STITストラテジスト試験 午前Ⅰ

平成29年度秋期 ITストラテジスト 午前Ⅰ 問29

問題文と選択肢を読んで答えを考えてから、下の「正解と解説を見る」で確認しましょう。

問題

予測手法の一つであるデルファイ法の説明はどれか。

選択肢

  1. ア
    現状の指標の中に将来の動向を示す指標があることに着目して予測する。
  2. イ
    将来予測のためのモデル化した連立方程式を解いて予測する。
  3. ウ
    同時点における複数の観測データの統計比較分析によって将来を予測する。
  4. エ
    複数の専門家へのアンケートの繰返しによる回答の収束によって将来を予測する。
解き方のヒントを見る

予測手法を整理する視点

予測手法を比べるときは、名称や印象だけで判断せず、入力される情報と予測したい対象の関係に注目し、どの前提で結果が変わるかを整理しましょう。また、観測時点と利用目的の違いも切り分けて考えます。

この問題で問われていること

一つの観点として、予測の根拠となる情報が、対象の変化をどの時点でどのように捉えているかを確認し、手法名から結論を急がないようにしましょう。結果の良し悪しではなく、前提との対応を見ます。

視点

手法を整理するときは、まず予測対象、利用できる情報、観測のタイミング、利用目的を同じ基準で並べます。そのうえで、前提が変わった場合に比較の軸がずれないかを確認します。

確認ポイント

  • 予測の対象と、根拠として使われる情報が対応しているか確認する
  • 情報が得られる時点と、予測を行う時点の関係を確認する
  • 前提や利用目的を変えたとき、比較の観点が保たれているか確認する
正解と解説を見る

正解

エ

解説

デルファイ法は、複数の専門家に同じテーマについて繰り返しアンケートを行い、その回答を整理して示しながら意見を収束させ、将来を予測する手法です。

理由

デルファイ法では、複数の専門家にアンケートを繰り返し実施し、各回の回答を集計・整理する。その結果を踏まえて専門家が再度回答することで、将来に関する意見を徐々に収束させて予測する。したがって、専門家へのアンケートの繰返しによる回答の収束を説明するエが適切です。

比較

アは将来の変化を先取りして示す先行指標に着目する予測であり、デルファイ法の説明ではありません。イは数式モデルを解く方法、ウは同時点の複数データを統計的に比較する方法を示しており、いずれも専門家の回答を反復して集約する手法とは異なる。

選択肢ア

これは不正解だよ。現状の指標の中から将来の動向を示すものに着目する説明は、先行指標を利用した予測に当たる。デルファイ法の中心である、複数の専門家にアンケートを繰り返して意見を収束させる手続を説明していないため、この選択肢は該当しない。

選択肢イ

これは不正解だよ。将来予測のためにモデル化した連立方程式を解く説明は、数理モデルやシミュレーションを用いた予測方法を示している。デルファイ法は、連立方程式の解を求めるのではなく、専門家への反復アンケートで知見を集約する方法である。

選択肢ウ

これは不正解だよ。同時点の複数の観測データを統計的に比較して将来を予測する説明は、データ分析に基づく予測方法を示している。デルファイ法では、観測データの比較そのものではなく、複数の専門家から繰り返し得た回答を整理し、意見を収束させる。

選択肢エ(正解)

これは正解だよ。デルファイ法は、複数の専門家にアンケートを繰り返し行い、回答を集計・整理して次の回答に反映させることで、将来に関する意見を収束させる予測手法である。この選択肢は、その特徴を正しく説明している。

学習のポイント

デルファイ法は専門家の反復回答と意見の収束を組み合わせた予測手法として覚える。

出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)平成29年度秋期 ITストラテジスト試験 午前Ⅰ 問29(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例)

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