SAシステムアーキテクト試験 午前Ⅰ

令和5年度春期 システムアーキテクト 午前Ⅰ 問14

問題文と選択肢を読んで答えを考えてから、下の「正解と解説を見る」で確認しましょう。

問題

スパムメール対策として、サブミッションポート(ポート番号587)を導入する目的はどれか。

選択肢

  1. ア
    DNSサーバにSPFレコードを問い合わせる。
  2. イ
    DNSサーバに登録されている公開鍵を使用して、デジタル署名を検証する。
  3. ウ
    POP before SMTPを使用して、メール送信者を認証する。
  4. エ
    SMTP-AUTHを使用して、メール送信者を認証する。
解き方のヒントを見る

スパム対策は目的と作用する場面で整理

メール送信のスパム対策は、名称だけで覚えると混同しやすい分野です。各仕組みが誰の立場で、送信経路のどの段階に作用し、何を防ぐために導入されるのかという目的の軸に絞って、問われている内容と照らし合わせて考えましょう。

この問題で問われていること

この問題で意識したいのは、ある対策が「何を防ぐために」導入されるのかという目的の一点です。仕組みの名称や動作の細部より先に、その対策が無いと何が起きるのかを自分の言葉で説明できるかを確かめてから判断しましょう。

視点

メールのやり取りには、送信する利用者、送信側の事業者、受信側の事業者など複数の関係者が関わります。スパム対策は、どの関係者がどんな困りごとに対処したいかによって役割が分かれます。そのため、個々の仕組みを暗記するより「誰の・どんな問題を解決するための工夫か」という目的の観点で整理すると、知識を区別しやすくなります。

確認ポイント

  • その対策が導入されていない場合、誰にどのような不都合が生じるかを説明できるか
  • その対策を主に実施・設定するのはどの立場の関係者かを把握しているか
  • 問われている内容が、対策の目的と仕組みのどちらを問うものかを読み取れているか
正解と解説を見る

正解

エ

解説

サブミッションポート587は、メールクライアントが送信サーバへメールを投稿するための専用ポートだよ。SMTP-AUTHで送信者を認証し、認証された利用者だけが送信できるようにするのが目的なので、正解はエだよ。

理由

スパム対策として、ISPはOP25B(Outbound Port 25 Blocking)で、自分のネットワークから外部のポート25への通信を遮断することがあるよ。こうすると正規の利用者も外部のメールサーバへ送信できなくなるので、投稿専用のサブミッションポート587を用意するんだ。このポートではSMTP-AUTHでユーザIDとパスワードなどを確かめ、認証できた送信者だけがメールを送れるようにするよ。

比較

SPF(ア)とDKIM(イ)は、受信側がDNSの情報を使って送信元ドメインが正当かどうかを確かめる送信ドメイン認証の仕組みだよ。POP before SMTP(ウ)は、POPで認証が済んだIPアドレスからの送信を一定時間だけ許す方式で、SMTPの接続そのものでは認証しないんだ。投稿の区間で、SMTPの接続の中で送信者を直接認証するのはSMTP-AUTH(エ)だけだよ。

選択肢ア

これは不正解だよ。SPFレコードを問い合わせるのは、受信側のメールサーバが送信元ドメインのDNSに登録されたSPFレコードを参照して、送信元IPアドレスが正当なサーバのものかを確かめる送信ドメイン認証だよ。受信側での検証なので、クライアントが送信サーバへメールを投稿する区間で送信者を認証するサブミッションポートの目的とは違うんだ。

選択肢イ

これは不正解だよ。DNSサーバに登録された公開鍵でデジタル署名を検証するのは、DKIMの仕組みだよ。送信側のサーバがメールに付けた署名を受信側が検証して、送信元ドメインが正当か、改ざんがないかを確かめるものなんだ。メールクライアントからの投稿時に送信者を認証するというサブミッションポートの目的とは別物だよ。

選択肢ウ

これは不正解だよ。POP before SMTPは、メールを送る前にPOPで認証に成功したIPアドレスからのSMTP送信を、一定時間だけ許可する方式だよ。POPでの認証結果を流用するだけで、SMTPの接続そのものでは送信者を認証しないんだ。サブミッションポート587はSMTPの接続の中で送信者を認証するためのものなので、この方式を導入目的とはしないよ。

選択肢エ(正解)

これは正解だよ。サブミッションポート587は、メールクライアントが送信サーバへメールを投稿するための専用ポートで、SMTP-AUTHによる送信者認証と組み合わせて使うよ。OP25Bでポート25から外部への通信を遮断しても、正規の利用者は587番で認証を受ければ送信できるので、認証されていない者によるスパム送信を防げるんだ。

学習のポイント

ポート25と587の役割の違い、OP25Bとの関係、SPF・DKIM・POP before SMTP・SMTP-AUTHがそれぞれどの区間で何を確かめるのかを区別して覚えよう。

出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)令和5年度春期 システムアーキテクト試験 午前Ⅰ 問14(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例)

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