AUシステム監査技術者試験 午前Ⅰ

令和3年度秋期 システム監査技術者 午前Ⅰ 問24

問題文と選択肢を読んで答えを考えてから、下の「正解と解説を見る」で確認しましょう。

問題

A 社は,社員 10 名を対象に,ICT 活用によるテレワークを導入しようとしている。テレワーク導入後 5 年間の効果(“テレワークで削減可能な費用”から“テレワークに必要な費用”を差し引いた額)の合計は何万円か。 〔テレワークの概要〕 ・テレワーク対象者は,リモートアクセスツールを利用して,テレワーク用 PC から社内システムにインターネット経由でアクセスして,フルタイムで在宅勤務を行う。 ・テレワーク用 PC の購入費用,リモートアクセスツールの費用,自宅・会社間のインターネット回線費用は会社が負担する。 ・テレワークを導入しない場合は,育児・介護理由によって,毎年 1 名の離職が発生する。フルタイムの在宅勤務制度を導入した場合は,離職を防止できる。離職が発生した場合は,その補充のために中途採用が必要となる。 ・テレワーク対象者分の通勤費とオフィススペース・光熱費が削減できる。 ・在宅勤務によって,従来,通勤に要していた時間が削減できるが,その効果は考慮しない。
通勤費、オフィススペース・光熱費、中途採用費用の削減額と、PC、リモートアクセスツール、回線の初期・運用費用を示す表。
通勤費、オフィススペース・光熱費、中途採用費用の削減額と、PC、リモートアクセスツール、回線の初期・運用費用を示す表。

選択肢

  1. ア
    610
  2. イ
    860
  3. ウ
    950
  4. エ
    1、260
解き方のヒントを見る

費用と効果の発生時期を整理する

複数年にわたる損益の試算では、登場する金額それぞれがいつ、どの頻度で発生するかを整理することが出発点になります。問題文の条件を読み、各金額を期間の中のどこに位置付けるかを自分で確かめてから集計に進みましょう。

この問題で問われていること

この種の試算で問われやすいのは、ある金額を一度だけ数えるのか、期間中に繰り返し数えるのかの区別です。条件に書かれた期間の区切りや発生の仕方を手掛かりに、各項目の扱いを一つずつ判断する姿勢が求められます。

視点

投資の効果を複数年で見積もるときは、金額の大きさだけでなく、その金額が期間のどの時点で、何回発生するかという時間軸の整理が欠かせません。同じ名目の金額でも、条件の書き方によって扱いが変わることがあります。数値を足し引きする前に、各項目を期間の上に並べて把握する習慣を付けると、見落としや二重計上を防ぎやすくなります。

確認ポイント

  • 登場する各金額について、条件の記述から発生のタイミングと回数を自分の言葉で書き出したか
  • 試算の対象期間の長さと区切り方を確認し、各項目をその期間の上に配置したか
  • 同じ金額を重複して数えたり、数え漏らしたりしていないかを集計前に見直したか
正解と解説を見る

正解

イ

解説

削減できる費用の5年合計は1、350万円、必要な費用の5年合計は490万円です。差し引いた効果は1、350万円-490万円=860万円なので、正解はイです。

削減可能な費用の計算

通勤費は10万円/年・人×10人×5年=500万円です。オフィススペース・光熱費は12万円/年・人×10人×5年=600万円です。中途採用費用は、導入しなければ毎年1名が離職して中途採用が必要になるため、50万円/人×1人/年×5年=250万円が削減できます。合計は500万円+600万円+250万円=1、350万円です。

必要な費用の計算

テレワーク用PCは初期費用8万円/台×10台=80万円です。リモートアクセスツールは初期費用1万円/人×10人=10万円と、運用費用2万円/年・人×10人×5年=100万円です。インターネット回線は6万円/年・人×10人×5年=300万円です。合計は80万円+10万円+100万円+300万円=490万円です。

効果と誤答との比較

効果は1、350万円-490万円=860万円です。誤答の数値は、それぞれ次の値と一致します。610万円は中途採用費用の削減250万円を入れない場合(1、100万円-490万円)、950万円は初期費用90万円を引かない場合(1、350万円-400万円)、1、260万円は運用費用400万円を引かない場合(1、350万円-90万円)です。どれも問題文と表の条件のどこかを反映していない値です。

選択肢ア

これは不正解だよ。610万円は、中途採用費用の削減額250万円(50万円/人×1人/年×5年)を含めない値と一致するよ。つまり(500万円+600万円)-490万円=610万円だね。でも問題文では、導入しなければ毎年1名が離職して中途採用が必要になり、導入すればそれを防げるとあるから、250万円も削減できる費用に含める必要があるよ。

選択肢イ(正解)

これは正解だよ。削減できる費用は、通勤費500万円+オフィス・光熱費600万円+中途採用費250万円で1,350万円だね。必要な費用は、PC80万円+ツール初期費用10万円+ツール運用費100万円+回線費300万円で490万円だよ。だから効果は1,350万円-490万円=860万円になるよ。

選択肢ウ

これは不正解だよ。950万円は、初期費用のPC購入費80万円(8万円/台×10台)とツール初期費用10万円(1万円/人×10人)を引かない値と一致するよ。つまり1,350万円-(100万円+300万円)=950万円だね。でも表では、どちらも会社が負担する費用だから、合計90万円も必要な費用に含めて差し引く必要があるよ。

選択肢エ

これは不正解だよ。1,260万円は、ツール運用費100万円(2万円/年・人×10人×5年)と回線費300万円(6万円/年・人×10人×5年)を引かない値と一致するよ。つまり1,350万円-90万円=1,260万円だね。でもこの2つは毎年かかる費用だから、5年分の合計400万円も必要な費用として差し引く必要があるよ。

学習のポイント

表の単位から、初期費用(1回だけ)と年額(毎年)を区別し、10名・5年の条件で正しく合計する力が問われています。

出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)令和3年度秋期 システム監査技術者試験 午前Ⅰ 問24(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例)

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