AUシステム監査技術者試験 午前Ⅰ

平成24年度春期 システム監査技術者 午前Ⅰ 問30

問題文と選択肢を読んで答えを考えてから、下の「正解と解説を見る」で確認しましょう。

問題

A 社は,B 社と著作物の権利に関する特段の取決めをせず,A 社の要求仕様に基づいて,販売管理システムのプログラム作成を B 社に依頼した。この場合のプログラム著作権の原始的帰属は,どのようになるか。

選択肢

  1. ア
    A社とB社が話し合って決定する。
  2. イ
    A社とB社の共有となる。
  3. ウ
    A社に帰属する。
  4. エ
    B社に帰属する。
解き方のヒントを見る

契約内容を軸に権利関係を考える視点

委託開発の著作権を考えるときは、作業の実態だけで結論を急がず、当事者間でどの事項が合意され、どの時点の成果物を対象としているかを順に確認します。さらに、各記載がどの論点に関わるかも分けて考えます。

この問題で問われていること

一つの観点として、契約上の合意が成果物の利用や権利の扱いをどこまで定めているかに注目し、明示された内容と読み取れる範囲を分けて整理してください。結論を急がず、本文中の根拠との対応も確認しましょう。

視点

委託開発では、誰がどの作業を担ったかだけでなく、当事者が成果物についてどのような取決めを置いたかを確認することが重要です。契約の文言、対象となる成果物、合意の時期を分けて読み、事実と評価を混同しないように整理しましょう。

確認ポイント

  • 契約書や合意事項のうち、成果物の権利や利用に直接関係する記載はどれか。
  • 確認している記載が、権利そのもの、利用条件、対価などのどの論点に関わるか。
  • 契約で明示された内容と、作業実態から推測している内容を区別できているか。
正解と解説を見る

正解

エ

解説

本問は、A社が要求仕様を示してB社へプログラム作成を依頼した一方、著作物の権利について特段の取決めをしていない場合の、プログラム著作権の原始的帰属を問う。原始的帰属はB社となる。

理由

本問の前提では、A社は販売管理システムの要求仕様を示し、B社にプログラム作成を依頼している。著作物の権利について特段の取決めがないため、プログラム著作権の原始的帰属は、実際にプログラムを作成したB社となる。

比較

A社が要求仕様を決めたことだけで、完成したプログラムの著作権がA社に帰属するわけではありません。また、委託しただけでA社とB社の共有になったり、両社の話合いがなければ帰属が決まらなかったりするものでもない。

選択肢ア

これは不正解だよ。問題文では、著作物の権利について特段の取決めをしていないと明示されている。そのため、権利の帰属を改めてA社とB社の話合いで決定するという選択肢は、原始的な帰属を問う本問の前提に合わない。

選択肢イ

これは不正解だよ。A社が要求仕様を示したことと、B社がプログラム作成を担当したことから、直ちに著作権が両社の共有になるとはいえない。特段の取決めがない本問では、共有とする根拠が示されていない。

選択肢ウ

これは不正解だよ。A社は販売管理システムの要求仕様を示しているが、問題文ではプログラム作成をB社に依頼している。仕様を提示したことだけを理由に、完成したプログラムの著作権がA社へ原始的に帰属すると判断するのは適切でない。

選択肢エ(正解)

これは正解だよ。問題文では、A社が要求仕様を示し、B社へ販売管理システムのプログラム作成を依頼している。著作物の権利について特段の取決めがないため、プログラム著作権の原始的帰属は、作成を担当したB社となる。

学習のポイント

要求仕様の提示、プログラムの創作主体、特段の権利取決めの有無を区別して判断する。

出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)平成24年度春期 システム監査技術者試験 午前Ⅰ 問30(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例)

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