SAシステムアーキテクト試験 午前Ⅱ

平成29年度秋期 システムアーキテクト 午前Ⅱ 問1

問題文と選択肢を読んで答えを考えてから、下の「正解と解説を見る」で確認しましょう。

問題

アジャイル開発プロセスにおいて,Bill Wake が提案した “INVEST”と呼ばれる六つの観点を用いて行うことはどれか。

選択肢

  1. ア
    効率よくアクティビティ図を作成する。
  2. イ
    コード化できるレベルまで詳細化されたデータフロー図を作成する。
  3. ウ
    再利用しやすいソフトウェアパターンとなっているかどうかを評価する。
  4. エ
    質の高いユーザストーリとなっているかどうかを評価する。
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観点群が評価する対象を見極める

アジャイル開発では多くの観点や原則が提唱されています。ある観点群を見たとき、それが何の良し悪しを判定するために作られたのかを、観点一つ一つの意味から逆算して考える姿勢を身につけましょう。

この問題で問われていること

確認すべき観点は一つ、「その観点群が当てはめられる対象は何か」です。個々の観点が求めている性質を思い浮かべ、それが開発のどの場面で、何に対して満たされるべき性質なのかを考えて対象を見極めてください。

視点

評価の観点群は、特定の対象の品質を確かめるためのチェックリストとして提唱されることが多くあります。名称や略語を暗記するだけでは、似た印象の対象と取り違えやすくなります。学習の際は、各観点が求めている性質を具体的な場面に当てはめてみてください。その性質が自然に意味を持つ対象はどれかを考えると、観点群と評価対象の対応を理解しやすくなります。

確認ポイント

  • その観点群を構成する各観点が、どのような性質を求めているかを自分の言葉で説明できるか
  • その性質を満たす必要があるのは、開発のどの段階で扱われる何なのかを考えたか
  • 観点すべてが無理なく当てはまる対象かどうかを、一つずつ当てはめて確かめたか
正解と解説を見る

正解

エ

解説

INVESTはBill Wakeが提案した、アジャイル開発におけるユーザストーリの品質を確認するための六つの観点です。ユーザストーリが独立して扱え、価値を持ち、見積もりや検証が可能で、十分に小さく、交渉可能かを評価する。

理由

INVESTは、ユーザストーリを実装に適した大きさと内容へ整えられているか確認するための考え方です。したがって、対象は作図作業の効率やデータフロー図の詳細度ではなく、要求を表すユーザストーリの品質です。

比較

アクティビティ図やデータフロー図は分析・設計で用いる図であり、INVESTの評価対象ではありません。また、ソフトウェアパターンの再利用性を評価する枠組みでもない。ユーザの価値を表し、見積もりや検証が可能なストーリになっているかを確認する。

選択肢ア

これは不正解だよ。アクティビティ図を効率よく作成することは、図の作成方法や作業効率に関する内容である。INVESTは図を作る手順の評価基準ではなく、アジャイル開発で扱うユーザストーリが適切な品質を備えているかを確認する観点なので、この記述は該当しない。

選択肢イ

これは不正解だよ。コード化できるレベルまでデータフロー図を詳細化することは、分析・設計成果物の詳細度に関する内容である。INVESTが対象とするのはデータフロー図ではなく、価値や見積可能性などを備えたユーザストーリであり、図を実装可能な粒度にする基準ではない。

選択肢ウ

これは不正解だよ。再利用しやすいソフトウェアパターンかを評価することは、設計パターンやソフトウェア部品の再利用性に関する内容である。INVESTはパターンの再利用性を判定する枠組みではなく、アジャイル開発のユーザストーリを評価するための観点である。

選択肢エ(正解)

これは正解だよ。INVESTは、アジャイル開発で用いるユーザストーリの品質を評価するためにBill Wakeが提案した六つの観点である。独立性、価値、見積可能性、十分な小ささ、検証可能性などを確認し、実装や計画に適したストーリかを判断する。

学習のポイント

INVESTの各文字が示す観点と、ユーザストーリの品質評価との関係を理解する。

出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)平成29年度秋期 システムアーキテクト試験 午前Ⅱ 問1(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例)

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