SAシステムアーキテクト試験 午前Ⅰ

令和7年度春期 システムアーキテクト 午前Ⅰ 問2

問題文と選択肢を読んで答えを考えてから、下の「正解と解説を見る」で確認しましょう。

問題

AIにおける機械学習の過程において、過学習と疑われたときの解消方法として、最も適切なものはどれか。

選択肢

  1. ア
    訓練した時と同じ精度を出すために、訓練データをテストデータとして使用する。
  2. イ
    精度を高めるために、元の訓練データに加工を施し、訓練データの量を増やす。
  3. ウ
    予測した結果に近づけるために、モデルをより複雑にする。
  4. エ
    より多くの未知のデータに対して予測できるように、汎化性能を下げる。
解き方のヒントを見る

判断に用いる前提を確認する

機械学習に関する判断では、結論に目を向ける前に、その判断がどのような前提の下で成り立つかを確認しましょう。扱う条件の違いを意識し、与えられた情報の範囲で考えることが大切です。

この問題で問われていること

着目するのは、判断に必要な前提条件です。扱われている内容について、明示された条件と自分で補った想定を区別し、結論の根拠にしてよい情報がどこまでかを落ち着いて確認しましょう。

視点

同じ話題でも、前提条件が変われば判断の根拠も変わり得ます。知っている知識を当てはめる前に、明示された条件を整理し、書かれていない条件を無意識に足していないか確かめましょう。

確認ポイント

  • 明示されている前提条件を把握したか
  • 自分の想定を条件として付け加えていないか
  • 判断の根拠が示された条件に沿っているか
正解と解説を見る

正解

イ

解説

正解はイです。過学習は、訓練データに適合しすぎて未知のデータへの予測性能が低下する状態です。適切な加工によって訓練データの量と多様性を増やすデータ拡張は、過学習の緩和に役立ちます。

データ拡張が適切な理由

イは、元の訓練データに加工を施して訓練データの量を増やす方法です。これをデータ拡張といいます。画像の分類なら、分類の意味が変わらない範囲で回転や明るさの変更を加える方法があります。多様な例を学習させることで、特定のデータへの偏った適合を抑える効果が期待できます。ただし、単に同じデータを複製するだけでは、多様性は増えません。

ほかの選択肢との比較

アは訓練データをテストに再利用する方法であり、過学習を解消するものではありません。ウのモデルの複雑化は、訓練データの偶然のばらつきまで学習して過学習を悪化させる可能性があります。エは汎化性能を「下げる」としており、未知のデータへの予測能力を改善するという目的に反します。

選択肢ア

これは不正解だよ。訓練データをテストデータとして使用すると、学習に使ったデータに対する精度を測ることになります。その精度が高くても、未知のデータに対応できるとは限りません。訓練した時と同じ精度を出すためのデータの再利用は、過学習そのものの解消にはなりません。

選択肢イ(正解)

これは正解だよ。元の訓練データに加工を施して量を増やす方法は、データ拡張と呼ばれます。例えば画像では、分類の意味を保つ範囲で回転や明るさの変更を行います。多様な例で学習することで、特定の訓練データへの偏った適合を抑え、過学習の緩和が期待できます。

選択肢ウ

これは不正解だよ。モデルをより複雑にすると、訓練データの細かな特徴や偶然のばらつきまで学習しやすくなります。予測した結果に近づけることを狙って複雑化しても、過学習を悪化させる可能性があります。対策には、モデルの複雑さを抑えることや正則化などが考えられます。

選択肢エ

これは不正解だよ。汎化性能は、学習に使っていない未知のデータに対しても適切に予測できる能力を表します。より多くの未知のデータに対して予測できるようにするという目的に対し、汎化性能を下げるという手段は逆方向です。過学習の解消では、汎化性能の改善を目指します。

学習のポイント

過学習と汎化性能の関係を理解し、データ拡張が過学習の緩和に役立つ理由を押さえましょう。

出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)令和7年度春期 システムアーキテクト試験 午前Ⅰ 問2(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例)

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