SAシステムアーキテクト試験 午前Ⅱ

令和元年度秋期 システムアーキテクト 午前Ⅱ 問2

問題文と選択肢を読んで答えを考えてから、下の「正解と解説を見る」で確認しましょう。

問題

並列に生起する事象間の同期を表現することが可能な,ソフトウェアの要求モデルはどれか。

選択肢

  1. ア
    E-R モデル
  2. イ
    データフローモデル
  3. ウ
    ペトリネットモデル
  4. エ
    有限状態機械モデル
解き方のヒントを見る

記述を捉える範囲に注目する

要求モデルを検討するときは、記述がどの範囲を対象としているかに注目しましょう。用語から意味を決めつけず、与えられた条件を手掛かりに、判断の対象となる範囲を丁寧に確かめることが大切です。

この問題で問われていること

この話題では、個々の記述をどの範囲について述べたものとして捉えるかを意識してください。自分で補った前提によって対象を広げたり狭めたりしていないか、与えられた条件に立ち戻って確認しましょう。

視点

まず、検討対象の範囲を自分の言葉で短く整理します。その範囲が与えられた条件に基づいているかを確かめ、無意識に付け足した前提があれば区別しておきましょう。

確認ポイント

  • 判断の対象とする範囲を意識できているか
  • その範囲を支える条件を確認したか
  • 自分の思い込みで範囲を変えていないか
正解と解説を見る

正解

ウ

解説

ペトリネットモデルは、場所・トランジション・トークンを用いて、事象の発生条件、並列動作、待ち合わせや同期を表現できる要求モデルです。

理由

ペトリネットモデルでは、トークンの配置を状態、トランジションを事象の発生として表します。複数のトランジションを並列に進めたり、複数の入力条件がそろったときだけ発生させたりできるため、並列に生起する事象間の同期を表現できます。

比較

E-Rモデルはデータ項目と関連、データフローモデルはデータの流れ、有限状態機械モデルは状態と遷移の表現に重点があります。これらに対し、ペトリネットモデルは並行性や同期を扱える点が特徴です。

選択肢ア

これは不正解だよ。E-Rモデルは、エンティティとその属性、エンティティ間の関連など、データの構造を表現するモデルです。データ同士の関係を整理する目的には適していますが、並列に発生する事象の進行条件や待ち合わせを表すモデルではありません。

選択肢イ

これは不正解だよ。データフローモデルは、外部 entity、処理、データストアなどの間をデータがどのように移動するかを表現します。処理間のデータの流れを分析できますが、複数の事象が並列に生起し、相互に同期する関係を直接表すことが主目的ではありません。

選択肢ウ(正解)

これは正解だよ。ペトリネットモデルは、場所、トランジション、トークンを使ってシステムの状態と事象の発生を表します。複数の動作を並列に進行させたり、複数の条件がそろうまで次の事象を待たせたりできるため、並列に生起する事象間の同期を表現できます。

選択肢エ

これは不正解だよ。有限状態機械モデルは、システムが取り得る状態と、入力や事象によって状態が移る関係を表現します。単一の状態遷移を整理するには有効ですが、複数の事象が独立に並行して進み、条件をそろえて同期する構造の表現には適した中心モデルではありません。

学習のポイント

モデルごとの表現対象を、データ構造・データの流れ・状態遷移・並列動作に分けて整理します。

出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)令和元年度秋期 システムアーキテクト試験 午前Ⅱ 問2(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例)

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