AUシステム監査技術者試験 午前Ⅱ

平成23年度特別 システム監査技術者 午前Ⅱ 問10

問題文と選択肢を読んで答えを考えてから、下の「正解と解説を見る」で確認しましょう。

問題

金融庁の“財務報告に係る内部統制の評価及び監査の基準”におけるIT業務処理統制に該当するものはどれか。

選択肢

  1. ア
    外部委託に関する契約の管理
  2. イ
    システムの運用管理
  3. ウ
    システムの開発・保守に係る管理
  4. エ
    利用部門によるエラーデータの修正と再処理
解き方のヒントを見る

IT統制を整理する一つの視点

IT統制の種類を区別するときは、名称や配置だけで判断せず、統制が働く対象と、どの段階で何を確かめるためのものかという観点をそろえて考えます。選択肢ごとに同じ基準で比べることが重要です。

この問題で問われていること

一つの選択肢に注目し、そこに示された統制の目的・適用範囲・実施されるタイミングを読み取って、他の選択肢にも同じ基準を当てはめて整理しましょう。表現の印象に引きずられないことが大切です。

視点

統制の名称ではなく、何を対象に、どの範囲で、どの時点に作用する説明なのかを切り分けて読むと、概念の違いを整理しやすくなります。

確認ポイント

  • 統制の目的と対象を同じ基準で確認する
  • 適用される範囲や関係する工程に注目する
  • 実施されるタイミングを他の観点と分けて整理する
正解と解説を見る

正解

エ

解説

IT業務処理統制とは、業務システムで入力・処理されるデータの正確性、完全性、妥当性などを確保するための統制です。したがって、利用部門がエラーデータを修正し、改めて処理する活動が該当する。

理由

IT業務処理統制は、個々の業務処理に組み込まれ、入力データのチェック、エラーの修正、再処理などを通じて、財務報告に用いる情報の正確性や完全性を確保する。正答の活動は、業務データの誤りを利用部門が是正し、処理結果に反映させる統制に当たる。

比較

外部委託契約の管理、システム運用管理、システム開発・保守の管理は、システムを継続的かつ適切に管理するためのIT全般統制に分類される。これらは個別取引のエラーを修正して再処理する業務処理そのものではありません。

選択肢ア

これは不正解だよ。外部委託に関する契約の管理は、委託先の責任範囲やサービス内容、管理方法などを定め、システム運用を適切に統制するための活動である。個々の業務データを検証し、誤りを修正して再処理するIT業務処理統制ではなく、IT全般統制に該当する。

選択肢イ

これは不正解だよ。システムの運用管理は、安定稼働、障害対応、アクセスやジョブの管理など、情報システムを継続的に運用するための統制である。特定の業務データに含まれるエラーを利用部門が修正し、再処理する活動とは統制の対象が異なる。

選択肢ウ

これは不正解だよ。システムの開発・保守に係る管理は、変更手続、テスト、承認、リリースなどを管理し、システムの信頼性を維持するための活動である。個別の取引データを業務処理の中で修正・再処理する統制ではないため、IT全般統制に分類される。

選択肢エ(正解)

これは正解だよ。利用部門によるエラーデータの修正と再処理は、業務処理の過程で発生したデータの誤りを是正し、正しい結果を得るための統制である。個々の業務処理の正確性や完全性を確保する活動なので、IT業務処理統制に該当する。

学習のポイント

IT全般統制とIT業務処理統制の対象範囲を区別する。

出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)平成23年度特別 システム監査技術者試験 午前Ⅱ 問10(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例)

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