AUシステム監査技術者試験 午後Ⅰ
平成24年度春期 システム監査技術者 午後Ⅰ 問4
事例を読んで設問の答えを考えてから、解説のポイントとIPA公式の解答例・採点講評で確認しましょう。
問題


解き方のヒントを見る
移行統制のつながりを確認する
システム移行計画を検討するときは、作業項目を個別に眺めるのではなく、計画上の判断や管理方法が、どのリスクへの対応として説明できるかを一貫して確認します。その関係を丁寧に見ます。
この問題で問われていること
一つの観点として、移行に伴う懸念、実施する管理、確認の記録が互いに対応づけられ、計画全体の説明に無理がないかを、問題文の条件に沿って読み取ってください。焦点を広げすぎないことが大切です。
視点
移行計画の監査では、予定されている作業だけでなく、その判断を支える根拠と、実施後に確認できる記録とのつながりに注目します。個々の記述を評価する前に、計画・管理・確認の関係を同じ粒度で追えるか整理すると、論点を限定して考えやすくなります。
確認ポイント
- 計画上の判断と、対応づけられた管理内容を追跡できるか
- 確認の方法や記録が、計画の説明と結び付いているか
- 条件の違いによって、確認すべき関係が変わっていないか
正解と解説を見る
解説
本問は、販売管理システムの本番移行について、時間制約やデータ不備、予期せぬトラブルに対する監査上の着眼点と確認手続を問う問題です。
問題の全体像
S社は現行の販売管理システムを新システムへ移行しようとしており、移行計画書・手順書を基に監査を行っている。移行リハーサルの時間、移行用プログラムの修正、顧客ランクを含むマスタ移行、トラブル発生時の継続・中止判断が論点です。出題の狙いは、移行に伴うリスクを具体化し、その有効性を確かめる監査要点や手続を示すことです。
設問1
移行リハーサルの合計時間だけを見て本番スケジュールの妥当性を判断するのでは不十分です。リハーサルを実施したときのデータ量、実行環境などの条件が、本番移行時と同じかを確認する。公式解答例でも、本番移行と同じ条件でリハーサルを行ったかが示されている。35字以内なので、条件の同一性に絞って書く。
設問2(リスク)
移行用プログラムは単体テストと結合テストを実施済みだが、システムテストでデータ不備が見つかるたびに修正されている。修正後のプログラムについて、同じ水準の結合テストが確認できないため、本番移行後のデータに不具合が発生するリスクを捉える。25字以内では、発生する結果を簡潔に示す。
設問2(監査手続)
リスクの原因は、システムテストで修正された移行用プログラムの再テスト状況が不明なことです。したがって、修正された移行用プログラムについて結合テストが実施されたことを、テスト結果報告書で確認する。公式解答例の手続に沿い、対象と証拠を明記する。
設問3(1)
移行データが漏れなく処理されたかを確かめるため、移行処理の件数を現行データの件数と照合する。画面上の一部データだけを見る確認ではなく、処理件数の一致によって全体の網羅性を確認する点が重要です。
設問3(2)
顧客マスタには新たに重要項目である顧客ランクが追加され、移行用プログラムが自動設定する。そこで、顧客マスタを何件かサンプルとして画面表示し、顧客ランクが適切に付加されていることを確認する。件数確認とは異なり、内容の正確性を確認する答案にする。
設問4
連絡体制と責任者は既に手順書に記載されているため、追加の着眼点はトラブル時に移行を続けるか中止するかの判断です。公式解答例に沿い、移行を中止する場合の判断基準が明確になっていることを具体的なコントロールとして示す。
学習のポイント
移行計画の記載を具体的なリスクとコントロールへ結び付ける力を養う。
出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)平成24年度春期 システム監査技術者試験 午後Ⅰ 問4(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例 / 採点講評)
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