STITストラテジスト試験 午後Ⅱ
令和5年度春期 ITストラテジスト 午後Ⅱ 問3
事例を読んで設問の答えを考えてから、解説のポイントとIPA公式の解答例・採点講評で確認しましょう。
問題
解き方のヒントを見る
判断の前提をそろえて考える
企画や製品化について考えるときは、判断の土台となる前提に注目しましょう。何を目指し、どのような条件の下で考えているのかを整理すると、個々の情報の意味を落ち着いて捉えやすくなります。
この問題で問われていること
判断するときは、自分が補った想定と、与えられた情報から確認できる前提とを分けて考えてみましょう。なじみのある事例を思い浮かべても、その事例の条件をそのまま当てはめていないかを確かめることが大切です。
視点
前提とは、考える際の土台となる条件です。経験から思い浮かぶ条件もありますが、それが今回の検討で与えられた条件なのか、自分で補った想定なのかを区別して整理しましょう。
確認ポイント
- 判断の前提となる条件を確認したか
- 明示された前提と自分の想定を分けたか
- 別の事例の前提を持ち込んでいないか
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解説
社会環境が急変する中で、市場のニーズに適合し、社会に新たな価値を提供する組込みシステム・IoT製品の戦略を論述する問題です。製品概要と企画の経緯、調査・提案・課題解決の取組、その寄与と評価を、選んだアプローチに沿って具体的につなぐことが要点です。
問題の全体像
問題文は、新しい生活様式や行動変容、労働力低下などの社会環境の変化を背景に、競争に勝ち抜くための革新的な製品戦略を求めています。飲料自動補充システムや海老養殖システムは例示であり、論述では自分が携わった組込みシステム・IoT製品を対象にします。添付の問3の資料に示されているのは個別の解答例ではなく、出題趣旨です。出題趣旨では、市場調査・情報収集、製品化の立案と課題解決、プレゼンテーションの内容を、プロダクトイノベーションの手法の視点から具体的に論述することを求め、分析力、提案力、マネジメント力などを評価するとしています。設問アで対象と企画の背景を示し、設問イで取組を具体化し、設問ウで寄与と評価を述べる構成にします。採点講評では、対象製品の概要が不明瞭な論述や、提案に対する評価が述べられていない論述が指摘されています。
設問ア
「製品の概要と企画の経緯」「アプローチした型とその理由」の二点に着目します。800字以内で、誰がどのような場面で利用し、何を実現する製品なのかを示した上で、企画の契機となった社会環境の変化や市場のニーズ、それに対して提供しようとした新たな価値を説明します。製品の概要では、組込みシステムやIoTが果たす役割も分かるように記述すると、対象を具体化できます。続いて、問題文に挙げられた技術主導型、ニーズ主導型、類似品型、商品コンセプト型のうち、実際にアプローチした型を明示し、企画の経緯と結び付けて理由を述べます。型の名称だけで終わらず、何を起点に製品企画を進めたかを説明することが大切です。採点講評で製品概要の不明瞭さが指摘されているため、背景説明に字数を使いすぎず、製品の具体像と型を選んだ理由を押さえます。
設問イ
設問アで述べた型を前提として、①市場・競合他社の動向調査と最新技術情報の収集・検討、②ステークホルダへの提案と承諾、③製品化の過程で抽出した課題と策定した解決策を、800字以上1、600字以内で具体的に述べます。調査・情報収集については、どのように実施し、何が分かり、製品企画でどのように検討したかをつなげます。提案については、誰にどのような内容をどのような方法で伝え、承諾に至ったかを記述します。課題と解決策については、製品化を進める上で何が問題となり、それに対してどのような解決策を策定したかを対応させます。問題文は早期の製品化などを考慮した課題抽出にも言及しているため、自分の事例でその要請があれば説明に反映します。出題趣旨では、これらをアプローチの視点から具体的に論述することを求めています。競合他社の価格、費用やリスク、課題の優先順位などは、事例に応じて説明に使える項目ですが、設問が一律に要求する必須事項ではありません。
設問ウ
「調査結果、収集した情報は、どのように寄与したか」「ステークホルダへの提案の評価」「課題の解決策に対する妥当性の評価」の三点を、600字以上1、200字以内で具体的に述べます。まず、設問イのどの調査結果や技術情報が、市場のニーズへの適合性の判断や製品企画の具体化にどう役立ったかを説明します。次に、提案をどのように評価したかを、その根拠とともに示します。承諾された事実の再掲だけで終わらず、提案内容や伝え方について、どの点が有効だったと判断したかを記述します。最後に、設問イで抽出した課題に対して、策定した解決策がなぜ妥当だったかを、課題との対応や確認できた結果などに基づいて評価します。品質、コスト、運用、残された制約や今後の改善は、事例に適していれば使える任意の観点であり、必須要素ではありません。採点講評では提案に対する評価の欠落が指摘されているため、情報の寄与、提案の評価、解決策の妥当性のいずれも省略しないことが重要です。
学習のポイント
製品の概要を明確に記述し、調査結果から企画上の判断、提案と承諾、課題解決と評価へ至る関係を、自分の経験と考えに基づいて説明する練習が重点です。
出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)令和5年度春期 ITストラテジスト試験 午後Ⅱ 問3(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例 / 採点講評)
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