AUシステム監査技術者試験 午後Ⅰ
平成25年度春期 システム監査技術者 午後Ⅰ 問4
事例を読んで設問の答えを考えてから、解説のポイントとIPA公式の解答例・採点講評で確認しましょう。
問題



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販売プロセス監査の着眼点
販売に関する仕組みを考えるときは、業務の目的と統制の役割を切り分け、どの場面でどのようなリスクを抑えたいのかを整理してから、監査で確かめる観点を丁寧に結び付けます。
この問題で問われていること
一つの確認軸として、販売業務の各段階で想定されるリスクと、それを抑えるために設けられた管理の目的が対応しているかに注目し、記録や担当の関係も含めて一貫性を考えてください。
視点
監査では、業務の流れを追いながら、目的・リスク・管理・確認可能な証跡という関係を整理します。個別の仕組みを暗記するより、何を守るための管理かを問い直すと、検討の軸を保ちやすくなります。
確認ポイント
- 販売業務の目的と、抑えたいリスクの対応を確認する
- 各管理が担う役割と、確認できる記録のつながりを整理する
- 担当や承認の関係が、業務の流れと矛盾しないか点検する
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解説
本問は、受注から請求・債権管理までを複数システムが連携して処理する販売プロセスを題材に、システム間の関係を踏まえた監査計画の見直しを問う問題です。
問題の全体像
X社では、EDI、受注、販売、会計など複数のシステムが受注・出荷・売上・請求・仕訳を連携して処理している。各システムの環境や管理部署が異なり、規程も概括的であるため、監査では個別機能だけでなく、システム間の権限関係、データの受渡し、外部委託先を含む処理全体を確認する必要がある。公式解答例の出題趣旨も、複数システムの関連性に着眼してリスクを評価する能力を問う点にある。
設問1
着目するのは、各システムのパスワード設定を確認する監査手続①aと、情報システムに関する規程・手順書が概括的で、パスワード桁数などの具体的基準を定めていないという状況です。担当者がそれぞれの経験や判断で妥当性を評価すると結果に差が出るため、事前に統一した判断基準を共有する必要がある。公式解答例では、規程が概括的で担当者によって妥当性の判断に差異が生じる可能性を理由としている。40字以内では「規程が概括的で、担当者によって妥当性の判断に差異が生じる可能性」を押さえる。
設問2
着目するのは、各システムの利用者IDと権限を個別に確認するだけでは、複数システムをまたぐ職務分離を評価できない点です。受注・販売・会計など他システムの権限を組み合わせると、一人の利用者が本来分離すべき業務を実行できる可能性がある。公式解答例では、他システムの権限を含めて検討すると職務分離が適切でない可能性があることを理由としている。
設問3
着目するのは、倉庫業者の独自システムから販売システムへ送られる出荷実績データです。販売システム側に、倉庫へ送った出荷指示データと受信した出荷実績データを照合する機能を設ければ、出荷実績の正確性と漏れを確認できる。公式解答例では、出荷実績データの正確性及び網羅性を保証するため、出荷指示データとマッチングする機能を示している。45字以内では「出荷実績データ」「正確性・網羅性」「出荷指示データとのマッチング」を含める。
設問4
着目するのは、会計システムの項目チェックでエラーになった取引がエラーリストに出力され、経理部が修正して再入力する流れです。請求データのインタフェース処理を監視するだけでは、エラーとなったデータが後続処理に取り込まれたか確認できない。したがって、出力されたエラーデータが全件会計システムへ入力されたことを確かめる手続を追加する。これは公式解答例の内容に対応する。
設問5
着目するのは、月次では販売システムと会計システムの売上高が一致すべきこと、及び請求データは顧客ごとの請求締め日の翌日に作成されることです。月末時点で売上は計上されているが、請求締め日前などの理由で請求データがまだ作成されていない売上は、会計システムとの照合対象として月次リストに含める必要がある。公式解答例では「月末において請求データが作成されていない当月の売上データ」としている。
学習のポイント
個別システムの確認にとどまらず、権限、データ連携、例外処理、月次照合を一体として考える力を身につける。
出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)平成25年度春期 システム監査技術者試験 午後Ⅰ 問4(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例 / 採点講評)
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