SAシステムアーキテクト試験 午前Ⅱ

令和5年度春期 システムアーキテクト 午前Ⅱ 問3

問題文と選択肢を読んで答えを考えてから、下の「正解と解説を見る」で確認しましょう。

問題

複数のシステムの組合せによって実現するSoS(System of Systems)をモデル化するのに適した表記法であるSysMLの特徴はどれか。

選択肢

  1. ア
    オブジェクト図によって,インスタンスの静的なスナップショットが記述できる。
  2. イ
    単純な図形及び矢印によって,システムのデータの流れが記述できる。
  3. ウ
    パラメトリック図によって,モデル要素間の制約条件が記述できる。
  4. エ
    連接,反復,選択の記述パターンによって,ソフトウェアの構造が分かりやすく視覚化できる。
解き方のヒントを見る

記述が成り立つ範囲を意識する

システムのモデルについて考えるときは、記述がどの範囲を対象にしているかに注目しましょう。用語の印象だけで判断せず、そこで扱われている対象と条件を押さえ、同じ範囲の話として理解できるかを確かめます。

この問題で問われていること

この分野の知識を当てはめる前に、問われている内容と自分が思い浮かべた知識の対象範囲がそろっているかを確認しましょう。知っている言葉が現れても、別の場面で覚えた内容をそのまま重ねていないかに注意します。

視点

知識を思い出すときは、その知識がどの範囲について述べたものだったかも振り返りましょう。対象範囲を意識することで、言葉の似ている別の話を混ぜずに考えやすくなります。

確認ポイント

  • 扱われている対象範囲を意識したか
  • 思い出した知識も同じ範囲の話か
  • 別の場面の前提を持ち込んでいないか
正解と解説を見る

正解

ウ

解説

正答はウです。SysMLはUMLを基にしたシステムのモデル化言語であり、パラメトリック図によってモデル要素間の制約条件を記述できます。ほかの選択肢は、SysMLに採用されていないUMLの図や、別の記法の特徴を説明しています。

理由

設問が尋ねているのはSysMLの特徴です。ウのパラメトリック図はSysMLで追加された図であり、モデル要素間の制約条件を表せます。例えば、物理量や性能に関する関係を数式などで定義し、その関係に従う値と結び付けて、システムの分析に利用できます。

比較

SysMLは、UMLのユースケース図・活動図・シーケンス図・状態機械図・パッケージ図を採用・拡張しています。また、クラス図と複合構造図を基に、ブロック定義図と内部ブロック図を用意し、要求図とパラメトリック図を追加しています。一方、オブジェクト図・コンポーネント図・配置図などは採用していません。したがってアはUMLのオブジェクト図の説明です。イはデータフロー図、エはPADやNS図などの構造化プログラミングに基づく記法の説明に当たります。SysMLでも流れや分岐は表せますが、それだけでこれらの記述がSysMLの特徴になるわけではありません。

選択肢ア

これは不正解だよ。オブジェクト図でインスタンスの静的なスナップショットを表すという説明は、UMLの特徴としては正しいものです。しかし、SysMLはUMLの全ての図を採用しているわけではなく、オブジェクト図は採用していません。そのため、SysMLの特徴を述べた選択肢にはなりません。

選択肢イ

これは不正解だよ。単純な図形及び矢印でシステムのデータの流れを表す記述は、一般的なデータフロー図(DFD)の説明です。SysMLの活動図でも動作の順序や物の流れを表せますが、DFDはSysMLの図として採用されておらず、この記述はSysMLの特徴の説明として適切ではありません。

選択肢ウ(正解)

これは正解だよ。SysMLのパラメトリック図は、モデル要素の値の間に成り立つ制約条件を表す図です。例えば、性能や物理量の関係を数式で記述し、関連する値と結び付けられます。ソフトウェアだけでなくハードウェアを含むシステムの分析にも使える、SysMLで追加された図です。

選択肢エ

これは不正解だよ。連接・反復・選択の記述パターンでソフトウェアの構造を視覚化するという説明は、PADやNS図など、構造化プログラミングに基づく記法に当たります。SysMLの活動図にも分岐や繰返しはありますが、三つの基本構造を用いるこの記述は、SysMLの特徴を説明したものではありません。

学習のポイント

SysMLがUMLから採用・変更した図と、独自に追加した図を区別し、各記法の目的を理解しましょう。

出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)令和5年度春期 システムアーキテクト試験 午前Ⅱ 問3(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例)

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