AUシステム監査技術者試験 午後Ⅰ
令和3年度秋期 システム監査技術者 午後Ⅰ 問3
事例を読んで設問の答えを考えてから、解説のポイントとIPA公式の解答例・採点講評で確認しましょう。
問題


解き方のヒントを見る
結合テスト完了評価の監査視点
結合テストの完了評価を監査する際に、個別の記録だけでなく、工程間のつながり、未解決事項の扱い、評価根拠の妥当性が次工程へ持ち越される可能性を確認する視点を整理します。
この問題で問われていること
この問題では、完了基準を満たしたという結論をそのまま受け入れず、評価資料が示す品質・課題・連携範囲を、次のテスト工程への影響という一つの観点から、根拠と実施主体を含めて点検してください。
視点
完了評価は、数値や記録が存在するかだけでなく、評価対象の範囲、根拠の独立性、未解決事項の扱い、次工程との責任分担が整合しているかを確認する作業です。個別の事象を、工程全体のリスクへ結び付けて考えます。
確認ポイント
- 評価対象と根拠資料の対応関係を確認する
- 未解決の課題について、状態・責任者・次工程への影響の記録を確認する
- 工程や契約の区分を踏まえ、次工程で誰が何を担うかの整理を確認する
正解と解説を見る
解説
本問は、外部委託先が実施した結合テスト完了評価を監査し、品質評価の妥当性、課題対応、類似不良の共有、インタフェース試験、システムテストの実施体制を確認する問題です。
問題の全体像
C社は、開発ノウハウが不足する中で、P社に基幹システムの再構築を委託している。結合テスト完了評価では問題ないとされているが、販売管理のテスト品質、生産管理の不良と課題対応、購買管理と生産管理のインタフェース未確認などにリスクが残る。さらに、今後のシステムテストではC社側が主体的に関与できる体制も重要になる。公式解答例は、これらをシステムテスト開始前に監査上確認・改善すべき事項として示している。
設問1
販売管理システムでは、テスト密度やテスト項目数が十分であることを理由に品質に問題ないと評価している。しかし、項目数の多さだけでは、テスト項目の内容やエラーケースなど、テストの質が十分かどうかは判断できない。したがって、公式解答例は「テスト項目の質が十分であることが評価されていないから」としている。30字以内なので、項目数と質の違いを簡潔に押さえる。
設問2
生産管理システムでは、マスタデータの作成ミスでテストをやり直しており、同じ事象がシステムテストで起きると全体の進捗に影響する。したがって、課題管理表を閲覧し、再発防止策の具体的な内容と対応期限を確認する。公式解答例もこの監査手続と監査証拠を示している。
設問3
生産管理システムでは類似不良への品質向上策を実施済みとしているが、財務会計システムを含め各業務システムには相互のインタフェースがある。生産管理チーム内だけの対策では、他チームで同じ不良を見逃す可能性があるため、類似不良点検の情報が開発チーム間で共有されているかを確認する。
設問4
購買管理システムと生産管理システムのインタフェースは、仕様漏れを修正しただけで、両システムを接続した確認が未実施です。環境準備でシステムテストの余裕も少ないため、未確認のまま先送りすると影響が拡大する。公式解答例は、システムテスト開始前に両システムの疎通確認テストを実施することを改善提案としている。
設問5
システム部は新規開発のノウハウが不足し、実質的にP社が開発を主導している。一方、システムテストでは全業務システムを連携させたテストとユーザ受入テストを行う計画です。そのため、P社の協力に依存するだけでなく、C社システム部と利用部門が主体的にシステムテストを実施できる体制を確保できるか確認する。
学習のポイント
完了基準を形式的に確認するだけでなく、根拠資料から残存リスクを具体化する力を身につける。
出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)令和3年度秋期 システム監査技術者試験 午後Ⅰ 問3(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例 / 採点講評)
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