AUシステム監査技術者試験 午前Ⅰ

令和2年度10月 システム監査技術者 午前Ⅰ 問25

問題文と選択肢を読んで答えを考えてから、下の「正解と解説を見る」で確認しましょう。

問題

クラウドサービスの利用手順を,“利用計画の策定”,“クラウド事業者の選定”,“クラウド事業者との契約締結”,“クラウド事業者の管理”,“サービスの利用終了” としたときに,“利用計画の策定” において,利用者が実施すべき事項はどれか。

選択肢

  1. ア
    クラウドサービスの利用目的,利用範囲,利用による期待効果を検討し,クラウドサービスに求める要件やクラウド事業者に求めるコントロール水準を定める。
  2. イ
    クラウド事業者が SLA などを適切に遵守しているかモニタリングし,また,自社で構築しているコントロールの有効性を確認し,改善の必要性を検討する。
  3. ウ
    クラウド事業者との間で調整不可となる諸事項については,自社による代替策を用意した上で,クラウド事業者との間でコントロール水準を SLA などで合意する。
  4. エ
    複数あるクラウド事業者のサービス内容を比較検討し,自社が求める要件及びコントロール水準が充足できるかどうかを判定する。
解き方のヒントを見る

各段階の行動を時点で整理する

利用者が行う事項は、それがどの時点で実施されて初めて意味を持つのかという観点で捉えると整理しやすくなります。事項ごとに、実施に必要な前提がその時点でそろっているかを自分の言葉で確かめてから判断しましょう。

この問題で問われていること

この種の問題では、個々の事項の重要度よりも、その事項を行うべき時点との対応が検討の中心になります。ある事項が、それより前に決まっているべき情報や取り決めを必要とするかどうかに注目すると検討しやすくなります。

視点

利用者が行う事項の中には、判断の材料がそろう前には実施できないものや、実施が遅れると効果が得られないものがあります。各事項について「この時点で実施するために必要な入力は何か」「実施しないまま次へ進むと何が困るか」を考えると、事項と時点の結び付きを論理的に確かめられます。

確認ポイント

  • その事項を実施するために、前もって決まっている必要がある情報や取り決めは何か
  • その事項を示された時点より遅らせた場合、効果が失われたり実施できなくなったりしないか
  • その事項を示された時点より早めた場合、判断に必要な材料が不足していないか
正解と解説を見る

正解

ア

解説

“利用計画の策定”は事業者を選ぶ前の最初の段階です。ここで利用者は利用目的、利用範囲、期待効果を検討し、サービスに求める要件と事業者に求めるコントロール水準を定めます。したがって正答はアです。

理由

利用計画の策定は手順の先頭にある段階です。利用者はまず、何のためにどの範囲でクラウドを使い、どんな効果を期待するのかを検討します。そのうえで、サービスに求める要件と事業者に求めるコントロール水準を定めます。ここで決めた内容が、後の選定、契約、管理で使う判断基準になります。

比較

エの比較検討と充足判定は“クラウド事業者の選定”に当たります。ウのSLAなどによるコントロール水準の合意は“クラウド事業者との契約締結”、イのSLA遵守のモニタリングやコントロールの有効性確認は“クラウド事業者の管理”に当たります。いずれも特定の事業者や定めた要件が前提となるため、計画の策定より後の段階の活動です。

選択肢ア(正解)

これは正解だよ。利用計画の策定は手順の最初の段階で、事業者を選ぶ前に自社の方針を固める段階だよ。利用目的・利用範囲・期待効果を検討し、クラウドサービスに求める要件や事業者に求めるコントロール水準を定めることは、後の選定・契約・管理で使う判断基準を作る作業なので、この段階で実施すべき事項に当たるよ。

選択肢イ

これは不正解だよ。事業者がSLAなどを遵守しているかをモニタリングし、自社で構築したコントロールの有効性を確認して改善の必要性を検討するのは、契約締結後にサービスを利用している期間の活動だよ。手順では“クラウド事業者の管理”に当たり、利用計画の策定の時点ではまだ監視の対象となるSLAが存在しないよ。

選択肢ウ

これは不正解だよ。調整できない事項について自社の代替策を用意したうえで、コントロール水準をSLAなどで事業者と合意するのは、特定の事業者と条件をすり合わせて取り決める活動だよ。手順では“クラウド事業者との契約締結”に当たり、相手の事業者が決まる前の利用計画の策定で行う事項ではないよ。

選択肢エ

これは不正解だよ。複数の事業者のサービス内容を比較検討し、自社が求める要件とコントロール水準を満たせるかを判定するのは、“クラウド事業者の選定”の段階の活動だよ。この判定には基準となる要件とコントロール水準が先に定まっている必要があり、それを定めるのが利用計画の策定なので、エはその一つ後の段階の活動だよ。

学習のポイント

クラウド利用手順の五つの段階と、それぞれで利用者が行う活動を対応付けて覚えることが大切です。

出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)令和2年度10月 システム監査技術者試験 午前Ⅰ 問25(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例)

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