STITストラテジスト試験 午前Ⅰ

平成26年度秋期 ITストラテジスト 午前Ⅰ 問19

問題文と選択肢を読んで答えを考えてから、下の「正解と解説を見る」で確認しましょう。

問題

工期を短縮させるために,クリティカルパス上の作業に“ファストトラッキング”技法を適用した対策はどれか。

選択肢

  1. ア
    時間外勤務を実施する。
  2. イ
    生産性を高められる開発ツールを導入する。
  3. ウ
    全体の設計が完了する前に,仕様が固まっているモジュールの開発を開始する。
  4. エ
    要員を追加投入する。
解き方のヒントを見る

工程短縮を見分けるための確認軸

工程を短くする案を検討するときは、作業の順序や依存関係、利用できる資源への影響を分けて捉え、単に期間が変わるかではなく、どの前提を動かす提案なのかを確認しましょう。

この問題で問われていること

各案について、対象となる工程と変更される前提を対応づけ、期間・費用・資源・品質などの影響を同じ観点で比較してください。用語の印象だけで判断せず、案が何を変えようとしているかに注目します。

視点

工程短縮の検討では、目的、対象範囲、依存関係、制約条件、追加負担を切り分け、提案の特徴を一つの軸で整理すると、表面的な表現に引きずられにくくなります。

確認ポイント

  • 案が変更しようとしている対象を一語で言い換える
  • その変更が前提・制約・依存関係のどれに関係するか確認する
  • 変更による影響を期間だけでなく同じ基準で記録する
正解と解説を見る

正解

ウ

解説

ファストトラッキングは、作業の順序を一部重ねて並行して進めることで、クリティカルパス上の工期を短縮する技法です。作業時間や要員を増やす対策とは区別する。

理由

ファストトラッキングは、本来は順番に実施する工程について、前工程の全完了を待たず、実施可能な部分から後工程を開始して作業期間を重ねる方法です。したがって、クリティカルパス上の工程を並行化できるかが判断のポイントになる。

比較

時間外勤務や要員追加は投入できる労働量を増やす方法であり、開発ツールの導入は作業効率を高める方法です。これらに対し、ファストトラッキングは工程間の順序や着手時期を調整して重複させる点に特徴がある。

選択肢ア

これは不正解だよ。時間外勤務で同じ作業に充てる労働時間を増やして短縮を図るのは、工程を重ねるファストトラッキングではない。作業量や実施時間への投入を増やす対策であり、工程間の並行化を示していない。

選択肢イ

これは不正解だよ。生産性を高められる開発ツールの導入は、個々の作業を効率化して所要時間を短くする施策である。ファストトラッキングの要点である、本来順番に行う作業の重なりや着手時期の前倒しを表していない。

選択肢ウ(正解)

これは正解だよ。全体設計の完了を待たず、仕様が確定したモジュールから開発を始めるのは、後続作業の一部を前倒しして前工程と重ねる方法である。工程を並行化してクリティカルパスの期間を短縮するため、ファストトラッキングに該当する。

選択肢エ

これは不正解だよ。要員を追加投入するのは、作業を分担して必要な期間を短くするために投入資源を増やす対策である。これは工程同士を重ねて進めるファストトラッキングではなく、要員増加による工期短縮に当たる。

学習のポイント

工程の並行化と、作業時間・要員を増やす短縮策の違いを理解する。

出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)平成26年度秋期 ITストラテジスト試験 午前Ⅰ 問19(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例)

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