AUシステム監査技術者試験 午前Ⅰ

令和3年度秋期 システム監査技術者 午前Ⅰ 問30

問題文と選択肢を読んで答えを考えてから、下の「正解と解説を見る」で確認しましょう。

問題

労働基準法で定める 36 協定において,あらかじめ労働の内容や事情などを明記することによって,臨時的に限度時間の上限を超えて勤務させることが許される特別条項を適用する 36 協定届の事例として,適切なものはどれか。

選択肢

  1. ア
    商品の売上が予想を超えたことによって,製造,出荷及び顧客サービスの作業量が増大したので,期間を 3 か月間とし,限度時間を超えて勤務する人数や所要時間を定めて特別条項を適用した。
  2. イ
    新技術を駆使した新商品の研究開発業務がピークとなり,3 か月間の業務量が増大したので,労働させる必要があるために特別条項を適用した。
  3. ウ
    退職者の増加に伴い従業員一人当たりの業務量が増大したので,新規に要員を雇用できるまで,特に期限を定めずに特別条項を適用した。
  4. エ
    慢性的な人手不足なので,増員を実施し,その効果を想定して 1 年間を期限とし,特別条項を適用した。
解き方のヒントを見る

特例要件を整理する一つの視点

特例の適用を判断するときは、制度名や印象で決めず、誰に、どの場面で、どの条件が重なると適用されるのかを、問題文の記述に沿って一つずつ慎重に確認しましょう。

この問題で問われていること

この問題では、通常の扱いから外れる根拠が、対象者・期間・手続などのどの要素に結び付いているかに注目し、条件同士の関係を丁寧に読み取ることに集中しましょう。

視点

特例適用の判断では、一般的な原則と例外を混同せず、制度が想定する対象と適用条件の対応関係を整理する。複数の条件が示される場合は、それぞれが独立した要件か、組み合わせて確認すべき要素かを見分ける。

確認ポイント

  • 適用対象として示された範囲を確認する
  • 条件が単独で働くか関係しているかを見る
  • 原則と特例の適用場面を分けて整理する
正解と解説を見る

正解

ア

解説

36協定の特別条項は、臨時的な特別の事情によって限度時間を超える必要がある場合に適用します。事情、期間、対象人数や所要時間などが具体的に定められているかが判断のポイントです。

理由

特別条項は、通常の限度時間内では処理できない臨時的な業務量の増加に対応するものです。適用に当たっては、発生した事情だけでなく、対象期間や限度時間を超えて勤務する人数・所要時間などを具体的に定めます。

比較

一時的な受注増加は特別条項の事情になり得ますが、恒常的な人手不足への対応や、期限を定めない運用は制度の趣旨に反します。また、新技術・新商品などの研究開発業務は、時間外労働の上限規制に関して特別な扱いがあります。

選択肢ア(正解)

これは正解だよ。売上が予想を超えたことによる製造・出荷・顧客サービスの一時的な業務量増大を理由とし、3か月の期間、対象人数、所要時間を定めています。臨時的な事情を具体化して特別条項を適用する内容です。

選択肢イ

これは不正解だよ。新技術を駆使した新商品の研究開発業務は、時間外労働の上限規制について特別な扱いを受ける業務です。この選択肢は研究開発のピークを理由に特別条項を適用しており、制度の対象業務の整理を誤っています。

選択肢ウ

これは不正解だよ。退職者の増加による業務量の増大は、新規要員を採用するまでの人員不足への対応です。さらに期限を定めていないため、臨時的な事情に期間を限定して適用する特別条項の要件に合いません。

選択肢エ

これは不正解だよ。慢性的な人手不足は、一時的な業務上の特別事情ではなく恒常的な問題です。増員の効果を見込んで1年間適用する内容も、臨時的な事情に限って使う特別条項の趣旨から外れます。

学習のポイント

特別条項の臨時性と、適用期間・勤務量の具体性を確認する。

出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)令和3年度秋期 システム監査技術者試験 午前Ⅰ 問30(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例)

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