AUシステム監査技術者試験 午前Ⅰ

令和3年度秋期 システム監査技術者 午前Ⅰ 問28

問題文と選択肢を読んで答えを考えてから、下の「正解と解説を見る」で確認しましょう。

問題

IoT の技術として注目されている,エッジコンピューティングの説明として,適切なものはどれか。

選択肢

  1. ア
    演算処理のリソースをセンサ端末の近傍に置くことによって,アプリケーション処理の低遅延化や通信トラフィックの最適化を行う。
  2. イ
    人体に装着して脈拍センサなどで人体の状態を計測して解析を行う。
  3. ウ
    ネットワークを介して複数のコンピュータを結ぶことによって,全体として処理能力が高いコンピュータシステムを作る。
  4. エ
    周りの環境から微小なエネルギーを収穫して,電力に変換する。
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分散処理の説明を見分ける観点

IoTの分散処理に関する説明を区別するときは、用語の印象で判断しないことが大切です。「どこで何の処理を行い、それで何を実現しようとしているか」という対応関係が筋の通ったものかを一つずつ確かめましょう。

この問題で問われていること

問われているのは、分散処理の考え方を表す内容を自分の理解と照らし合わせられるかどうかです。処理の担い手と目的の結びつきを、言葉の雰囲気ではなく仕組みの理屈として説明できるかが検討の中心になります。

視点

分散処理は、処理を一か所に集めず、複数の装置や場所に分けて担わせる考え方の総称です。処理をどこに置くかを変えると、ある面が改善される一方で、別の面に負担が生じることがあります。そのため、考え方の違いを区別するには、名称を覚えるだけでは足りません。「処理の担い手」と「そうする理由」を一組にして捉え、その組合せが理屈として成り立つかを考える姿勢が役立ちます。

確認ポイント

  • 示されている内容が、処理を行う場所や担い手をどこだと述べているかを、自分の言葉で言い直せるか
  • その場所で処理することで何が得られるとしているか、その理由が仕組みとして無理なく成り立つか
  • 用語の名前だけで判断せず、名前と説明の中身が本当に対応しているかを見直したか
正解と解説を見る

正解

ア

解説

エッジコンピューティングは、センサ端末に近いネットワークの端(エッジ)に演算資源を置き、アプリケーション処理の低遅延化と通信トラフィックの最適化を図る方式です。よって正答はアです。

正答の理由

IoTでは多数のセンサから大量のデータが発生します。すべてを遠くのクラウドへ送って処理すると、応答が遅れ、通信量も増えます。エッジコンピューティングでは、データが発生するセンサ端末の近くに演算資源を置いてその場で処理し、必要な結果だけを上位へ送ります。これにより低遅延化と通信トラフィックの最適化が実現できるため、アが適切です。

他の選択肢との比較

イは人体に装着して生体情報を計測・解析するウェアラブルデバイス、ウは複数のコンピュータをネットワークで結んで高い処理能力を得るグリッドコンピューティング、エは周囲の微小なエネルギーを電力に変換するエネルギーハーベスティングの説明です。いずれもIoTに関係しますが、処理資源をセンサ端末の近くに置くというエッジコンピューティングの特徴とは異なります。

選択肢ア(正解)

これは正解だよ。エッジコンピューティングは、クラウドの中心側だけで処理するのではなく、センサ端末に近いネットワークの端(エッジ)に演算資源を置いて処理する方式だよ。データの発生源の近くで処理するので応答が速くなるし、生データを全部クラウドへ送らずに必要な結果だけを送れば通信量も抑えられる。選択肢の記述と合っているね。

選択肢イ

これは不正解だよ。人体に装着して脈拍などを計測・解析するのは、ウェアラブルデバイスや、それを使ったヘルスケア分野の説明だよ。IoT機器の一種ではあるけれど、演算処理をどこに置くかという処理方式の話ではないから、エッジコンピューティングの説明にはならないよ。

選択肢ウ

これは不正解だよ。ネットワークで複数のコンピュータを結び、全体として高い処理能力を得るのはグリッドコンピューティングの説明だよ。処理資源を集めて大きな計算能力を作ることが目的で、センサ端末の近くで処理して遅延や通信量を減らすエッジコンピューティングの狙いとは違うよ。

選択肢エ

これは不正解だよ。周囲の光・振動・熱・電波などから微小なエネルギーを収穫して電力に変換するのは、エネルギーハーベスティングの説明だよ。電池交換が難しいIoTセンサの電源確保に使われる技術だけど、演算処理の配置にかかわる技術ではないから、エッジコンピューティングには当たらないよ。

学習のポイント

エッジコンピューティング、ウェアラブルデバイス、グリッドコンピューティング、エネルギーハーベスティングの違いを区別しましょう。

出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)令和3年度秋期 システム監査技術者試験 午前Ⅰ 問28(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例)

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