SAシステムアーキテクト試験 午前Ⅰ

令和7年度春期 システムアーキテクト 午前Ⅰ 問18

問題文と選択肢を読んで答えを考えてから、下の「正解と解説を見る」で確認しましょう。

問題

EVMを使用してマネジメントをしているプロジェクトで、進捗に関する指標値は次のとおりであった。このプロジェクトに対する適切な評価と対策はどれか。〔進捗に関する指標値〕CPI(コスト効率指数):0.9、SPI(スケジュール効率指数):1.1、BAC(完成時総予算)に基づくTCPI(残作業効率指数):1.2

選択肢

  1. ア
    コストが予算を超えているが、スケジュールには余裕があり、残作業のコスト効率を計画よりも上げる必要はないので、CPIに基づいて完成までに必要なコストを予測する。
  2. イ
    コストが予算を超えているので、完成時総予算を超過するおそれがあるが、スケジュールには余裕があるので、残作業のコスト効率を上げる対策を検討するか、コンティンジェンシー予備費の使用を検討する。
  3. ウ
    コストには余裕があるが、スケジュールが予定より遅れており、残作業のコスト効率を計画よりも上げる必要があるので、ファストトラッキングなどを用いたスケジュール短縮を検討するとともに、コンティンジェンシー予備費の使用を検討する。
  4. エ
    コストには余裕があるので、残作業のコスト効率を計画よりも上げる必要はないが、スケジュールが予定より遅れているので、クラッシングなどを用いたスケジュール短縮を検討する。
解き方のヒントを見る

指標の意味と関係を整理する

EVMを扱うときは、まず各指標が何を基準に、どの時点の進み具合や投入状況を表すのかを整理し、単一の値だけで判断せず、計画・実績・見込みの関係を同じ視点で読み取る。

この問題で問われていること

確認の中心は、コスト面とスケジュール面を混同せず、それぞれが計画との差をどのように示しているか、さらにその差から対策を考える前提がそろっているかを丁寧に見ることです。

視点

指標を読む前に、比較対象となる計画と実績の時点をそろえ、コストと進捗を別々の観点で捉える。値の大小だけで結論を出さず、差が生じた背景と今後の見込みを確認してから、必要な対応を考える。

確認ポイント

  • 比較する計画と実績の基準時点がそろっているか確認する
  • コスト面とスケジュール面を分けて状況を整理する
  • 差の背景と今後の見込みを踏まえて対応を検討する
正解と解説を見る

正解

イ

解説

CPIが1未満なのでコスト効率は計画を下回り、SPIが1を超えるのでスケジュールは計画より進んでいる。さらにTCPIが1.2で、BAC達成には残作業で高いコスト効率が必要なため、改善策や予備費を検討する。

理由

CPIはEV÷ACで表され、0.9は投入した実コストに対する出来高が計画より低く、コスト超過傾向を示します。SPIはEV÷PVで表され、1.1はスケジュール上の出来高が計画を上回ることを示します。TCPIはBAC達成に必要な残作業の効率を示し、1.2は残作業で計画以上のコスト効率が求められる状態です。これらは比率であり単位はない。

比較

したがって、主な課題は遅延ではなくコスト効率です。BACに基づくTCPIが高いため、残作業の効率を改善する対策を検討し、それでも対応が難しい場合はコンティンジェンシー予備費の使用も検討する。スケジュール短縮策を中心にする選択肢や、コスト改善が不要とする選択肢は、指標値の解釈と一致しない。

選択肢ア

これは不正解だよ。CPIが0.9であるため、コスト効率は計画を下回っており、完成時総予算を超過する可能性がある。SPIは1.1なのでスケジュールには余裕があるが、TCPIは1.2であり、残作業のコスト効率を計画よりも上げる必要がないという判断が誤っている。

選択肢イ(正解)

これは正解だよ。CPIが0.9なのでコストは予算超過傾向にあり、BACを超えるおそれがある。一方、SPIは1.1でスケジュールには余裕がある。TCPIが1.2で残作業に高いコスト効率が必要なため、効率改善策やコンティンジェンシー予備費を検討する内容が適切である。

選択肢ウ

これは不正解だよ。CPIが0.9であるためコストに余裕があるとはいえず、残作業のコスト効率を高める必要がある点は正しい。しかし、SPIは1.1でスケジュールが予定より遅れているわけではないため、ファストトラッキングによるスケジュール短縮を検討する前提が誤っている。

選択肢エ

これは不正解だよ。CPIが0.9なのでコストには余裕があるとはいえず、TCPIも1.2で残作業のコスト効率を計画よりも上げる必要がある。また、SPIは1.1で予定より進んでいるため、クラッシングによるスケジュール短縮を検討する状況でもない。

学習のポイント

CPI・SPI・TCPIの基準値1との比較と、対策対象の対応関係を学ぶ。

出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)令和7年度春期 システムアーキテクト試験 午前Ⅰ 問18(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例)

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