AUシステム監査技術者試験 午前Ⅰ
令和4年度秋期 システム監査技術者 午前Ⅰ 問20
問題文と選択肢を読んで答えを考えてから、下の「正解と解説を見る」で確認しましょう。
問題
選択肢
- アインシデントの解決を,合意したサービスレベル目標の時間枠内に達成することを確実にする。
- イインシデントの未知の根本原因を特定し,インシデントの発生又は再発を防ぐ。
- ウ合意した目標の中で,合意したサービス継続のコミットメントを果たすことを確実にする。
- エ変更の影響を評価し,リスクを最小とするようにして実施し,レビューすることを確実にする。
解き方のヒントを見る
管理プロセスは目的の違いで見分ける
サービスマネジメントの管理プロセスは、似た作業や用語を共有していても、それぞれが最終的に達成しようとする成果が異なります。作業内容や登場する言葉ではなく、そのプロセスが何を実現するために存在するのかという一点に絞って検討しましょう。
この問題で問われていること
問われている内容に対して、それが「どの成果を目指した取組みか」を自分の言葉で一文にまとめてから、各管理プロセスの目的と照らし合わせることが検討の中心になります。手段や手順の似ている部分に引きずられないよう注意しましょう。
視点
管理プロセスを区別するときは、「何をするか(活動)」と「何のためにするか(目的)」を分けて考えることが基本です。複数のプロセスが共通の活動を含むことは珍しくないため、活動だけを手掛かりにすると判断が揺らぎやすくなります。そのプロセスが完了したときに、組織やサービスにどのような状態がもたらされるのかを想像すると、区別の軸がはっきりします。
確認ポイント
- 問われている内容が目指す最終的な成果を、自分の言葉で一文にまとめたか
- 作業や手順が似ているという理由だけで判断していないか
- そのプロセスが完了したとき、どのような状態が実現されるかを想像したか
正解と解説を見る
正解
イ
解説
問題管理の目的は、インシデントの未知の根本原因を特定し、インシデントの発生や再発を防ぐことだよ。だから正答はイ。アはインシデント管理、ウはサービス継続管理、エは変更管理の目的にあたるんだ。
理由
問題管理は、一つまたは複数のインシデントの背後にある、まだ分かっていない根本原因を突き止めるプロセスだよ。恒久的な対策をとったり、既知の誤りとして記録して回避策を用意したりすることで、インシデントの発生や再発を防ぐんだ。この内容を述べているのはイだね。
比較
インシデント管理は、合意したサービスレベルの時間枠内でサービスを早く元に戻すことを重視するよ。変更管理は、変更の影響を評価し、リスクを抑えて実施・レビューするプロセス。サービス継続管理は、合意したサービス継続の約束を果たせるようにするプロセスだよ。どれも問題管理と連携はするけれど、目的はそれぞれ違うんだ。
選択肢ア
これは不正解だよ。インシデントの解決を、合意したサービスレベル目標の時間枠内に達成することを確実にするのは、インシデント管理の目的だよ。インシデント管理は、サービスをできるだけ早く通常の状態に戻すことを重視するプロセスなんだ。インシデントの根本原因を突き止めて再発を防ぐのは問題管理の役割だから、この文は問題管理の目的とはいえないよ。
選択肢イ(正解)
これは正解だよ。問題管理は、一つまたは複数のインシデントの背後にある未知の根本原因を特定するプロセスだよ。恒久的な対策をとったり、既知の誤りとして記録して回避策を用意したりすることで、インシデントの発生や再発を防ぐんだ。迅速な復旧を担うインシデント管理とは違って、原因そのものに踏み込むところが問題管理の特徴だよ。
選択肢ウ
これは不正解だよ。合意した目標の中で、合意したサービス継続のコミットメントを果たすことを確実にするのは、サービス継続管理(サービス継続及び可用性管理)の目的だよ。災害や重大な障害が起きてもサービス継続の約束を守れるように、計画を立てて試験する活動なんだ。インシデントの根本原因を特定する問題管理とは、扱う対象が違うよ。
選択肢エ
これは不正解だよ。変更の影響を評価し、リスクを最小にするようにして実施し、レビューすることを確実にするのは、変更管理の目的だよ。問題管理で決まった恒久対策が、変更要求として変更管理に引き渡されることはあるんだ。でも、変更を統制して安全に実施する活動そのものは、問題管理の目的ではないよ。
学習のポイント
インシデント管理・問題管理・変更管理・サービス継続管理について、それぞれの目的の違いを区別できるようにしよう。
出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)令和4年度秋期 システム監査技術者試験 午前Ⅰ 問20(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例)
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