SAシステムアーキテクト試験 午前Ⅱ
令和4年度春期 システムアーキテクト 午前Ⅱ 問15
問題文と選択肢を読んで答えを考えてから、下の「正解と解説を見る」で確認しましょう。
問題
選択肢
- ア依頼元がベンダ企業側の作業担当者を指名して直接指揮命令を行う契約であり,ベンダ企業はこれを前提に要員を割り当てる。
- イ依頼元は,契約に基づきスキルや人数などの基準を満たすように要員を確保することをベンダ企業に求めるかわりに一定以上の発注を約束する。
- ウ開発したシステムによって依頼元が将来獲得する売上や利益をベンダ企業にも分配することを条件に,開発時のベンダ企業への発注金額を抑える。
- エベンダ企業が契約で定めた最低発注工数を下回って作業を完了した場合には,実稼働工数に基づいて請求することが求められる。
解き方のヒントを見る
記述の成立条件をそろえて考える
システム開発に関する内容を検討するときは、記述がどのような条件の下で成り立つかに注目しましょう。用語から結論を急がず、明示された条件と、自分が補っている前提を区別することが手掛かりになります。
この問題で問われていること
考える観点は、記述の成立条件です。対象や状況が変わっても同じように受け取れると決めつけず、示された範囲で意味を捉えましょう。一般的な知識を当てはめる前に、その適用に必要な前提があるかを確かめてください。
視点
知っている用語であっても、そこから連想した条件がすべて示されているとは限りません。判断の根拠にする前提が、与えられた情報に基づいているかを意識して整理しましょう。
確認ポイント
- 記述の成立条件として、何が明示されているか
- 明示されていない前提を、自分で補っていないか
- 示された条件の範囲を超えて、意味を広げていないか
正解と解説を見る
正解
イ
解説
正解はイです。ラボ契約では、ベンダ企業が契約上の基準を満たす要員を確保するかわりに、依頼元が一定以上の発注を約束します。要員確保と発注保証の対応が判断のポイントです。
理由
ラボ契約は、必要なスキルや人数などの基準を満たす要員の確保と、一定以上の発注の約束を組み合わせる契約です。ベンダ企業は発注の見通しを得て要員を確保でき、依頼元は必要な開発体制を継続して利用しやすくなります。この関係を説明している選択肢イが正解です。
比較
アの直接指揮命令は労働者派遣に近い関係を、ウの将来の売上や利益の分配はレベニューシェア型契約を説明しています。エは、最低発注工数を下回った場合に実稼働工数に基づく請求を求めていますが、ラボ契約では要員確保の対価として約束した最低発注工数が請求の基準になります。これらを、イが述べる要員確保と発注保証の関係と区別しましょう。
選択肢ア
これは不正解だよ。依頼元がベンダ企業の作業担当者に直接指揮命令を行う点は、労働者派遣に近い関係を示している。ラボ契約は、要員の確保と一定以上の発注を約束する関係が特徴であり、担当者の指名や直接の指揮命令を前提とする契約ではない。
選択肢イ(正解)
これは正解だよ。ラボ契約では、ベンダ企業が契約に基づくスキルや人数などの基準を満たす要員を確保する。そのかわりに依頼元は一定以上の発注を約束するため、ベンダ企業は要員を確保しやすくなり、依頼元は必要な開発体制を継続して利用しやすくなる。
選択肢ウ
これは不正解だよ。将来の売上や利益をベンダ企業にも分配し、そのかわりに開発時の発注金額を抑えるのは、レベニューシェア型契約の特徴である。ラボ契約で約束するのは要員の確保と一定以上の発注であり、将来の収益の分配を条件とするものではない。
選択肢エ
これは不正解だよ。ラボ契約では、要員を確保してもらうかわりに依頼元が一定以上の発注を約束する。最低発注工数を下回って作業を完了しても、その約束が請求の基準となるため、実稼働工数に基づいて請求することが求められるという説明は適切ではない。
学習のポイント
要員確保と発注保証の関係を理解し、派遣やレベニューシェアとの違いを整理しましょう。
出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)令和4年度春期 システムアーキテクト試験 午前Ⅱ 問15(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例)
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