SAシステムアーキテクト試験 午前Ⅱ

令和3年度春期 システムアーキテクト 午前Ⅱ 問2

問題文と選択肢を読んで答えを考えてから、下の「正解と解説を見る」で確認しましょう。

問題

勤怠管理システムのプロトタイプの作成例のうち,垂直型プロトタイプに該当するものはどれか。

選択肢

  1. ア
    PC 用の画面やスマートデバイス用の画面などの,システムの全ての画面を手書きで紙に描画する。
  2. イ
    システムの 1機能である有給休暇取得申請機能について,実際に操作して申請できる画面と処理を開発する。
  3. ウ
    システムの全ての帳票のサンプルを,実際の従業員の勤怠データを用いて手作業で作成する。
  4. エ
    従業員の出退勤時に使用する,従業員カードの情報を読み取る直立した外付け機器の模型を,厚紙などの工作材料で作製する。
解き方のヒントを見る

分類の基準軸を見極めて用語を区別する

プロトタイプに関する用語は、どのような観点で分けられた呼び名なのかによって意味が変わります。問題で問われている区別が何を基準にしたものかを最初に確かめ、その基準に沿って内容を照らし合わせる姿勢が大切です。

この問題で問われていること

この問題で確認したいのは、呼び名の違いが一つの分類軸の中での違いなのか、それとも別々の観点が混ざっているのかという点です。自分が知っている用語それぞれについて、何を基準に名付けられたかを整理してから判断しましょう。

視点

開発手法の用語は、それぞれ何らかの切り口で名付けられています。切り口が異なる用語同士は、そのままでは比べられません。まず用語ごとにその切り口を自分の言葉で言い表してみると、取り違えを防げます。

確認ポイント

  • 問われている区別が、どの観点に基づくものかを自分の言葉で説明できるか
  • 各用語について、名付けの基準になった観点を整理できているか
  • 異なる観点で名付けられた用語同士を、混同して比べていないか
正解と解説を見る

正解

イ

解説

垂直型プロトタイプは、システムの一部機能に対象を絞り、画面だけでなく処理も含めて、操作開始から結果の確認までを実際に動かせる形で試作する。したがって、一つの機能を深く作り込む選択肢が該当する。

理由

垂直型プロトタイプは、システム全体を広く浅く作るのではなく、特定の機能を選び、その機能に関係する画面や処理を縦方向に一通り実装する。実際の操作で業務の流れを確認できることが重要です。

比較

全画面を紙に描く、帳票のサンプルを手作業で作る、機器の外観模型を作るといった方法は、画面構成・帳票イメージ・機器形状の確認が中心です。機能を操作して処理結果まで確認する試作とは性質が異なる。

選択肢ア

これは不正解だよ。PC用やスマートデバイス用を含むシステムの全ての画面を紙に描く方法は、画面群を広く確認するための試作である。個別機能について、入力から処理、結果までを実際に動かせる形で作り込む垂直型の説明には当たらない。

選択肢イ(正解)

これは正解だよ。垂直型プロトタイプは、対象範囲を一つの機能などに絞り、その機能を画面だけでなく処理まで含めて一連の流れとして実際に操作できるようにする。この説明は、有給休暇取得申請という一機能を深く試作している。

選択肢ウ

これは不正解だよ。システムの全ての帳票を対象にしても、実際の従業員データを使って手作業でサンプルを作成するだけでは、システムを操作し処理を通して結果を得る試作とはいえない。機能の一連の動作を確認できない。

選択肢エ

これは不正解だよ。従業員カードを読み取る直立した外付け機器の模型を厚紙などで作る方法は、機器の形状や利用時のイメージを確認するための外観中心の試作である。画面と処理を動作させる垂直型とは異なる。

学習のポイント

プロトタイプの対象範囲と、動作確認の深さを区別して判断する。

出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)令和3年度春期 システムアーキテクト試験 午前Ⅱ 問2(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例)

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