わるかを、方式ごとに分けて考えることが大切です。

確認ポイント

  • 各方式が何を基準時点として取得範囲を決めているかを、自分の言葉で説明できるか確認する
  • 数日分の運用を時系列に並べ、各回の取得がどの基準時点に対応するかを書き出してみる
  • 基準時点の違いが取得と復元の両面にどう影響しうるかを自分で考えてから、解答を検討する
正解と解説を見る

正解

イ

解説

差分バックアップには、直前のフルバックアップ以降の変更分しか含まれません。そのため、復旧時はフルバックアップで復元してから、最新の差分バックアップを反映させます。正解はイです。

理由

差分バックアップは、直前のフルバックアップ以降に変更されたデータだけを保存する方式です。単体ではデータ全体を復元できないため、まずフルバックアップで基準となる状態を復元し、次に最新の差分バックアップを反映させます。これで戻せるのは、最新の差分バックアップを取得した時点の状態までです。その後、障害が起きるまでの変更は含まれないので、必要に応じてログなど別の手段で補います。

比較

フルバックアップは毎回全データを複写するため、取得に時間がかかりますが、復旧はそれ一つで済みます。差分バックアップは複写するデータが少ないため、通常は取得時間が短くなります。その代わり、復旧時にはフルバックアップと差分の両方が必要です。両方式は併用することが前提で、例えば週1回フルバックアップを取り、それ以外の日は差分バックアップを取るといった運用が一般的です。

選択肢ア

これは不正解だよ。差分バックアップは、直前のフルバックアップ以降に変更されたデータだけを保存したものなので、それ単体では全データを復元できません。復旧時にはまずフルバックアップを戻し、その上に差分を反映させる必要があるため、「差分バックアップのデータだけ処理すればよい」という前提が誤りです。フルバックアップだけで復旧する場合より処理が増えるので、復旧時間が短いとも言えません。

選択肢イ(正解)

これは正解だよ。差分バックアップには、フルバックアップを取得した後の変更分しか含まれません。そのため、まずフルバックアップのデータで基準となる状態を復元し、次に最新の差分バックアップを反映させます。これで最新の差分バックアップを取得した時点の状態まで戻せます。それ以降、障害が起きるまでの変更は含まれないので、必要に応じてログなど別の手段で補います。

選択肢ウ

これは不正解だよ。差分バックアップは「前回のフルバックアップからの変更分」を取得する方式なので、基準となるフルバックアップがあって初めて成り立ちます。例えば週1回フルバックアップを取り、それ以外の日は差分バックアップを取るように、両方式を併用するのが一般的な運用です。「併用できない」という記述は、方式の仕組みと矛盾します。

選択肢エ

これは不正解だよ。フルバックアップ方式は毎回全データを複写します。一方、差分バックアップ方式は、前回のフルバックアップ以降に変更されたデータだけを複写します。通常は複写するデータ量が少ないため、差分バックアップ方式の方がバックアップに要する時間は短くなります。この記述は、時間の長短の関係が逆になっています。

学習のポイント

差分バックアップの保存範囲と、復旧手順・取得時間の関係を押さえよう。

出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)令和5年度秋期 システム監査技術者試験 午前Ⅰ 問21(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例)

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