AUシステム監査技術者試験 午前Ⅱ

令和3年度秋期 システム監査技術者 午前Ⅱ 問8

問題文と選択肢を読んで答えを考えてから、下の「正解と解説を見る」で確認しましょう。

問題

システム監査基準(平成30年)における“十分かつ適切な監査証拠”を説明したものはどれか。

選択肢

  1. ア
    証拠としての質的十分性を備え,証拠の保管要件に適合し,かつ偽造されていないことが確認された証拠
  2. イ
    証拠としての質的十分性を備え,法令及び組織の内部規則に適合し,かつ適切な方法によって入手された証拠
  3. ウ
    証拠としての量的十分性を備え,システム管理基準に適合し,かつ情報システムから出力された証拠
  4. エ
    証拠としての量的十分性を備え,確かめるべき事項に適合し,かつ証明力を備えた証拠
解き方のヒントを見る

監査証拠の評価軸を切り分けて考える

監査証拠を評価する際に用いられる二つの用語は、それぞれ別の観点から証拠を評価するものです。各用語が何を問うているのかを自分の言葉で整理し、問われている内容がどちらの観点に対応するかを落ち着いて照合しましょう。

この問題で問われていること

この分野では、似た響きの用語でも評価の対象や視点が異なることがあります。二つの用語を混同せず、それぞれが証拠のどのような側面を評価するための概念なのかを、監査の目的と結び付けて区別できるかが焦点です。

視点

監査人は、監査意見を形成する根拠として監査証拠を入手します。入手した証拠が意見を支えるに足るかどうかは、一つの尺度ではなく複数の観点から評価されます。用語を日常的な語感だけで判断せず、監査の基準のなかでどのような位置付けの言葉として使われているかを意識して整理することが、取り違えを防ぐ近道です。

確認ポイント

  • 二つの用語それぞれが、監査証拠のどのような側面を評価する観点なのかを自分の言葉で説明できるか
  • 問われている内容が、どちらの用語の観点に当てはまるかを一つずつ照合したか
  • 用語の日常的な語感だけに頼らず、監査意見の根拠として証拠を評価するという文脈で捉えたか
正解と解説を見る

正解

エ

解説

十分かつ適切な監査証拠とは、証拠として必要な量的十分性を備え、確かめるべき事項に適合し、監査上の判断を裏付ける証明力を備えた証拠です。したがって、エが該当する。

理由

「十分」は証拠の量が必要な水準に達していることを指し、「適切」は確かめるべき事項との関連性や、監査判断を支える証明力を備えていることを指します。エはこの二つの観点を正しく示している。

比較

他の選択肢は、質的十分性、法令や内部規則への適合、情報システムからの出力、保管要件や偽造の有無など、監査証拠の一部の条件を挙げているが、基準が示す量的十分性と適切性の組合せになっていない。

選択肢ア

これは不正解だよ。保管要件への適合や偽造されていないことの確認は、証拠の信頼性を支える確認事項ではあるが、“十分かつ適切な監査証拠”の説明として示される量的十分性や、確かめるべき事項への適合性、証明力を表していない。

選択肢イ

これは不正解だよ。法令や組織の内部規則への適合、適切な方法による入手は重要な監査上の留意事項になり得る。しかし、この選択肢は質的十分性としており、設問の説明に必要な量的十分性と、確かめるべき事項への適合性・証明力を示していない。

選択肢ウ

これは不正解だよ。量的十分性に触れている点は一部の観点に関係するが、システム管理基準への適合や情報システムからの出力だけでは、監査証拠としての適切性は判断できない。確かめるべき事項への適合性と証明力の説明も不足している。

選択肢エ(正解)

これは正解だよ。監査証拠に必要な量的十分性を備え、監査で確かめるべき事項に適合し、監査人の判断を裏付ける証明力を備えるという説明であり、十分性と適切性の両面を正しく表している。

学習のポイント

監査証拠の量的十分性と、対象への適合性・証明力の関係を整理する。

出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)令和3年度秋期 システム監査技術者試験 午前Ⅱ 問8(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例)

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