AUシステム監査技術者試験 午前Ⅱ

平成24年度春期 システム監査技術者 午前Ⅱ 問5

問題文と選択肢を読んで答えを考えてから、下の「正解と解説を見る」で確認しましょう。

問題

システム監査報告書に記載された改善勧告に対する監査人の取組みのうち,適切なものはどれか。

選択肢

  1. ア
    改善勧告に対する改善実施状況を確認する。
  2. イ
    改善勧告に対する改善の実施を,被監査部門の長に指示する。
  3. ウ
    改善勧告に対する被監査部門の改善実施プロジェクトの管理を行う。
  4. エ
    改善勧告の内容を被監査部門に示し,改善実施計画を提出させる。
解き方のヒントを見る

改善勧告後の関与を考える観点

システム監査では、改善勧告を出した後の段階でも監査人が何らかの形で関わる場面があります。その関わり方が監査人に求められる立場や基本姿勢と整合しているかという一つの観点から、内容の妥当性を落ち着いて検討しましょう。

この問題で問われていること

問われているのは、監査報告の後に監査人がどのような立場で関与するのが適切かという整理です。監査人の独立性・客観性を保つという基本姿勢と、組織内の各主体が負う責任の範囲とを照らし合わせて考えることが焦点になります。

視点

システム監査は、監査対象から独立した立場の監査人が、情報システムに関する管理の状況を点検・評価し、結果を報告する活動として位置付けられます。監査の各工程(計画・実施・報告・その後)で、誰が判断し誰が責任を持つのかを区別して捉えることが、関与の在り方を考える土台になります。

確認ポイント

  • 監査人に求められる独立性・客観性が、報告後の段階でも損なわれないかを確認する
  • 監査人・被監査部門・経営者など、各主体の責任の範囲がどこにあるかを整理する
  • 考えられる関与の仕方が、その責任区分と矛盾しないかを一つずつ照らし合わせる
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正解

ア

解説

システム監査人は、改善勧告を出した後、その勧告に基づく改善が実際に行われているかを確認する。一方、改善の実施を指示したり、計画提出を強制したり、実施プロジェクトを管理したりすると、被監査部門の業務執行に踏み込み、監査人の独立性を損なうおそれがある。

理由

改善勧告に対する監査人の主な役割は、被監査部門が講じた改善措置の実施状況を確認し、勧告が適切に受け止められたかを評価することです。したがって、改善実施状況を確認するアが適切です。

比較

イのように実施を指示すること、ウのように改善プロジェクトを管理すること、エのように計画提出をさせることは、被監査部門の管理者が担うべき実施責任に踏み込む。監査人は改善を実行する側ではなく、対応状況を確認する側です。

選択肢ア(正解)

これは正解だよ。監査人は、改善勧告を出した後に、被監査部門が実際に改善措置を実施したか、その内容が勧告に対応しているかを確認する。実施そのものを監査人が担うのではなく、独立した立場で進捗や結果を確認するため、適切な取組みである。

選択肢イ

これは不正解だよ。改善勧告に対する改善の実施を被監査部門の長に指示すると、監査人が業務執行や組織運営に直接関与することになる。監査人の役割は改善を命令することではなく、被監査部門が実施した対応の状況を確認することである。

選択肢ウ

これは不正解だよ。被監査部門の改善実施プロジェクトを監査人が管理すると、改善活動の責任者や実行管理者になってしまう。監査人は改善策の実施主体ではないため、独立性を保つ観点から、プロジェクト管理ではなく実施状況の確認にとどめる。

選択肢エ

これは不正解だよ。改善勧告の内容を被監査部門に示すこと自体は監査報告の一部になり得るが、改善実施計画を提出させる行為まで行うと、実施方法や管理に介入することになる。計画の策定と提出は被監査部門側の責任である。

学習のポイント

監査人の独立性と、改善勧告後のフォローアップ確認の範囲を理解する。

出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)平成24年度春期 システム監査技術者試験 午前Ⅱ 問5(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例)

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