AUシステム監査技術者試験 午前Ⅰ

平成22年度春期 システム監査技術者 午前Ⅰ 問22

問題文と選択肢を読んで答えを考えてから、下の「正解と解説を見る」で確認しましょう。

問題

システム開発委託先(受託者)から委託元(委託者)に納品される成果物に対する受入テストの適切性を確かめるシステム監査の要点はどれか。

選択肢

  1. ア
    委託者が作成した受入テスト計画書に従って,受託者が成果物に対して受入テストを実施していること
  2. イ
    受託者が成果物と一緒に受入テスト計画書を納品していること
  3. ウ
    受託者から納品された成果物に対して,委託者が受入テストを実施していること
  4. エ
    受託者から納品された成果物に対して,監査人が受入テスト計画を策定していること
解き方のヒントを見る

受入テスト監査の視点

受入テストの適切性を考えるときは、テスト対象と確認目的の対応関係に注目し、何を確かめるための活動なのか、観測できる根拠がそろっているかを順序立てて整理しましょう。

この問題で問われていること

一つの観点として、テストで確認しようとしている内容と、実際に設定された確認方法が無理なく対応しているかを見ます。目的、対象、結果の扱いを分けて読み、飛躍がないか確かめてください。

視点

適切性を監査する際は、個別の手法名や定型的な答えを暗記するよりも、確認の目的、対象となる範囲、得られた結果をどう結び付けて評価しているかを整理します。各要素の関係が説明可能か、前提が途中で変わっていないかを丁寧に見比べると、判断の軸を保ちやすくなります。

確認ポイント

  • 確認の目的と確認対象が同じ文脈で整理されているか
  • 結果を判断するための根拠が、観測可能な形で扱われているか
  • 前提や評価範囲が途中で変わっていないか
正解と解説を見る

正解

ウ

解説

受入テストは、受託者が作成して納品した成果物を、委託者が要求事項や受入条件に照らして確認し、受け入れるかどうかを判断するために実施する。監査人は、その計画や実施状況が適切かを評価する立場であり、受入テストの実施主体ではありません。

理由

受入テストは、受託者から納品された成果物が、委託者の要求事項や契約上の受入条件を満たしているかを委託者が確認する活動です。したがって、委託者が受入テストを実施していることが、適切性を確認する重要な要点になる。

比較

受託者は成果物の開発・納品を担い、委託者は納品物を受け入れるか判断する。監査人は、計画や実施状況を独立した立場で評価するため、受入テストの実施や計画策定そのものを担当する立場ではありません。

選択肢ア

これは不正解だよ。受入テストは、納品された成果物を委託者が受け入れるか判断するための確認であり、受託者が実施主体になると、開発・納品側が自ら受入判断を行う形になる。委託者が作成した計画書に従うだけでは、責任分担として適切とはいえない。

選択肢イ

これは不正解だよ。受入テスト計画書を成果物と一緒に納品することは、計画書の受渡しに関する事実にすぎず、納品物を委託者が実際に受入テストしたことを示さない。監査では、文書の同梱ではなく、受入側によるテスト実施を確認する。

選択肢ウ(正解)

これは正解だよ。受入テストは、受託者が開発・納品した成果物を、委託者が要求事項や受入条件に照らして確認し、受入可否を判断するために行う。したがって、委託者が納品後に受入テストを実施していることが、適切性を確認する要点になる。

選択肢エ

これは不正解だよ。監査人は、受入テストそのものを担当する立場ではなく、計画や実施状況が適切かを独立した立場で評価する。監査人が受入テスト計画を策定するという記述は、委託者の受入責任と監査人の評価責任を取り違えている。

学習のポイント

受託者・委託者・監査人の役割分担を正確に区別する。

出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)平成22年度春期 システム監査技術者試験 午前Ⅰ 問22(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例)

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